小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.05.05更新

オダガワtiger猫のてんかん剤の注意点


  他院で、『てんかん』が治らないことで来院した1才の雄猫です。
 最初に代謝性疾患で『けいれん』をおこす病気の除外のため、血液・生化学の検査をおこないとくに異常な所見はありませんでした。また最近はめっきり減少しましたが、ホウ酸ダンゴ、チョコレートの大量誤食などでも痙攣はおきます。


 当院ではてんかんは1ヶ月に1回おこることが薬剤を飲ます分岐点にしています。この症例は週に2-3回てんかんがあり、抗てんかん薬の対称です。
 他院でも抗てんかん薬を処方されていましたが、なぜか投与量がやたらに少なく、そのために効果がないと判断しました。投与量を正常にすると『てんかん』の良好な維持ができました。

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■抗精神薬の使用法
 
これら抗てんかん薬は、90%の、『てんかん』に効能をしめします。しかし中には薬剤でコントロール不可能な症例もあります。また薬剤により個体差もあることが特徴です。『てんかん』の数が多いのに治療しないと早期死亡の原因になります。

 また『てんかん』は動物種で効果ある薬剤は異なります。猫ではフェノバルビタール・ジアゼパム・ゾニサミドが維持薬として推奨されています。どの薬剤も長所・短所はあります。とくにフェノバルビタールとゾニサミドの飲み合わせは注意が必要です。ジアゼパムも肝障害は注意が必要です。なお犬で時々使用される臭化カリウムは猫は禁忌です。

投薬後、猫の鎮静状態が強い場合はお早めに連絡ください。

 抗てんかん薬は生涯使用するケースが多く、そのため副作用をおこさないように、必要に応じて血液・生化学検査、血中濃度を定期的にモニターすることをお勧めします。

 まれに老化でてんかんは治ることはありますが、当院では抗てんかん薬をやめるこては薦めていません。オーナーの判断で勝手に薬剤をやめると急死する場合もあります。抗てんかん剤をやめたい場合は、担当獣医師とよく相談してください。当院では老化でてんかんは治った症例は経験ではありません。-------------------------------------------------------------------- 

あ
フェノバルビタール 特徴として錠剤・シロップ・粉など薬剤形態はさまざまなものがあります。

■フェノバルビタール 
  写真は猫の『てんかん』によく使用されるフェノバルビタールは長い使用歴史があります。猫の70%位のてんかんは抑えられます。一生投与する可能性のある薬物であること、また投与量と血中濃度がリンクしない場合もあり、ヒトでは血中濃度測定薬物です。猫でも同様です副作用を少なくする意味で、投与後は年1-2回の血中濃度と血液・生化学検査をお薦めします。
 

 この薬剤は3週間投与してやっと血中レベルが安定します。 普段は血中のレベル15-45μg/mlで安定していることが理想とされてますが、低濃度でも『てんかん』が抑制されていればよいです。オーバーしている場合は将来、副作用の肝障害になる可能性があり、フェノバルビタールの用量の調節、別の薬剤への移行を考慮しなければなりません。
 血中濃度の解釈を解かりやすく言えば、45μg/ml以上ある猫は、ヒトに例えればウイスキーのボトルを毎日飲んでいるような状態です。家庭でこんな酒の量を飲んでいれば注意されます。本当に肝臓が心配です。
 血液・生化学検査では肝臓の機能などが数値化して示されます。肝臓は神経がなく、症状が現れるのは末期が多いです。そのため早期の発見に検査は大切です。

 この薬剤を8年間、盲目的に投与して、血中濃度が60μg/mlになり、重傷な肝障害で死亡したケースが報告されていたことはありました。
 
 本院では長期に投与の症例で血液・生化学・血中濃度の測定をしてくれるオーナーは多くはいません。先日測定した2症例はフェノバルビタールの血中濃度は15μg/mlと58μg/mlでした。後者は用量を少しさげないといけないかもしれません。欠点として、副作用を少なくする意味で、検査は大切ですが費用がかかります。
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■ジアゼパム 
 猫では犬の違ってジアゼパムの長期投与が可能です。てんかん症例の場合はフェノバールで効果のない猫には、次の薬剤として使用しています。しかし注意事項があります。多くはありませんが投与後に急性肝壊死という病態が起こることがあり、必要に応じて、血液・生化学検査が必要です。本院では発生の経験はありませんが注意は必要です。90%の癲癇は維持可能です。獣医師により好き嫌いのわかれる薬剤です。
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あ
ゾミサミド製剤・ヒト用、犬用はあります。猫用はありません

