鳥の毛筆
2024.06.11更新
■鳥の毛筆
ご注意
このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。
当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。
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2024.06.11更新
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2024.05.20更新
■ハムスター、生後4ケ月の軟便の症例
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当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。
軟便が2週間続いているそうです。(写真1)
ハムスターの軟便は確定診断は下せないことが多く、腸重積ををおこすこともあり油断できない疾患です。若いハムスターは細菌性、寄生虫性が原因でおこることが多いです。老いたハムスターでは基礎疾患があっておきることが多いです。
当院では稟告、身体検査、検便から対称療法を中心に行っています。
特に下記の寄生虫を含めて、検便は新鮮便でないと判断しづらいです。古い便だと虫体が崩れて、判別不明なケースが多いためです。
当院に訪れれる予定の方は新鮮な便を用意されるとこを薦めます。
まず食事の食べすぎ、高脂肪食(主にヒマワリ)の過多を聞きます。また便をハムスターが潰して軟便と勘違いしている場合もありました。体重減少がおきないか注意してみています。
今回の症例は4ケ月の雌、ジャンガリアンハムスターで、軟便が2週間続くことで来院しました。(写真1)
ジアルジア(簡易染色)(Giardia、spp)×400(写真2)
新鮮便でジアルジアのシストが見られました。(写真2)
フラジール®を2種間処方しました。投与に合わせてハムスターの機材の熱湯消毒も指示しました。(ハムスターの機材が壊れない60度位の温度で)
しかし2週間軟便続き再来院しました
小型条虫(Hymenolepis nana)×1000(写真3)
再び新鮮便を顕微鏡観察しました。ジアルジアは有意が減少が見られましたが
小型条虫が見られました。(写真3)
ハムスターでは軟便の原因なります。駆虫剤は諸説ありますが10日に1回位が良いとされています。
駆虫剤に加えてこの寄生虫もハムスターの機材の熱湯消毒が必要です。
小型条虫は円葉条虫目に属しますが、変節が脆くウリザネ条虫のように変節の排泄はまれです。変節が体内で壊れ虫卵で検出されるケースが多いです。(写真3)
感染経路は3ルートももあるので完全駆虫は大変です。
そのルートは
①老塾変節が消化管内で壊れることで自家感染がおきます。
②排泄した虫卵の経口直接感染もあります。円葉条虫目で唯一中間宿主が不必要なルートを持ちます。
③汚染されたハムスターの糞を中間宿主のゴキブリ、ゴミムシダマリ、ノミ、昆虫類が摂取して体内で育ち、その後再びハムスターにそれらが捕食され感染が成立します。ヒトにもハムスター同様、終宿主として感染します。
以上の理由で完全駆虫は大変です。
ネズミ大腸蟯虫(Aspiculuris tetraptera)×1000(写真4)
虫卵(大きさ83-93×38-43mm)は紡錘形で左右対称です。
ネズミ大腸蟯虫も見られました。
ハムスターに軟便をおこすことは少ないと考えられています。
プレパテント・ピリオド(約24日)を考慮して週1回間隔の駆虫が薦められますが
生活史がこの寄生虫も複雑で完全駆虫は難しいこともあります。
トイレと寝床がケージ内にあることが多いハムスターは再度虫卵が経口的に入る可能性が高く
食糞による虫卵の再感染、また逆行感染もあります。
駆虫剤に加えて、この寄生虫もハムスターの機材の熱湯消毒が必要です。
この症例の便、グラム染色 ×1000(写真5)
幼ハムスターの下痢では寄生虫疾患の他にサルモネラ症、ティザー病、ウエットテイル/増殖性回腸炎など細菌性疾患でもおこります。しかしこれらの臨床的な鑑別診断は不可能です。
プロヘンンダー・スポット®週1で4回使用後の便(写真6)
この症例は小型条虫、ネズミ大腸蟯虫に駆虫が期待できるでプロヘンンダー・スポット®を皮膚に垂らし、週1で4回使用しました。他に止瀉剤、抗生剤も併用しました。
プロヘンンダー・スポット®の使用で糞便中に寄生虫はなくなりましたが、軟便はときどき繰り返しています。
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2024.05.12更新
■ハムスターの頚部の『しこり』
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1歳のハムスターです。
右頚部に『しこり』を発見して来院されました。
細胞診すると大量の膿が吸引されました。
簡易染色像
簡易染色すると好中球が多くみられました。また別におこなったグラム染色ではグラム陽性の球菌が多くみられました。
以上よりバイトリル®を処方して経過をみています。
ハムスターの化膿はしこりを形成して抗菌剤で治りにくいことが特徴です。
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2024.05.12更新
■モルモットの乳腺腫瘍(悪性のケース)
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3歳半の雄のモルモットです。
左乳腺に『しこり』を発見して来院されました。
乳頭より赤い分泌物がでています。
経験的に乳腺癌が予想される症例です。
