小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.03更新

お
rabbitウサギのミミダニ症
(正式名・ウサギキュウセンヒゼンダニ Psoroptes cuniculi

 新しいウサギを迎えたところ、両方の耳を痒がることで川崎市麻生区から来院した症例です。耳垢が多くあり、綿棒で採取すると耳ダニが発見されました。
 
感染は耳ダニに感染しているウサギとの接触でおきます。そのため購入時または預かってもらった施設が耳ダニに蔓延している不衛生な施設にあった場合におきます。自宅でずっと飼育していて、耳を痒がる場合は他の原因が考えられます。このお宅は同居のウサギがいるので、そちらにも駆虫薬をお願いしました。 

 以前はウサギのミミダニはよく診かけましたが、最近は珍しい疾患になっています。

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右耳 左耳
cameraウサギの耳ダニ、左右耳の所見

 このような痂皮・鱗屑が耳の病変になります。またやたらに耳を痒がります。耳介に後肢で掻いた爪の跡が残る位です。犬猫の耳ダニように耳垢は黒くはなりません。

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ウサギの耳ダニの顕微鏡写真

 耳垢を綿棒で採取して顕微鏡で診ると、耳ダニ(正式名 ウサギキュウセンヒゼンダニPsoroptes cuniculiが発見されました。体長はメス0.37-0.55mm、オス0.4-0.75mmです。運がよければ、拡大ルーペでもみえることも可能です。生活史のすべてを外耳道で過ごし表面の上皮や組織液を食べて生きています。寿命は3週間位です。

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 この症例の治療には写真のレボリューション®(成分名・セラメクチン Selamectinを使用しました。
 この薬剤は背中の皮膚に垂らすのみです。皮膚より吸収して血管に入り、全身に効能を示す薬剤で、当然、耳にも薬剤は分布します。犬猫のミミダニに唯一認可のある薬剤です。

 犬猫用ですがウサギも安全に使用でき、だいたい耳ダニは4-5日でよくなります。耳掃除は必要ないケースが殆どです。
 あれこれ薬剤をほしがるオーナーもいますが、ウサギの耳に二次感染がなければ、他の点耳薬(抗生剤、抗炎症剤)の併用は必要ありません。


 耳ダニの生活史は3週間です卵・幼ダニ・前若ダニ・後若ダニ・成ダニ、5期をすべてを外耳で過ごしますまれに肛門付近や陰部、四肢に寄生したケースもあります。

 レボリューション®を使用する際の注意点として、ミミダニの卵には効能は示しませんので、レボリューション®は1回のみの使用だと再発します。
 本院では、耳ダニの生活史を考慮して、
月1回で3ヶ月間(合計3回)はレボリューションを皮膚にたらしてもらっています。また念のため、ウサギの使用製品の熱湯消毒も併せてお願いしています。

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 ■点耳用のミミダニ駆虫剤
 以前は皮膚の薬剤を希釈して点耳使用してました。セラメクチンの販売で、今は点耳はやる必要はなくなりました。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

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