小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.10更新

あ
 rabbit前縦隔に「しこり」のあるうさぎの診療、ステロイドとウサギ


   雄の3才6ヶ月のうさぎが神奈川県川崎市中原区より来院しました。
 これまでかかっていた動物病院に不満がある訳ではないのですがセカンドオピニオンで本院を訪れました。

 これまで1年半前と2ヶ月前に他の動物病院で「毛球症」と診断されました。2ヶ月前の「毛球症」のとき、レントゲンで前縦隔に「できもの」があることがわかりました。

a

aレントゲンでは前縦隔の「できもの」は確認できましたが、本院来院時はうさぎが興奮してうまく撮れませんでした。このウサギは前縦隔の「できもの」によく診られる眼の瞬膜の突出はありませんでした。

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 前縦隔の「できもの」にはリンパ腫・胸腺腫・膿瘍などがあり、それらを診断するためには可能ならエコーのガイド下で細胞診をして確定診断をすることが良いとされています。リンパ腫と診断できればよりよい抗腫瘍剤の投与も検討できます。胸腺腫ならとくに効果ある薬剤はないと推察できます。そのため胸腔穿刺は獣医学上重要な検査です。しかしウサギは、胸腔に針を刺したのみでショックを受けて死亡するケースも希にあると言うはれています。
 
 そこで前の動物病院では前縦隔の「できもの」の治療でright arrowステロイを2ヶ月間減量しながら飲ませていました。

 そこで「ステロイドをこのままいつまで服用しなければならないのか、また投与の良い点・悪い点を」訪ねたくセカンドオピニオンで本院を受診しました。
 
 今の検査結果のみでは。このままステロイドを維持量で投与してみることやっとでです、なんとなくright arrowステロイドを飲ませることでオーナーは納得されているのか。 これ以上の良い診療を希望されるなら、胸腔穿刺で細胞診を行わないとできない点を伝えました。なおウサギはright arrowステロイド代謝は苦手とされていますが、臨床の場では結構耐えてくれます。

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●参考資料 ウサギへのステロイド剤の使用 
 right arrowステロイドは使用法の難しい薬剤です。長期投与すれば副作用はでます。しかしステロイドを投与しなければ生きてゆけない病気もあります。しかし上記したように結構耐えてくれます。
 本院では必要な場合のみウサギに使用しています。また長期投与には注意しています。
 ウサギはストレスに弱いのでright arrow、ステロイド投与によりストレス状態にすることは良いことではありません。好中球を融解させる報告もあります。ステロイドへの抵抗性を猫>犬>牛>豚・人・馬>うさぎ・マウス・ラット・ハムスターと定義している場合が多いです。
 その理由として諸説ありますが、ステロイド母核をもつ葉(ジギタリス葉・ユリ・自然薯など)は草食獣に食べられないように苦味を発して種の維持を計っています。そのため草食獣は食したことが殆どないステロイドの代謝が不得手な動物です。また私達がステロイドを飲むとき苦みが生じるのはこのためです。しかし雑食性動物は進化の過程でステロイドを代謝する酵素を獲得したのでウサギに比べて適応力があります。

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.07更新

オダガワrabbitウサギのアイランドスキンcamera


 ウサギの皮膚は犬に比べて、表皮も薄く、水から皮膚を防御する一次毛が少なく、二次毛は水を含むと交わりあって乾きにくなりつています。そのためシャンプーは極力しないことが良いです。また真皮 膠原繊維が少ないことが特徴で
エクリン腺・アポクリン腺も多くありません。
 ウサギの換毛はWave typeと命名されて区画がまとまって脱毛し、徐々に移動します。この時期は毛が胃内にはいることが多く、毛球症に注意する時期です。