■ゾニサミド 
 猫では多く使用されてませんが、投与は可能です。難治性てんかんに良い意見もありますが、錠剤は不味いらしく、猫はたべてくれないことが多いです。食欲不振になるケースもあります。

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あプレガバリン製剤

■プレガバリン
 難治性てんかんに使用されている薬剤です。まだ多くは使用させていないので詳細は不明です。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.02更新

お
壺型吸虫 Pharyngostomum cordatum


壺型吸虫、虫卵 1000倍

 壺型吸虫の虫卵(105-120×70-90μm)は、やや大きめのきれいな楕円形を呈し、黄褐色で表面に亀甲状の紋理をもち、壺のような形をしていることが名前の由来です。終宿主は猫で、十二指腸から空腸上部に寄生します。

 猫がカエル、ヘビなどを捕食して感染します。本院では外猫の来院が少なく、発生は希で、感染しても無症状なことが多いです。軟便、食欲不振、栄養障害、削痩など専門書に記載されている臨床症状を呈する場合は、喧嘩、ネコカゼなどストレスをうけた状態で多く診られます。

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 外に行く猫の症例、
     壷型吸虫・マンソン裂頭条虫・猫回虫
の3種類の混合感染

 
 壺型吸虫・マンソン頭条虫、猫回虫の混合感染例です。
各寄生虫 虫卵の大きさがわかるとおもいます。
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 ■生活史
 糞便とともに排泄された壺型吸虫卵は水中で孵化しミラシジウムに成ります。
 ミラシジウムは第一中間宿主の小さな淡水産巻き貝のヒラマキガイモドキの中でスポロシスト、レジア、セルカリアへと発育し遊出します。
a

 次に第二中間宿主であるカエル、ヘビ、オタマジャクシなどの体内へ侵入し、その筋肉内でメタセルカリアになります。そしてこの第二中間宿主を猫が捕食することにより寄生が成立します。


 猫では壺型吸虫(写真右)はマンソン裂頭条虫(写真左)と
第二中間宿主はほぼ同じなので写真のような混合感染例は多いです。

 第一、第二中間宿主は共に田んぼ等に多い為、自然豊かな屋外で遊ぶ猫でないと感染しません。そのため室内飼育では診られず、自宅内の同居猫への感染はありません。
 また壺型吸虫はヒトへの感染は現在報告されていません。
(備考・マンソン裂頭条虫と猫回虫はヒトに感染例はあります。

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 ■疫学
 本院のある神奈川県内の保有状況は不明ですが、埼玉県内全域におけるネコに関する寄生虫類の保有状況 (2011年)では壺型吸虫は10.6%の感染が診られています。


治療
 プラジクアンテルの投与と中間宿主との接触をさけることです。 駆虫しても外で遊ぶ猫は再感染する場合はあります。

 
写真 プラジクアンテル含有剤
 (壺型吸虫の駆虫には注射剤もしくは力価の高い経口薬剤の使用しやすいです。)

 



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2018.05.02更新

おtiger猫の甲状腺亢進症


book甲状腺とは

 甲状腺は、喉元にある小さな臓器で、ヒトもネコも甲状軟骨の下にあり、ヒトは気管の上に蝶のように存在しますが、猫は形態が異なり、気管の左右に1対ずつあります。猫の体に大切な甲状腺ホルモンを作り、血管を通じて全身に送り込みます。甲状腺ホルモンは体を元気にするホルモンで、あらゆる臓器を正しく機能させるためのエネルギーを作り出したり、体温を適切に保つよう働いて、新陳代謝のコントロールをしています。交感神経や心臓などの活動を高め、脈拍を調節するなどの働きがあります。
 甲状腺ホルモンはT4、T3という形態で分泌されます。T4が70-80%の分泌を占めます。T3は日内変動が激しいため、臨床の場ではT4が主に測定されます。

book猫の甲状腺亢進症とは

 猫の甲状腺亢進症は8才以上で診られます。正確な統計はありませんが本邦では3-4%の猫が罹患しているとされています。原因は甲状腺の腫瘍(腺腫、腺癌)また過形成によるホルモン過剰分泌です。しかしこの腫瘍に対する全身の症状は殆どありません。欧州の猫の甲状腺亢進症の猫とは病理所見は異なります。また本邦の甲状腺亢進症は片側の腫脹が多いですが、欧米では両側が多いそうです。

 この病気の歴史は以外に浅く、1980年ごろから発生が診られるようになりました。そして最近は高齢猫では増加傾向になっています。原因は猫の食事は1980年ごろからキャットフードが多様されるようになったことから食事説、また罹患猫が都会に多かったことより、大気汚染説などありますが、どれも否定的で、正式には不明です。
 
