小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2017.11.01更新

あdogtiger条虫類、瓜実条虫、マンソン裂頭条虫の
診断と駆虫薬の相違


 条虫類は扁形動物に属し雌雄同体で無体腔動物です。呼吸、循環、骨格、消化管はなく、線虫のような激しい運動性もありません。頭節のみ寄生体へ固着しているため、吸溝、吸盤、嘴、小鉤など吸着器官があり、その後方に片節が未熟、成熟、老熟と滑車のように連なって体表にクチクラはありません。

 条虫が消化管に寄生したときの片節の繊毛は、極端に言えば、腸の繊毛と似たような構造をしています。そして条虫は動物の消化管の『餌』を『少しだけ頂く』ことで栄養を吸収しています。この『少しだけ頂いく』が ポイントで、『多く頂ければ』寄生された動物は下痢・栄養失調などおこし、条虫自身も寄生体を失い一大事です。しかし『少しだけ頂ければ』寄生された動物も生活はでき、条虫にとっても無条件に栄養が採れて好都合です。
 そのため濃厚感染でない限り下痢など臨床症状がない特徴があります。---------------------------------------------------------------------

dire小動物臨床でよく遭遇する条虫類はあcamera写真① 瓜実条虫に代表される円葉条虫類と
 

あcamera写真② マンソン裂頭条虫に代表される擬葉(裂頭)条虫類です。

当院ではいずれの寄生虫も犬猫のみ感染が診られています。
 両者の相違は、診断方法、中間宿主の数、
条虫駆虫剤プラジクアンテルの薬用量
が異なります。
                       --------------------------------------------------------------------

あcamera写真③ (外部・内部寄生虫の駆虫薬 鈴木 透、CAP No294 2013 12より)

 前者right arrow瓜実条虫片節の最も重要な点は体壁に子宮孔(産卵孔)がない為、(写真③片節内の卵嚢内に虫卵が貯まります。そして組織内の代謝活性が低下して、後部の老熟片節が契れて便と共に片節が排泄されます。そのため、診断は視診が主で「米粒のような虫が糞についてきた」という主訴で来院します。
 また写真①のright arrow瓜実条虫right arrow中間宿主はノミで1つです。

       --------------------------------------------------------------------
 あcamera写真④(外部・内部寄生虫の駆虫薬 鈴木 透、CAP No294 2013 12より)

 後者のマンソン裂頭条虫片節は瓜実条虫に比べて横に約1.5倍長くなっています。相違は体壁に子宮孔(産卵孔)があり虫卵が寄生体の腸管内に排泄される点で、写真②のように虫卵で排泄されます。片節の排泄は殆どなく、診断にはまず検便が必要な点です。中間宿主は2つあります。                                  

--------------------------------------------------------------------

 プラジクアンテル製剤 


right arrow駆虫剤プラジクアンテルの薬用量right arrowマンソン裂頭条の駆虫にはright arrow瓜実条虫の約6倍も必要な点も重要です。
 作用機序は条虫の繊毛から侵入して外皮を破壊し、そして内容物を体外へ放出し、主に無機イオンの能動的な移動を阻害して効能を示します。
 なお条虫類は神経系の発達は悪く、抑制性神経伝達物質(GABA)は存在しないため、イベルメクチン類は効果を示しません。 
 
  条虫の生活史には必ず中間宿主が必要です。著者の考えはright arrow瓜実条虫right arrowマンソン裂頭条虫の再寄生の防止のためにはプリパテントピリオドを考慮した再駆虫より、中間宿主と接触させないことが大切です。
 中間宿主はright arrow瓜実条虫right arrowノミに接触後16-21日で、right arrowマンソン裂頭条虫はカエル、ヘビなどに接触後約14日で感染します。          


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【break time】

あstar塔の岳(丹沢山系)からの日の出(1月)
江の島の上空に日が昇ります。


 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

 
あ 
 ステロイド剤の歴史と種類
 ステロイド』の名前は一般社会によく知れ渡っています。
 
 
 
 ジギタリス                      自然薯
 ステロイド剤はジギタリスや自然薯にも原料として含まれますが、これらのみでは日本国内の薬剤消費量には追いつきません。そこで主に牛の胆汁を集めて薬剤は作られています。
 