 ■他の動物の換毛は
①毛が伸び続けるContinuous typeの動物は一部のdog犬(プードル・オールドイングリシュシープドック・マルチーズ・シュナウザー)またアンゴラウサギ、メリノ羊がいます。
②個々の毛包がそれぞれ、独立した周期で入れ替わるmosaic typeと呼ばれる動物として、dog犬・tiger猫・モルモット・豚・霊長類がいます。
③2-3ヶ所がパッチ状に同時に脱毛するpatchy typeとしてhorse馬・アザラシがあげられます。---------------------------------------------------------------------
そしてウサギは毛が生えてくるときはなぜか脱毛した真ん中から毛がはえてきます。他の動物ではみられない発毛をします。これらを「皮膚の中の島」という意味でアイランドスキンと呼ばれています。

耳の毛が抜けることもあります。1ヶ月後に基に戻りました。


多頭飼育している方でこのうさぎのみぼざぼざ毛だったので10月に来院した症例です。1ヶ月後に基に戻りました。

 アイランドスキンの皮膚を病理検査した記録もありますが、「成長期の毛包が多数みられます。血管が多数発達している」との記載で、正常の皮膚とおおきな差はありません。換毛期は毛玉症に注意して経過を診ることも良い方法です。


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最終更新:平成27年4月7日(火)22時49分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.06更新

オダガワrabbit仔ウサギの皮膚糸状菌症


あ
顎の毛が抜けやすいことで来院した4ケ月の雌の仔ウサギです。
培養すると、5日目に真菌がはえてきました。

同定するとTrichophyton mentagrophytesが示唆される所見がえられました。

 5日後の来院では、皮膚は少々よくなってきたので、抗真菌剤の投与は行わず、その後自然に治癒しました。Trichophyton mentagrophytesはヒトへ感染の可能性はあります。
ヒトの免疫がさがっている状態でなければ、ウサギに触れたらよく手を洗うことで感染する可能性は低く抑えられます。
この症例は無処置でよくなりました。                                                     


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.06更新

オダガワrabbitウサギ鼻の皮膚糸状菌症


購入したばかりのうさぎの鼻の上の脱毛でしているので、
川崎市多摩区の地元からの来院した症例です。
  4日後、皮膚培養検査でTME培地では赤く、
サブロー寒天では白いコロニーが発育し、
皮膚糸状菌(dermatophytosis)が確認されました。

同定 形態よりミクロスポーラム(Microsporum属)の感染が疑われました。
この症例は自然治癒しました。


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最終更新:平成27年4月6日(月)11時42分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.05更新

おrabbitウサギの角膜潰瘍


 この症例は2才のネザーランドドアーフが2日前より、急に涙が多く、目が赤くなったので、神奈川県川崎市高津区より来院しました。


お
■初診時
 ウサギの目の角膜に傷が衝いた状態を角膜潰瘍といいます。
急に涙が多く目が赤くなったので、来院した症例です。ウサギは眼球が突出しているので、外傷性角膜潰瘍が多いです。
■眼科検査 シルマーテアーテスト 
 最初にシルマーテアーテストをおこないました。ヒトでもおこないますので、眼科に通院経験のある方はみた方は多いとおもいます。動物では1分間測定します。(ヒトは5分みたいです。)このウサギはシルマーテアーテストの涙量は多く、約15mm/minありました。(正常ウサギ10mm/min)

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あ
■眼科検査 フルオルテスト  
 フルオルテストは陽性で(写真)なため角膜潰瘍と診断をしました。 
(眼の緑の部分が角膜に傷のある証拠す。)

●備考 フルオルテスト 
角膜の傷、涙を染める染色です。フルオルテストは親水性の高い組織を染める検査です。角膜上皮はタイトな組織で正常ならバリアになって染まりません。
角膜実質はコラーゲンを多く含む組織なので親水性です。そのため角膜上皮に傷があると、角膜上皮がむきだしになって緑に染まります。

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■角膜潰瘍の治療  
 この症例は潰瘍部の細胞診では細菌はなく、その後角膜を治す薬剤のヒアレインを点眼したところ、再来院の3日目にはよくなりました。軽い状態でよかったです。