  ヒトの甲状腺亢進症で8割を占めるバセドウ病は自己免疫疾患(TSHレセプターに対する自己抗体)でおきます。そのためヒトでは比較的若い20-40代の女性に多い疾患で(ヒト、男性1対女性4の割合)猫の甲状腺亢進症とは病態が異なります。(猫の8才はヒトでは約50才)

book猫の甲状腺亢進症の症状

 症状は甲状腺ホルモンがたくさんでる疾患なので、体はエネルギーを必要とします。そのため猫は多食傾向になります。また多食のみでもエネルギーが消化しきれない場合、筋肉、脂肪も燃焼されるため、痩せてきます。交感神経を刺激して心拍数が増加するため、動悸、パンテング、血圧上昇がおき、また突然死の原因にもなります。私たちに例えれば、入試の合否判定のようなドキドキした状態で毎日を過ごすようになります。嘔吐、下痢がなかなか治らず来院するケースもあります。

 さまざまな臨床症状がありますが、最近の症例は、昔の教科書に記載されていたような興奮が激しい猫をみることは殆どなくなり、よく見てないと見逃しやすい症状が多いです。

book猫の甲状腺亢進症の診断

 血液、生化学検査では特筆した症状はりませんが、肝臓酵素(ALP,AST)の同じ位の軽度の上昇が診られます。この理由は不明ですが、肝臓細胞のターンオーバー亢進と推察されています。

 診断はこれらスクリーニング検査の結果と上記した特筆した臨床症状から、甲状腺ホルモンT4の測定をおこないます。血中T4が>5.0(μg/dl)以上あれば、甲状腺亢進所と診断します。<3.0(μg/dl)であれば否定できますが、3.0-5.0(μg/dl)間の場合は甲状腺亢進所の可能性もあり、注意深く診てゆく必要があります。また糖尿病、またステロイドを使用していると血中T4は低くでる傾向はあります。

book猫の甲状腺亢進症の治療

a(写真)ヨウ素制限食のy/d(左)と甲状腺ホルモン阻害剤、チアマゾール(右)

治療は、嗜好性がよく、また他に病気がなければ、ヨウ素制限食のy/dに変更します。

食事の変更がむりな場合、他に罹患している疾患がある場合は、そちらの食事を優先して、甲状腺ホルモン阻害剤、チアマゾールを投与します。チアマゾールは文献では錠剤の分割投与の記載が多いですが、本院の経験的な治療では、粉にしても効果はあります。半減期の短い薬剤なので、必ず1日2回の投与が必要です。
 猫では副作用は多くはでませんが、嘔吐、食欲不振、肝障害、耳介の後ろに湿疹、顆粒球減少、血小板減少など報告されています。おきるときは投与直後におきることが多いことが特徴です、始めて投与する場合は投与後1-2週間で血液・生化学検査が必要です。チアマゾールで副作用がおきた場合は他の抗甲状腺(メチマゾール、カルビナゾール、共に本邦は販売されていない)でも副作用はおきます。この場合上記したy/dに変更するか、短期的にステロイドを使用するか、また外科的な処置が必要です。

 腎臓が悪い場合甲状腺亢進症に罹患したことにより、腎臓の血流量が多くなるため、腎臓のパネル値(BUN,Cr)は数字上は正常値を示し疾患がマスキングされます。治療により甲状腺が良くなると、血流量も普通に戻り、腎臓のパネル値(BUN,Cr)が上昇し腎蔵疾患があったことが発見される場合もあります。チアマゾールの投与で腎臓疾患が悪くなる場合は、上記と異なる意味で、投与量は難しいことが要求されます。
しかし過剰の血流量は腎臓のネフロンを壊す場合もあり、猫をよく診て診断していくは必要はあります。

 y/dを使用でも、またチアマゾールを使用しても、猫の甲状腺亢進症は原因は甲状腺の腫瘍(腺腫、腺癌)また過形成によるホルモン過剰分泌なため、初期の処置では時間の経過と共に、甲状腺の腫瘍が増大してT4の値が上昇する傾向になる場合もあります。必要におうじて投与量の変更、治療法の変更が必須です。そのためこの疾患のよりよい維持には月1回診察、そして必要に応じてT4測定、血液検査、肝臓パネル値(ALP,AST)、腎臓のパネル値(BUN,Cr)の測定が大切です。

 


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.02更新

お
猫のフィラリア症 
最近の調査では世田谷区、国立市で約15%の陽性率があります。

 

フ(朝日新聞より)

