■脂質異常症 / 高脂血症剤と肝臓病のオカメインコ
(写真1)
10歳雄のオカメインコが元気なく、居眠り多いがことで来院しました。
体重は丁度100gでした。(写真1)
これまであまり体重を測ったことはないらしいですが、以前からこのくらいの体重があったそうです。
血液・生化学検査、検便、検尿、レントゲン検査を薦め了解が取れたので実施しました。
血液・生化学検査結果
白血球数 5000位(正常値3000-8000/ul)
PCV 42 (正常値 45-55%)
総蛋白 4.4(正常値 2.5-4.5g/dl)
GOT/AST >1000 (正常値 150-350IU/l)
総胆汁酸 508 (正常値 15-117umol/l)
ALP >1225(正常値 62-300IU/l)
尿酸 8.5(正常値 3.5-10mg/dl)
血糖 348(正常値 250-450mg/dl)
コレステロール>450(正常値 130-350mg/dl)
中性脂肪 >500(正常値 50-150mg/dl)
カルシウム 9.8(正常値 8-11.5mg/dl)
リン 4.3(正常値 3-5.5mg/dl)
(赤字は異常値)
(写真2)
鳥類ではGOT/AST 、総胆汁酸は肝臓の指標になります。
ALPは肝臓にも含まれますが、他に上皮小体の異常でも上昇が診られることもあります。
GOT/AST 、総胆汁酸が高値をしめしたので肝臓病と診断して、強肝剤を使用しました。
またこのオカメインコの血しょうは白黄色で(写真2)TGは500>mg/dlを示しました。
なお鳥類の血しょうは黄色くて正常です。(写真2)ビリルビンよりビリベジンを多く合成するためで、黄疸はおきないとされています。
(写真3)
また中性脂肪、コレステロールの上昇は脂質異常症 / 高脂血症剤が疑われ、
リピデッル®(写真3)も追加で経口投与してもらいました。
(写真4)
このオカメインコの便と尿です。
以上の処方をして、現在経過観察中ですが血液・生化学検査の結果から予後は厳しいと予想されます。
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