ウサギの白内障

ウサギの角膜閉塞症候群
ウサギの角膜潰瘍

ウサギの前房蓄膿 

ウサギの両瞬膜の突出

 

 


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.04更新

オダガワ
rabbit基底細胞腫(毛芽細胞腫)を示唆されるうさぎ
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1年ほど前より診ているうさぎです。

雄7歳です。1年前あったしこりが急に大きくなり、本日脱落しました。

 
しこりは左右あります。皮膚から遊離しているので、
手術が最適ですが、オーナーが踏み切れないみたいです。

細胞診の所見、うさぎのしこりの大きさなどから基底細胞腫(毛芽細胞腫)をうたがっています。
 



基底細胞腫は、重層扁平上皮から生じる病変のひとつです。

 最近は基底細胞腫は、起源を表皮の基底細胞でなく発生初期の毛芽に近いものと考え、
毛芽細胞腫 呼び名が多いです。

 うさぎを除く動物では、悪性に入れられているますが、
うさぎの基底細胞腫は良性で長生きする傾向が多いです。

 本院では、このうさぎの基底細胞腫2-3才時より、皮膚にしこりで来院するケースが多く、
経過をみていると、6-7才で急に大きなしこりになって来院します。

 年齢・大きさをを考えて、早めの手術をお勧めします。

「しこり」がちいさければ無麻酔でレーザー手術も可能です。

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【break time】

 
flower2

 

 


投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

おrabbitウサギのツメダニ症
Cheyletiella parasitivorax) 


  門歯の過長で以前から診ていた8才のウサギの皮膚に急に『ふけ』がおおくなったため川崎市宮前区から来院しました。

8才になり最近急に「ふけ」が多くなったとのことです。

 
    ツメダニ    ツメダニの卵
 
皮膚検査して、顕微鏡で観察すると、ツメダニとツメダニの卵が検出されました。

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■生活史、発症年齢
 このツメダニは、終生宿主上(ウサギの皮膚の上)で生活します。(卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニ)。幼ダニは皮膚を刺す行為をおこないます。気温にも異なりますが3-5週齢が寿命です。
 症状は痒みはある場合とない場合があります。本院では年をとったウサギでよく診ます。(本症例も8才)ウサギの飼育は外部の動物と接触がないことが殆なため、もともとツメダニがいたと推測されます。若いウサギでは抵抗力がありますが、ツメダニの寄生数が多い時やまた抵抗力の弱い場合は発症すると考えています。
 時々オーナーの手に赤い点々を診ることがあり、だぶんツメダニにさされた後ではと推測しています。
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■治療
 
レボリューションは本来は犬猫用ですが、rabbitright arrowウサギに効能外使用できる薬剤のひとつで皮膚に滴下するのみの薬剤で1ヶ月の効力があります。ツメダニは14-20日位で良くなります。月1回で最低3ヶ月の使用を薦めています。1回のみでは再発します。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

お
rabbitウサギにおけるノミ幼虫の発見

①  
■来院した写真①ウサギとオーナーが持参した写真②「黒く動くもの」

 飼育している4才雄ウサギの周囲に、このような「黒く動くもの」がおちていたそうです。

顕微鏡でみるとノミの幼虫がみられました。

 最近は犬猫でもこのノミの幼虫を診ることは殆どなくなりました。
環境中のノミ幼虫の発見はノミ成虫の感染を意味します。
ウサギのノミ感染は、種を越えて感染する可能性がある猫ノミが多いです。
しかしこのオーナーは室内で飼育で、他の動物はかってません。どこからノミが侵入してきたか不明です。
しかし靴底などに卵がついて、室内に運ばれ、感染する場合は希にあります。
そしてマンションなどにお住まいだと、部屋の温度、湿度が高く、ノミが発育しやすい環境になります。