 猫のフィラリア症は犬と同様、犬糸状虫(Dirofilaria immitis)の感染でおきます。
一昔前まで、猫のフィラリア症は殆どないと考えられてきました。
 最近になって有病率(成虫寄⽣率)を調べる調査がおこなはれました。

  本院近郊の東京の世田谷、国立では約15%も感染が診られています。
 また日本全国の猫のフィラリア症の約30%が室内飼育のみの猫で起きています。
 犬のフィラリア寄⽣率が5-20%なので、陽性率も高いです。

 難点は、猫のフィラリアは犬と異なり診断が厄介な点です。
⾝体検査では異常を検出することは多くありません。
あえてあげれば、元気消失、⾷欲不振、体重減少が診られますが、特異的な症状がないため、喘息と鑑別は難しいこともあります。報告では急性症状として急性呼吸器障害、また慢性症状として嘔吐、発咳・呼吸困難があります。また突然死も診られます。

 診断はこれら臨床症状と胸部レントゲン、猫フィラリア抗体検査、猫フィラリア抗原検査、心臓エコーを組み併せておこないますが決定的な検査はありません。

 そこで、唯一、猫のフィラリア症を予防できるのが予防薬です。

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あ■(camera写真1)
猫のフィラリア症予防薬 レボリューション®(成分名セラメクチン)

このセラメクチンははもともとはイベルメクチンを進化させた薬剤です。

あ
■(camera写真2)
フィラリア予防法はcamera写真1のright arrowレボリューション®を
月1回 5-11月の間、背中に垂らすのみです。

 

あ■(camera写真3)
レボリューション®(成分名セラメクチン)はフィラリアのみではなく、
ノミを含め(ハジラミ、ツメダニ、ミミダニ)など多くの外部寄生虫に効能を示します。

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  犬猫では6週齢から使用可能です。
イベルメクチンに敏感なコリー、ジェパードなども規定量であれば安全に使用できます。
またウサギはじめエキゾチック動物にも使用可能です。

 この薬剤はイソプロパノール(アルコールの1種)中に溶解したセラメクチン製剤が含有されています。そのためアルコールに敏感な動物は滴下した部位がはげる副作用が希にあります。

あ
camera写真4)猫の副作用症例。
セラメクチンの滴下部位にリンクして脱毛します。
治るには1ケ月位かかりました。

  dog犬、tiger猫、rabbitウサギ、boarモルモット、mouseハムスター、合計して本院では約千匹位使用しています。
camera写真4のような脱毛の副作用を猫で2匹、ウサギで1匹経験はしています。

 この薬剤は動物用医薬品で処方には診察が必要になります。
また犬猫を除きこの薬剤は効能外使用になります。
使用の際は処方した獣医師とよくインボームドコンセントを取って使用してください。


 

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book線虫類の駆虫
book原虫の駆虫薬
book条虫、吸虫駆虫剤 プラジクアンテル(Praziquantel)とは
dogtiger犬猫のマダニの駆除剤
tiger猫の診療


【break time】

aflower2ブルームーン(生田緑地バラ園、5月)

 青いバラの花言葉は「不可能」です。理由はバラには青色素がなく、いろいろ育種を試みても真っ青なバラはできないからです。
このブルームーンも薄紫です。
 2009年サントリーが遺伝子組み換え技術により青色素をもつバラ「アプローズ」が発表され話題になりました。


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.22更新

あ
ウサギ・モルモット・ハムスターと抗生剤
ご注意
このページに記載されている薬剤、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談はお断りしています。

 
当院での薬剤希望の方はペットをつれて診療時間内に来院ください。
 

  ウサギ・モルモット・ハムスターはこの抗生剤とbookright arrowノミ・ダニ製剤は注意が必要です。

  ヒト、犬、猫で有効性がある抗生剤でもウサギ・モルモット・ハムスターでは抗生剤の種類を選らんで投与しないと死亡する場合があります。またノミ、ダニ製剤も同様です。

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ウサギ・モルモット・ハムスターの抗生剤の使用は注意が必要です。
 
 ウサギ・モルモット・ハムスターに限ったことではありませんが、抗生剤の投与はその動物が本当に抗菌剤が必要かを見極めることが大切です。なんとなく使用しても副作用や耐性菌をますばかりで意味ありません。

 ウサギ・モルモット・ハムスターの誤った抗生剤使用の死亡原因は諸説あります。草食動物であるウサギ、モルモットでは、盲腸が消化に非常に大きな役割を果たしています。抗生物質の一部には、その盲腸内の有用な細菌叢を死滅させ、耐性のあるClostridium spiroformでが異常増殖し、毒素を産制して下痢など激しい症状をおこし死亡するとされています。
 
