小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。

ウサギの診療

 ■ウサギの来院の特徴


 ウサギは身体の構造的に吐くということができないため、急性毛球症になると短時間で悪化してしまいます。具合が悪くなり体温がすぐに下がります。できるだけ早くウサギを診療できる動物病院に連れていってあげてください。

 また、ウサギは食べないとわずか1日で脂肪肝になり、3~4日でいつ死亡しても不思議ではありません。どんな病気になったとしても強制給餌の有無が生死を分けるといっても過言ではありません強制給餌について当院ではくわしくご指導していますので、来院の際に声をかけてください。

 ご来院いただく際には、ペットキャリーに牧草を牽いてウサギを入れてください。上記したようにウサギは身体の構造的に吐くという行為ができません。そのため犬猫のようにペットキャリーにタオルやペットシーツを入れると誤飲して胃腸障害をおこしますのでやめてください。
 また「おとなしいから」と抱っこでご来院されると、見知らぬ場所や他の動物の気配でパニックになり取り返しのつかない結果を招くこともあります。必ずキャリーに入れて、しっかり入口を閉じてあげてください。そして診療室のなかでキャリーからだしてあでてください。下記に当院で実際にあった症例を紹介します。
家族の方が冗談でうさぎを威かしたら、小屋の中で暴れて、鼻血がでたケース。 
②家の電気コードを噛んで感電したウサギのケース。口に中が黒くこげています。
③ハーネスをつけて散歩中には外れて、壁に当たって来院したウサギです。傷のみで大事故にはならずよかったです。
友人に預けたら抱っこして脊髄骨折したウサギ

仔ウサギがやってきたら

■仔ウサギが家庭にやってきた。


  仔ウサギが家庭にやってきたときの注意点をまとめました。まずウサギには犬猫のようにワクチンはありませんが、とてもデリケートな動物なため犬猫ではない注意点があります。

◇3ヶ月~5ヶ月 
 ます雄雌の確認と個体識別のためマイクロチップの挿入をするかどうか検討してください。
食事はこの時期に食べたものを終生食する傾向がありますので、ラビットフード、牧草選びは大切です。

内部寄生虫の診断には検便が必要です。コクシジウム、蟯虫、ジアルジアなどが見られます。コクシジウムは場合によっては下痢が続いて死亡する場合もあります。蟯虫はウサギと共存しており、下痢など症状がないことがほとんどです。ジアルジアはウサギの健康状態が悪い場合にまれに現れる程度です。
寄生虫と異なりますがまれにウサギは生後8週齢位で母乳からのミルクオイルが少なくなることが原因で、下痢をおこしやすくなります。おきた場合は生死にかかわりますので早めの来院がお薦めです。

皮膚は皮膚真菌症(ヒトで言う水虫)や外部寄生虫(ノミ・ダニ)に疾患を時々見ます。

◇6~10ヶ月目
 希望なら去勢・避妊手術の最適時期です。メスのウサギは子宮・卵巣腫瘍が多いので、避妊手術を行った方が良いのではという飼い主さまのお考えがある場合には対応しています。手術時期は、生後6ヶ月~1歳の間が最適だと当院では考えています。オスの去勢手術はすべてのウサギに必要な訳ではありませんが、スプレーなどの問題行動が多い場合にご提案しています。

また毛玉症、前歯(門歯)、臼歯の過長で食欲不振になる症例は早いケースはこのころから始まります。

1-5歳のウサギの健康ケアー

■1-5歳のウサギの健康ケアーについて


 7歳位が平均寿命なため、3歳位から疾患が多くなります。
胃腸 年齢にかかわらず、春、秋の毛が入れ替わる時期にリンクして毛玉症の症例はよくみます。
歯科疾患 門歯(前歯)、臼歯の過長で食欲不振がではじめる時期です。

腫瘍 雌の子宮卵巣商用、雄の精巣腫瘍が有名ですが、他にも皮膚、足先、乳腺、耳中、肺、肝臓、前縦隔などにみられます。
当院の特徴として、大きさが0.5mm位の体表の腫瘍であれば、部位によりますが局所麻酔でレーザー治療も可能です。

心臓病 当院の経験では5歳前後から見られます。

皮膚病 3歳位からツメダニ症は急におおくなります。ヒトにも感染しますので注意してください。

 白内障などはみられやすくなります。

眼の病気

■ウサギの眼  


  ウサギの涙腺は少し特殊で、瞬膜腺と涙腺の他に副涙腺があります。これらはハーダー腺(皮脂腺)で脂肪を分泌しているので、涙が白い場合もあります。
 また、犬に比べて、ウサギは瞬きの数が少ないという特徴も持っています。シルマーテアーテスト(涙の量)は犬猫は17-25mm/分ですが、ウサギは5-10mm/分と量も多くありませんが、涙は油性成分を多く含んでいるため、瞬目は1時間に10-12回で眼表面が潤います。また弱い動物なので、いつも瞬目していては敵に攻撃されてしまうのでこのような性質の涙になったと推測しています。(参考・犬は1時間に360回)

 ウサギにみられる眼科疾病では、結膜炎、前房蓄膿緑内障白内障、また解剖学的に横についている関係で角膜潰瘍などぶつけることでおきる眼疾患が多いことも事実です。また目の病気とは多少異なりますが、涙嚢炎角膜閉塞症候群瞬膜(第三眼瞼)の突出、眼窩下洞炎で目の異常を訴えて来院する場合もあります。

歯の病気

ウサギの門歯(前歯)は一生伸びます。他にも臼歯の過長を起こす個体も珍しくありません。伸びすぎることでトラブルが起こりやすいのでご注意ください。また硬い物を噛むことで噛み合わせが大きくずれてしまい、食事がしにくくなる場合もあります。好物を見せると喜ぶが食が進まないなどが見られたらご来院ください。