■処置
 ノミの駆除には成虫駆除環境の整備が必要です。


そこで、ノミ成虫の駆除にはright arrow(詳細)レボリューション®を使用しました

犬の例ですが、ノミは上記のようなライフサイクルをとります。
(メルク社のポスターより、改)


環境の整備として、飼育に使用しているものを熱湯消毒、また部屋の通気を指示しました。


rabbitウサギに使用可能なノミ・ダニ製剤

③ 

 ウサギに使用可能なノミ・ダニ製剤は写真③レボリューション®(成分名・セラメクチン)写真④のアドバンテージプラス® またアドバンテージハート®、フオートレン®(すべて成分名・イミダグロプリド含有製剤)のみです。
 ウサギは他のノミ、ダニ製剤を使用すると死亡する場合もあります。
 この薬剤は効能外使用になります。また商品名、パッケージはメーカーの都合で、変わることがありますので、詳細は診断した獣医師にお尋ねください。

rabbitright arrowウサギのレボリューションの詳細はこちら


 

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 【break time】

あflower2朝鮮アサガオ

麻酔の全投薬アトロピンの原料になります。
しかしウサギの60%はこのアトロピンを分解する酵素をもしっていて効果ない場合が多いです。


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

お
rabbitウサギのミミダニ症
(正式名・ウサギキュウセンヒゼンダニ Psoroptes cuniculi

 新しいウサギを迎えたところ、両方の耳を痒がることで川崎市麻生区から来院した症例です。耳垢が多くあり、綿棒で採取すると耳ダニが発見されました。
 
感染は耳ダニに感染しているウサギとの接触でおきます。そのため購入時または預かってもらった施設が耳ダニに蔓延している不衛生な施設にあった場合におきます。自宅でずっと飼育していて、耳を痒がる場合は他の原因が考えられます。このお宅は同居のウサギがいるので、そちらにも駆虫薬をお願いしました。 

 以前はウサギのミミダニはよく診かけましたが、最近は珍しい疾患になっています。

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右耳 左耳
cameraウサギの耳ダニ、左右耳の所見

 このような痂皮・鱗屑が耳の病変になります。またやたらに耳を痒がります。耳介に後肢で掻いた爪の跡が残る位です。犬猫の耳ダニように耳垢は黒くはなりません。

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ウサギの耳ダニの顕微鏡写真

 耳垢を綿棒で採取して顕微鏡で診ると、耳ダニ(正式名 ウサギキュウセンヒゼンダニPsoroptes cuniculiが発見されました。体長はメス0.37-0.55mm、オス0.4-0.75mmです。運がよければ、拡大ルーペでもみえることも可能です。生活史のすべてを外耳道で過ごし表面の上皮や組織液を食べて生きています。寿命は3週間位です。

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 この症例の治療には写真のレボリューション®(成分名・セラメクチン Selamectinを使用しました。
 この薬剤は背中の皮膚に垂らすのみです。皮膚より吸収して血管に入り、全身に効能を示す薬剤で、当然、耳にも薬剤は分布します。犬猫のミミダニに唯一認可のある薬剤です。

 犬猫用ですがウサギも安全に使用でき、だいたい耳ダニは4-5日でよくなります。耳掃除は必要ないケースが殆どです。
 あれこれ薬剤をほしがるオーナーもいますが、ウサギの耳に二次感染がなければ、他の点耳薬(抗生剤、抗炎症剤)の併用は必要ありません。


 耳ダニの生活史は3週間です卵・幼ダニ・前若ダニ・後若ダニ・成ダニ、5期をすべてを外耳で過ごしますまれに肛門付近や陰部、四肢に寄生したケースもあります。

 レボリューション®を使用する際の注意点として、ミミダニの卵には効能は示しませんので、レボリューション®は1回のみの使用だと再発します。
 本院では、耳ダニの生活史を考慮して、
月1回で3ヶ月間(合計3回)はレボリューションを皮膚にたらしてもらっています。また念のため、ウサギの使用製品の熱湯消毒も併せてお願いしています。

dire他の動物のミミダニ
tigerright arrow猫のミミダニ症
tigerright arrow猫のミミダニ症その2
snakeright arrowフェレットのミミダニ症