 乳幼ウサギは母兎からのミルクで異常な菌の繁殖をおさえてくれます。4-6週齢の時期のウサギはミルクの影響がなくなる時期なため、なにかストレスが加わると、抗生剤の投与と異なる理由でClostridium spiroform増殖で死亡症例がみられやすい時期でもあります。

 ウサギではClostridium spiroformの他、稀にClostridium perfringensやClostridium difficileも原因菌になります。    

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本院でウサギ・モルモット・ハムスターに禁忌と考える抗生剤


リンコマイシン(Lincomycin )とクリンダマイシン(Clindamycin)、
(商品名、動物用リンコシン®、動物用アンチローブ®
など)

  

 写真のリンコマイシン、クリンダマイシンのヒト用、動物用は経口剤、注射剤、共に投与後すぐに死亡します。動物用の名前を勘違いしないで下さい。

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セファレキシン(Cefalexin)、(商品名、動物用リノキシペット®、ヒト用ケフレックス®など セファ系の経口剤    
 

  写真のセフェム系抗生剤、セファレキシンは経口投与すると4-5日で消火器症状を示して死亡する場合が多いと報告されています。以上の理由から、筆者は他のセフェム系経口剤も使用しない法が無難と考えています。この薬剤も動物用の名前を勘違いしないで下さい。
 しかしセフェム系注射液は注意しながら使用すれば投与が可能では主張する獣医師もいます。しかし長期投与などの詳細は不明です。

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アセチルスピラマイシン®Acetylspiramycin

  写真のマクロライド系抗生剤のアセチルスピラマイシンは注射(動薬)投与も。経口投与もすぐに死亡すると報告されています。
 そのため著者はマクロライド系抗生剤の使用は禁忌と考えています。

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ンピシリンAmpicillin
(商品名、アミペニックス®、ビクシリン®
など)
  

  写真のアンピシリン(経口・注射)は獣医学書には使用禁忌抗生剤と記載されてますが、ウサギは結構耐える場合が多いです。
しかし投与後すぐに死亡したり、1週間位で食欲不振で死亡するケースも希に報告されています。

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アモキシシリン(Amoxicillin
(商品名、ワイドソリン®、動物用バリチオン®など)

アモキシシリンも使用禁忌抗生剤ですが、詳細は不明です。
                                                             

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本院でウサギ・モルモット・ハムスターに比較的安全と考える抗生剤

クロラムフェニコール(Chloramphenicol
(商品名、クロロマイセチン®


  写真のクロラムフェニコールの経口剤はヒトでは1970年代以前はよく使用されました。想えば、著者も子供のころクロラムフェニコールとおもはれる薬剤を病院で良く処方された記憶はあります。

 しかしその後ヒトへ経口投与すると29000分の1の確率で再生不良性貧血がおき、また幼児ではライ症候群の副作用が報告されたため、1970年代中頃から副作用を上回るの理由がない限り使用されない抗生剤になりました。
 しかしヒトと異なりウサギでは動物種の相違から幼少期より比較的安全に使用できます。
 ウサギ梅毒時には比較的良く効いてくれます。濃度依存性薬剤ため1日3回の経口投与が必要で、原末が茶色なため、薬剤コーテングも茶色になっています。潰すと苦いことが欠点で、この点はウサギへ投薬する場合マイナスに作用します。
 
 以上の性質のある薬剤なので、万が一に備えてウサギにクロラムフェニコールの粉末剤を製薬して渡す場合はオーナーには手袋・マスクをつけて投与してもらう事を指示したほうが良いと考えています。

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ST合剤(商品名、動物用トリブリッセンン®、バクタ®

  微生物体内の葉酸の生合成を阻害するサルファ剤のスルファジアジン(Sulphadiazine)と、葉酸の活性化を阻害する抗菌物質トリメトプリム(Trimethoprim)2種類を5対1の割合で配合した抗菌剤をST合剤と呼びます。
ST合剤は人医ではトリメトプリムの薬用量の記載が一般的です。

リブリッセン®(動物薬)

 写真のトリブリッセン®はウサギでは幼少期から使用可能です。
ウサギの尿pHはアルカリ性のため、弱酸性の犬猫の尿pHに比べて、結石の副作用が少なく、比較的安全に使用できます。細菌のみではなく、原虫類コクシジウムの駆虫にも効能があります。 

バクタ®

 経口のトリブリッセンは製造中止になりました。類似品としてヒト用で写真のバクタ®{サルファ剤のスルファメトキサゾール(Sulfamethoxazole)とトリメトプリム(Trimethoprim)の合剤}があります。