 ジギタリスの葉は苦いため、草食獣は食べることは避けていました。また植物は苦みで自己の種族維持を行います。そのためウサギ・モルモットなどの草食獣は食べた経験がない点ならステロイドの代謝が苦手と推測されていますが、実際は結構耐えてくれます。
 また強心配糖体のジギタリス製剤と副作用は似ている点があります。

                                    
----------------------------------------------------------------------
 ステロイド剤は抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用など多くの薬理作用を持ち、強力な治療効果がありますが、使い方次第では副作用も生じます。
 しかし現在の医学・獣医学を含めて、ステロイドなしでは治療できない多くの疾患があることも事実です。
 しっかりした診断の上で
ステロイド は主作用が副作用を上回る場合のみ使用します。動物の診療現場では多くのオーナーが、ステロイドという名前を聞くと顔をゆがめます。その理由として、ステロイド剤は一部の医療機関・動物病院で過度な使用例があるからと考えています。そのため使用の際は獣医師側と意義、期間、頻度、副作用などよく話しあうことが大切です。
 本院の経験では『抗がん剤』を使用するときのほうがまだ納得される方が多いことは残念です。(『抗がん剤』はステロイド』に比べて、種類によるが副作用ははるかに多い。)

 『
ステロイド』は現在の医療情勢にタイミング悪く投げ込まれた薬物のひとつかもしれません。
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■基本作用
 
ステロイド剤は抗生剤、抗真菌剤のように、病原体を殺す薬剤ではなく、また気管支拡張剤、抗鬱剤のように病気の原因に直接病変に働き掛ける薬剤ではありません。
 
 このステロイド剤の別名は副腎皮質ホルモン剤です。
副腎皮質ホルモン剤≒コルチゾールなんて高校生物を思い出す方も多いとおもいます。

 {正式には、
コルチゾールは副腎皮質の束状層から分泌しています。よく耳にするステロイドとして他にアナボリックステロイド(蛋白同化ホルモン、ドーピングで聞いたことがあるとおもいます。)、性ホルモン(テストステロン、エシトロジェン、プロゲステロン→副腎皮質の網状層から分泌)などがあります。}
 
 薬理学的には動物の体内で自ら作り出しているホルモン剤で、元々備わっているしくみを利用して病気の症状を抑えます。
 
 

cameraコートリル
® コルチゾール(別名、ヒドロコルチゾール) 
 ステロイド剤の使用は1948年キンダル、ヘンチらがコルチゾルを発見したことに始まります。しかしコルチゾルはレセプターに結合する能力はなく、そのままでは活性を示しません。酵素により活性型されたコルチゾール写真①)(ヒドロコルチゾール)がリュ-マチ患者に投与され劇的な成果をあげ、後にノーベル医学生理学賞を授与するきっかけになりました。
 
 しかし内因性ステロイドのヒドロコルチゾールは血中半減期は1.2時間、作用時間が短く、すぐ分解され臨床には向いてません。また糖質コルチコイドとしての作用50%と同時に鉱質コルチコイドとしての作用50%を合わせ持ちます。
 鉱質コルチコイドは1日で体内電解質のバランスを変化して低K傾向になることもあり長期使用には向いてません。ステロイドの主作用の抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用は糖質コルチコイドの作用によるものです。以上の点から、糖質コルチコイドの作用のみを増強した合成ステロイドの研究が進みました。
 
 以上の理由で、内因性ステロイドのヒドロコルチゾールは合成ステロイドの薬理作用の指標になる薬剤になりました。薬理の本でよく見る写真②もこれが基準で記載されています。
 
 その後合成ステロイドの製薬がおこなわれ、ヒドロコルチゾールに比べて、プレドにゾロンでは糖質コルチコイドは4倍になり鉱質コリチコイドの作用は約20%になりました。メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、トリアムシノロン、ベタメサゾンでは鉱質コリチコイドの作用は≒0になりましたが、糖質コルチコイドはさらに強力になり作用時間が長くなることで、副作用も出やすくなりました。それらをすべて表しているのが写真②です。
                                           