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 ■点耳用のミミダニ駆虫剤
 以前は皮膚の薬剤を希釈して点耳使用してました。セラメクチンの販売で、今は点耳はやる必要はなくなりました。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あrabbitウサギの蟯虫について(Passalurus ambiguus)


あ
camera、生後5ケ月のrabbitウサギの糞に白い虫が見つかったので
地元川崎市多摩区から来院しました。
ウサギでは蟯虫の虫体と便が一緒に排泄されて動物病院を訪れることが多いです。


 

あ

あ
cameraこの2枚の写真は他の症例(宮前区から来院)ですが、
このように濃厚感染している場合もあります。

あ
camera肉眼所見、便から虫体を分離すると先が細い形態になります

う
camera虫体の顕微鏡写真(虫体が長いので顕微鏡40倍2枚を合成)

 この特徴的な成虫の形態からこの症例はウサギ蟯虫と診断しました。

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あ
camera小学校のときおこなったセロハンテープをお尻に付けた蟯虫検査

 蟯虫はウサギのみでなく、ヒトでも診られます。お尻に小学校のときセロハンテープをお尻付けた検査(上記)を記憶している方も多い想います。あれが蟯虫検査です。
(備考・蟯虫検査は子供の検出率が1%以下のため2015年度限りで廃止)

ほかに本院に来院する動物ではmouseright arrowハムスターにも蟯虫は診られます。

 rabbitウサギ蟯虫(Passalurus ambiguus)、mouseハムスター蟯虫(Syphacia mesocriceti )、ヒト蟯虫は(Enterobius vermicularis) は肉眼では似てますが、学名の英語スペルが異なるように、属が異なりお互い感染し合うことはありません。

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 ■rabbitウサギの蟯虫の特長
  本院では来院年齢は比較的若い1-2才が多いです。見た目『気持ち悪い』と感想を述べられるオーナーが多いですが、ウサギと蟯虫は、片利寄生性という共存関係にあり、食欲不振、下痢など臨床症状をだすことはまずありません。
 夕方から夜に肛門付近に出現するため、夜間に虫体が発見されるケースが多いですが、上記した理由で急いで動物病院に行く必要はない疾患です。本院では朝一番で来院するケースが多いです。

rabbitウサギの蟯虫の診断
  診断は上記したように成虫の虫体に特徴があるので、持参された虫の視診が主です。夕方から夜に肛門付近に出現する習性を利用してその時間帯にセロハンテープをウサギの肛門付近にあてると発見されやすい場合もあります。また検便で虫卵が診られる場合もときどきあります。

あrabbit別の症例で検便で虫卵が診られたケースもありました。

rabbitウサギの蟯虫の駆虫について
  片利寄生性という共存関係にあり、駆虫はしなくてもいいのではという意見もあります。
薬剤は蟯虫は線形動物門に属するのでright arrow回虫駆虫と同じになります。
right arrow経口投与剤が主に使用されてますが、嫌がるウサギも多く、本院では写真のような皮膚にたらすright arrowスポットタイプを使用しています。
 プレパテント・ピリオドが55-60日なので、2ヶ月後に再駆虫で来院してもらっています。しかし生活史が複雑なため駆虫薬を投与しても、希に蟯虫が再発する場合もあり、
その度駆虫薬が必要になることがあります。この点が注意点です。

 本院はこのウサギの蟯虫をこれまで何百例か診てますが、約9割のオーナーは駆虫を希望します。追跡調査が可能の範囲で、駆虫薬を投与して、再発のあったのは2例です。

あcamera皮膚にたらすスポットタイプの回虫駆虫剤

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rabbit
right arrowウサギの雌雄鑑別法


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投稿者: オダガワ動物病院

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