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ニューキノロン系抗生剤(動物薬)
{商品名、左3つ動物用オルビフロキサンシン®Orbifloxacin)、順に動物用エンロフロキサシン®Enrofloxacin)動物用オフロキサシン®(Ofloxacinなど}  
ニューキノロン系抗生剤

 写真のニューキノロン系抗生剤は比較的安全に使用できますが、幼少期(約6ヶ月まで)は軟骨の形成不全を招く可能性があり、使用はできません。 

 注意 どんな薬剤でも副作用なしはありえません。薬剤を処方されていつもと症状が違う場合は担当獣医師にお尋ねください。  

                 
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dire寄生虫疾患
chickright arrow烏骨鶏の回虫症
chickright arrowハト回虫 虫卵と成虫標本
dogright arrow犬の代表的な外部寄生虫
bookright arrowマンソン裂頭条虫
dogright arrow犬回虫症
chickright arrowセキセイインコのジアルジア症
bookright arrowノミの生態
bookright arrowマダニの生態

direウサギの病気

rabbitright arrow低血糖のウサギ
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rabbitright arrowウサギの強直性痙攣
rabbitright arrowウサギ皮膚糸状菌症

 

 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.10更新

あ
 rabbit前縦隔に「しこり」のあるうさぎの診療、ステロイドとウサギ


   雄の3才6ヶ月のうさぎが神奈川県川崎市中原区より来院しました。
 これまでかかっていた動物病院に不満がある訳ではないのですがセカンドオピニオンで本院を訪れました。

 これまで1年半前と2ヶ月前に他の動物病院で「毛球症」と診断されました。2ヶ月前の「毛球症」のとき、レントゲンで前縦隔に「できもの」があることがわかりました。

a

aレントゲンでは前縦隔の「できもの」は確認できましたが、本院来院時はうさぎが興奮してうまく撮れませんでした。このウサギは前縦隔の「できもの」によく診られる眼の瞬膜の突出はありませんでした。

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 前縦隔の「できもの」にはリンパ腫・胸腺腫・膿瘍などがあり、それらを診断するためには可能ならエコーのガイド下で細胞診をして確定診断をすることが良いとされています。リンパ腫と診断できればよりよい抗腫瘍剤の投与も検討できます。胸腺腫ならとくに効果ある薬剤はないと推察できます。そのため胸腔穿刺は獣医学上重要な検査です。しかしウサギは、胸腔に針を刺したのみでショックを受けて死亡するケースも希にあると言うはれています。
 
 そこで前の動物病院では前縦隔の「できもの」の治療でright arrowステロイを2ヶ月間減量しながら飲ませていました。

 そこで「ステロイドをこのままいつまで服用しなければならないのか、また投与の良い点・悪い点を」訪ねたくセカンドオピニオンで本院を受診しました。
 
 今の検査結果のみでは。このままステロイドを維持量で投与してみることやっとでです、なんとなくright arrowステロイドを飲ませることでオーナーは納得されているのか。 これ以上の良い診療を希望されるなら、胸腔穿刺で細胞診を行わないとできない点を伝えました。なおウサギはright arrowステロイド代謝は苦手とされていますが、臨床の場では結構耐えてくれます。

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●参考資料 ウサギへのステロイド剤の使用 
 right arrowステロイドは使用法の難しい薬剤です。長期投与すれば副作用はでます。しかしステロイドを投与しなければ生きてゆけない病気もあります。しかし上記したように結構耐えてくれます。
 本院では必要な場合のみウサギに使用しています。また長期投与には注意しています。
 ウサギはストレスに弱いのでright arrow、ステロイド投与によりストレス状態にすることは良いことではありません。好中球を融解させる報告もあります。ステロイドへの抵抗性を猫>犬>牛>豚・人・馬>うさぎ・マウス・ラット・ハムスターと定義している場合が多いです。
 その理由として諸説ありますが、ステロイド母核をもつ葉(ジギタリス葉・ユリ・自然薯など)は草食獣に食べられないように苦味を発して種の維持を計っています。そのため草食獣は食したことが殆どないステロイドの代謝が不得手な動物です。また私達がステロイドを飲むとき苦みが生じるのはこのためです。しかし雑食性動物は進化の過程でステロイドを代謝する酵素を獲得したのでウサギに比べて適応力があります。

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

おrabbitウサギとノミの感染


■ウサギとノミ
 ペットショップにてウサギにノミがいると指摘されて神奈川県相模原市から来院した症例です。
疫学ではウサギに感染するノミ猫ノミ(Ctenocephalides felisが多いことがわかっています。日本ではノミ・ダニ製剤はウサギ始めエキゾチックに認可された薬剤はありませんが、安全に使用できる薬剤はあります。この症例はノミの駆虫にレボリューション®を使用しよくなりました。

