■腎疾患が疑れたオカメインコ
5才雄のオカメインコが元気なく、落鳥したことで来院いました。
膨羽していて、体重は74gで痩せていました。
オーナーは入院治療と可能な範囲の検査を希望されました。
まず血液検査をおこないました。
血液検査は
PCV 64%(正常値45-55)
白血球 約5000位(ul/)(正常値3000-8000)
トータルプロテイン 4.0(g/dl)(正常値2.5-4.5)
AST/GOT 502(U/l)(正常値150-350)
尿酸 18以上(mg/dl)(正常値3.5-7.0)
血液量が採れず、上記の結果が限界でした。
この結果より、尿酸「尿酸 18以上(mg/dl)」が高く重度の腎臓病と、AST/GOTがすこし高いため「AST/GOT 502(U/l)」軽度の肝臓障害と、脱水「PCV 64%」が診られました。
そのため治療は皮下補液、強肝剤、強制給餌を中心におこないました。
入院3日目から、食欲元気も取り戻し体重も増加傾向になりました。
入院1週間後
血液検査は
PCV 56%(正常値45-55)
白血球 約5000位(ul/)(正常値 3000-8000)
トータルプロテイン 4.6(g/dl)(正常値 2.5-4.5)
AST/GOT 114(U/l)(正常値 150-350)
尿酸 10.6(mg/dl)(正常値 3.5-7.0)
無機リン 5.4(mg/dl)(正常値 3.5-7.0)
に回復し、退院としました。
その後自宅でセミントラ®を飲水投与してもらっていました。
さらに1週間後
血液検査は
PCV 50%(正常値45-55)
白血球 約5000位(ul/)(正常値 3000-8000)
トータルプロテイン 4.2(g/dl)(正常値 2.5-4.5)
AST/GOT 108(U/l)(正常値 150-350)
尿酸 9.1(mg/dl)(正常値 3.5-7.0)
無機リン 3.0(mg/dl)(正常値 3.5-7.0)
でした。
現在セミントラ®を飲水投与で維持しています。
鳥類の腎臓疾患は尿酸を中心に診ます。
この症例は初診で尿酸値18以上(mg/dl)でとても高い値をしましてました。
この症例のように尿酸値は高値でも皮下補液などの治療によりよくなる症例もあります。
しかし皮下補液に全く反応しないで死亡する症例もいます。
ご注意 セミントラ®は動物用医療用薬品なため、処方には診察が必要です。薬のみの販売はできません。
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