小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2020.09.01更新

あ dogイヌ回虫のゴールデンレトリバー


 

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(写真1)イヌ回虫、学名:Toxocara canis

 

4ケ月雌のゴールデンレトリバーです。

1ケ月前、当院での検便では異常ありませんでした。

2日前、フィラリア予防のためネクスガード®を飲ましました。すると大量の回虫が排泄され来院しました。
(写真1)

 ネクスガード®はフィラリア予防薬ですが、同時にノミ、マダニ、犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫の駆除が可能です。

 この症例がなぜ事前の検便が陰性なのにネクスガード®の経口投与で虫体が排泄されました。実際はイヌ回虫に感染していた訳です。なぜこのようなことがおきたかを説明します。

  まず糞便は、均一に虫卵が分布している訳ではありません。虫卵は排泄する日としない日があります。

 均一に虫卵がいると仮定して犬回虫の産卵能力と検便の検出率について説明します。犬回虫卵は1日の10kg雌犬の推定便量130g中に900-2000個の犬鞭虫卵を産みます。糞1gあたり154-1540個に相当します。直接法で検便を診るとプレバラート1枚当たり便量は2-3mgになり、0.3個-4.6個の犬回虫卵が見れる計算になります。そのため直接法で検便をしても検出率はまずますですがエラーは生じる可能性はあります。
 浮遊法・遠心法の中で最も検出率のよいとされる硫酸亜鉛遠心法を使用すると便0.5gの回収率を50%として計算するとプレバラート1枚当たり39-390個の犬回虫卵が見れる計算になります。
 
 またプレパテントピリウドといって宿主に感染後して虫卵や幼虫を排泄できるまでの期間を指します。この時期に検便をしても、感染は成立していても、検便では陰性になります。犬回虫のプレパテントピリウドは専門書により異なりますが50-60日前後です。

 以上の理論で犬回虫は単回の検便では検出ができない場合もあり、診断には複数回の検便と硫酸亜鉛遠心法を併用することがベストです。

 この症例のように試験的に回虫などを駆虫可能な薬剤を投与して様子を診ることが現実的です。


 

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投稿者: オダガワ動物病院