うcamera写真1 ネコノミ

up arrowノミ・ダニの予防

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■ウサギのノミ駆虫 

うcamera写真2 商品名・レボリューション®、犬猫用、成分名・セラメクチン(Seramectin


■効能  フィラリアの予防(犬猫)、成ノミ駆除、卵の孵化にも抑制(犬猫)、耳ダニ駆除(犬猫)、駆虫剤、回虫(猫)と幅広く使用できます。セラメクチンは本院ではウサギ・モルモット・ハムスター・フェレットなどのノミ・ダニ(マダニは除く)に安全に使用できています。

う camera写真3 基材が合わないため毛が剥げたウサギ

 本院ではこれまでウサギのノミ感染症にレボリューション®(camera写真2)を第一選択薬として使用しています。月に1回、背中に垂らすのみです。ノミは2-3日でいなくなりますが、気温が高いなど、ノミの繁殖の時期は月1回で長期の使用をお薦めします。1症例、基材が合わないためウサギの毛が剥げた経験はありますが(camera写真3)あとは副作用の経験はありません。

up arrowノミ・ダニの予防

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 本来は犬に寄生するマダニ・ノミの駆除剤ですが、アドバンテージプラス®、フォートレオン®は効能外使用になりますがウサギに安全に使用できます。

う camera写真4 アドバンテージプラス®

  アドバンテージプラス®はノミのみの対応になります。有効成分イミダグロプリドはネオニコチノイド系(クロロニコチル系の総称)に属し、ニコチン様物質を意味する薬剤でノミなど昆虫類に選択的に薬効を発揮します。哺乳類には低濃度で単独使用した場合毒性が低いため使用されています。
 

 


 フォートレオン®の有効成分成分のペルメトリンはイミダグロプリドと協力してノミに加えマダニに対しても薬効を示します。ヒト・哺乳類に対する毒性は低く安全に使用できますが、ネコと魚類のみ毒性が高く注意が必要です。ウサギのマダニ感染に使用可能な薬剤はこの製品のみです。

注意right arrowノミ・ダニ製剤は本院では上記の種類以外はウサギなどには禁忌と考えています。

up arrowノミ・ダニの予防


【関連記事】
ウサギはフィプロニールは禁忌です。
犬猫用のノミ・ダニ製剤について
ノミの生態
マダニの生態

 


 

 

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投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.27更新

オダガワノミ、ダニの皮膚滴下駆除剤(スポットタイプ)の
副作用症例


dire 使用薬剤の選択
 
認可薬剤は殆どが犬猫用ですが、犬のみにしか認可がない薬剤もあります。
 ウサギをはじめエキゾチックペットは認可薬はありません。認可外使用で安全な薬剤はありますが、死亡例の報告のあるノミ、ダニ薬剤もあり、薬物選択には細心の注意が必要です。
詳細はよく掛り付け獣医師とお話し下さい。


dogtigerright arrow犬猫用のノミ・ダニ製剤について
dogtigerright arrow犬猫のマダニの生態、駆除剤


dire 副作用症例

本院では下記の副作用は年に0-1匹です。

あ
tiger猫の症例 滴下部位にリンクして皮膚が脱毛します。
滴下剤に含有されているアルコールに
アレルギーをおこしていると推測されます。
治るには1ケ月位かかりました。

 

あ
犬の症例 他に皮膚に滴下すると、背中を床にこすりつけて嫌がることもありました。
この犬は神経質で投薬も大変でした。そこで
dogright arrow犬に3ケ月間の効果あるノミ・マダニ製剤に変更しました。


 

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【break time】

あflower2ネモフィラ(国営ひたち海浜公園、4月)


 

dog

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.20更新

あ pencil2コルタバンス


 dog犬のアレルギー性皮膚炎でお悩みの方に朗報。
コルタバンス(封をきったら6ヶ月以内の使用です。写真1)


写真1のコルタバンスはフランス製で本品1mL中、ヒドロコルチゾンアセポン酸エステル0.584 mgというステロイドを含有します。効能又は効果は
「犬のアレルギー性皮膚炎による症状の緩和を」適応症とする犬用製剤で、平成24年3月に販売されました。コルタバンスの薬剤分類は上記したように、ステロイドに入りますが、これまでのステロイド剤との最大の相違は 