血液・生化学検査で異常はなく、レントゲン検査でも転移もなく手術を行いました。
摘出した乳腺
手術後は退院させたところ、すぐに食欲はあったそうです。
摘出した乳腺の病理診断名は乳腺癌(mammary carcinoma)でした。
病理医には『乳腺腫瘍は完全に切除され、良好な経過を示す可能性が高いですが
乳腺癌なので経過観察は十分におこなうように』コメントを頂きました。
モルモットの乳腺腫瘍は雄、雌両方でよくみられる点が特徴です。
3歳以上で約30%のモルモットに発生する報告もあります。
当院の経験では良性腫瘍、悪性腫瘍だいたい1対1ですが、
悪性腫瘍が多い報告もあります。
局所浸潤の激しい乳腺癌は再発する可能性もありますが、遠隔転移は少ないと予想されています。
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2024.04.11更新
■モルモット雄の乳腺腫瘍と皮膚腫瘍
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4歳の雄のモルモットです。
左乳腺に『しこり』を発見して来院されました。
乳頭より赤い分泌物がでています。
経験的に乳腺癌が予想される症例です。
手術のため毛を刈ると乳腺腫瘍の斜め下に皮膚腫瘍が見つかりました。
にゅ
手術て摘出した乳腺腫瘍(赤矢印)と皮膚腫瘍(黄矢印)
乳腺腫瘍(赤矢印)は乳腺癌(mammary carcinoma)
皮膚腫瘍(黄矢印)は毛包腫(folliculoma)で良生腫瘍でした。
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2024.04.11更新
■モルモット下顎前歯の切りすぎ
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正常のモルモットの前歯
モルモットの切歯(前歯)はだいたい下顎の切歯2-3に対して上顎の切歯は1の比率になります。
下唇を下におろしてみる必要があります。
食欲不振を主訴に来院したモルモット
モルモットの歯は繊細です。
稟告を聞くと、少し前、他施設で前歯の切除処置を受けてから食欲不振が減ったそうです。
この症例は上顎と下顎の前歯がだいたい1対1になっておりルモット下顎前歯の切りすぎが疑われます。
体重を測りながら、強制給餌を指示しました。
その後この症例は来院はありませんでした。
後日、その後食欲は改善せず、3ケ月後に死亡したと報告を受けました。
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2024.04.11更新
■小桜インコ 尾脂腺の『できもの』
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6歳の雄、小桜インコ、尾脂腺に『できもの』がみられ来院しました。
治療は外科をおこなうか、レーザー治療にするか、内科治療にするか
後日お答え頂くことで帰宅しました。
ところが4日後、尾脂腺の『できもの』がとれました。
持参された尾脂腺の『できもの』
ホルマリンで固定すると浮きました。
当院では尾脂腺の『できもの』が自然に取れたのは初めてのことです。
皮膚線の『できもの』、病理所見
全域に痂皮が見られ、腫瘍成分は観察されませんでした。
一部表層に赤血球が豊富に観察され、細菌塊が多数散在された。
との所見でした。
肉眼所見、文献の尾脂腺の『できもの』の所見、病理と総合判定して
尾脂腺膿瘍と診断しました。
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2024.04.11更新
■サザナミインコの爪切り
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サザナミインコが爪切りで来院しました。
当院に来院する鳥類では、文鳥を除き積極的に爪切りが必要なケースは多くありません。
爪が全く長くないに、爪切りを依頼されたケースもよくあります。
爪切りは自宅でもできますが、爪の中の血管を切りと派手に血がでてきます。
自宅で爪切りを行う場合は事前に掛かりつけの動物病院に来院して止血の方法を伝授してもらってから行って下さい。
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2024.04.04更新
■ウサギ下顎の脱毛
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3歳のウサギの下顎に脱毛ができたので来院しました。
皮膚検査では特に異常はありませんでした。
ウサギの問題行動による頚部の脱毛と診断して治療をはじめようと考えましたが
オーナーが薬を飲ませる自信がないことでこの先治療が進まなかった症例です。
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2024.04.01更新
■モルモット下顎の皮膚膿瘍
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3日前下顎付近に『しこり』を発見して来院しました。波動感があるしこりでした。
『しこり』を細胞診をすると大量の膿が吸引されました。
培養同定検査は同意できませんでしたが、グラム染色すると好中球とグラム陽性の球菌、連鎖球菌が見られました。
抗生剤はバイトリル®を処方しました。モルモットは使用できる抗生剤が限られますので注意が必要です。またモルモットは使用可能な抗生剤を使用しても食欲不振をおこすこともあります。
5日後、膿も少なくなりました。
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