局所にスプレーするタイプであることです。 

 コルタバンスは局所で作用を発現した後、すぐに皮膚から薬剤が乾き、その後副作用の少ない物質に速やかに分解されます。
犬ちゅんの副作用も少なくて済みます。
 犬の全体皮膚の1/3位までスプレー可能です。そして掻く回数が半分以下になった症例が70%-80%という結果がメーカーから発表されています

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●従来の主なアレルギー時のステロイド剤
 これまでの治療剤では良好な反応はありましたが、欠点は経口剤を長期使用の場合のケースと、軟膏を誤って「副作用がない」と考えて、ダラダラ使用しているケースです。


 
従来使用されていた経口ステロイド剤(写真2)
 

犬はステロイド投与で、他の動物と異なり殆ど多飲・多尿になります。長期投与では、個体差はありますが多くの副作用が生じる可能性があります。
 アレルギー時は獣医師により年間使用量を決めている先生も多くいます。

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人用のステロイド軟膏(写真3)

 軟膏製剤は副作用が少ないと考えられていますが、塗布した部分から全身にステロイドが回る薬剤もあります。
 
 またこれらステロイド軟膏は本来毛の殆どない人の皮膚から吸収(一般的に顔を除いて)が良いように設定されています。人と犬では上皮の構造は異なり、犬でこの薬剤の吸収の詳細はよくわかっていません。
 
 また油性なので、犬では「皮膚がベタベタになり」痒みを誘発する原因にもなることもあります。

 この薬剤は人の皮膚科でもよく処方され、オーナー自身がお持ちのことも多く、犬ちゅんの痒みがとまらないと、つい塗布してしまう傾向がありますが使用は薦められません。
 あえて比喩すれば、犬の皮膚は人の頭部に外見状似ています。人では頭部にこの軟膏をつける方はいないとおもいます。


 また犬への長期塗布例では皮膚萎縮の副作用の症例報告もあります。

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 コルタバンスの特徴
 コルタバンスは経口ステロイド剤・人用軟膏ステロイドの副作用を低減することを目的に設計された犬用スプレータイブの薬剤です。
(上記した多飲・多尿・皮膚の萎縮などステロイドの副作用は軽減します。)


●そこで使用法ですが
 
【用法及び用量】ビルバックの説明書より
 「添付文書では、患部まで約10㎝の距離から、患部の面積10㎝×10㎝当たり1回2噴霧(製剤として260μL/100cm2)を1日1回、7日間噴霧して使用します。犬の全体の皮膚の1/3位まで可能です。ただし顔のまわりは注意。」と記載されてます。


犬のアレルギーの症例

ところがアレルギーは長期に薬剤が必要疾患です。7日で治療が終わることはありません。
そこでコルタバンスは製造元のフランス獣医皮膚科専門医また日本の治験では
3週間の間、1日1回スプレー、その後2-3日に1回スプレーで、維持が可能で副作用少ない症例が多くいるそうです。

(ただし長期使用の場合は症状の変化の確認・必要に応じて血液検査などをおこなうことが良いです。)

顔のまわりはアレルギー病変の多い箇所です。

 また顔の回りはスプレーできません。せっかくの良い薬剤が使用できないなんて、
確かに能書に記載されているように注意が必要ですが、
効能外使用として、フランス獣医皮膚科専門医や日本の治験では
コルタバンスをコットンに染みこませて、犬の顔に塗布使用して成果を上げています。またtigerネコへも効能外使用ですすめられています。

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【関連記事】
4ヶ月の犬(パグ)のブドウ球菌Staphylococcus属が疑われた細菌性皮膚炎
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犬のノミアレルギーの症例
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【break time】

あ

 flower2ラ・フランス(バラ種)

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.15更新

おdogtigerrabbitヒアレイン点眼


  ヒアルロン酸はムコ多糖体の代表的な成分で細胞と細胞をつなぎとめる役割があります。角膜の上皮の細胞同士のつながりも、このムコ多糖体が占めており、そのためヒアルロン酸を点眼すると角膜の細胞同士がつながりが強まり、涙の水分を眼の表面を保てるような働きをします。涙は血管のない角膜に栄養を供給しており、涙の被膜が安定すると眼の乾燥が改善され、動物診療でもdogのドライアイ、またdogtigerrabbitの角膜潰瘍の治療によく使用されています。刺激のないことから使い心地が良い点眼薬です。

1本院で使用している防腐剤なし0.1%ヒアレイン点眼。主に写真左の使い捨てタイプを使用しています。右のPF( Preservative Free)デラミ容器(防腐剤なし)は標準点眼より、すこし大きな点眼剤で、注文制で扱っています。


1使い捨てタイプの防腐剤なし製剤は、0.1%(上)と0.3%(下)の2種類あります。


 

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