 ②
 写真②には半減期、糖質・鉱質コルチコイドの含有率などをまとめています。
 ヒドロコルチゾール錠はヒトの1日のコルチゾール分泌量が≒10mgなためこの力価で製薬をしました。
各ステロイド錠剤もこの考えに準じて1日推定分泌量が1錠中の力価に設定しています。
(薬剤の下に記載、ただし臨床的に必要な力価の薬剤もでている製品もあります。)
ステロイドは分け方にもよりますが、最初はこの7種類に分類されます。皮膚に塗布可能な製剤もいれると20-30種類もあります。

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 ③ 
 写真③④、これらが現在よく臨床の場で使用されている合成ステロイド剤(注射剤③と経口剤④)です。                
■各論
■一般名 フルドロコルチゾン Fludrocortisone
商品名 フロリネフ®
 
 小動物ではアジソン病時に鉱質コルチコイドの薬剤として使用されています。
 鉱質コルチコイド受容体を介してNaを再吸収、K排泄します。
 過剰に分泌されると、Naがおおくなり組織の水で血管内が多くなり高血圧、代謝性アルカローシス、低Kになります。                                     
----------------------------------------------------------------------
一般名 ヒドロコルチゾン hydrocortisone
ヒドロコルチゾンの錠剤 商品名 コートリル® 
 商品名コートリルは成分名ヒドロコルチゾンで内因性ステロイドの経口剤です。合成ステロイドの指標になる薬剤で、血中半減期は1.2時間、比率は糖質コルチコイド1対鉱質コリチコイド1です。
 
犬用 コルタバンス®
 コルタバンスの成分名、ヒドロコルチゾンアポセン酸エステルはヒドロコルチゾンをスプレー製剤にした薬剤です。                    
----------------------------------------------------------------------
■プレドニゾロン
 血中半減期は2.5時間、比率は糖質コルチコイド4対鉱質コリチコイド0.8です。
ヒドロコルチゾに比べて電解質の作用が弱く、副作用の誘発が少ない薬剤で、最もポピュラーに使用しているステロイドです。                                
----------------------------------------------------------------------
■メチルプレドニゾロン
メチルプレドニゾロン錠剤 商品名 メドロール® 
 商品名、メドロールで錠剤が販売されています。血中半減期は2.8時間、比率は糖質コルチコイド5対鉱質コリチコイド≒0です。現在、臨床ではこの薬剤の錠剤は多くは使用されていません 。
 

コハク酸メチルプレドニゾロン、商品名 デカコート
®         
 糖質コルチコイドそのものは、水に難溶性のため、静注注射できるためには、コハク酸を側鎖につけ水溶性にした製品です。

 メチルプレドニゾロン錠剤とコハク酸メチルプレドニゾロンはメチルプレドニゾロンとしての力価は多少異なります。
コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム53.0mgはメチルプレドニゾロン相当量に換算すると40mgになります。注射薬から経口薬へ変更の際はご参考ください。
 
 
酢酸メチルプレドニゾロン、商品名 デポメドロール
®  
 メチルプレヂニゾロンと酢酸を結合させ2-4週間近く薬効があります。
 しかし投与はやもえない場合を除き使用はさけなければなりません。
 猫は長期投与は糖尿病になることが多く注意が必要です。
本院で使用する場合は、性格がきつく、経口投与できない口内炎の猫などのみ使用しています。
----------------------------------------------------------------------
■デキサメサゾン
 血中半減期は3.5時間、比率は糖質コルチコイド25対鉱質コルチコイド≒0です。
デキサメサゾン1.65mgは静脈内注射できるリン酸デキサメサゾンエステルではデキサメサゾン量2mgに相当します。剤型を換える場合はご参考ください。                       
----------------------------------------------------------------------
■トリアムシノロン

 比率は糖質コルチコイド5対鉱質コルチコイド≒0です。全身投与はこのあたりが限界のステロイドです。注射は局所注射ですが、副作用は少ない訳ではありません。本院では現在使用してません。
 錠剤は猫に限り使用する場合はあります。好酸球性肉芽腫群に使用される場合はあります。
この錠剤の包装はは今では珍しいストリップパッケージが使用されています。
1950年代に流行った方法で、 薬剤が透けて見えるのでこの名称がつきました。
                                       
----------------------------------------------------------------------
■ベタメダゾン
セレスタミン®
 血中半減期は3.3時間、比率は糖質コルチコイド25対鉱質コルチコイド≒0です。
 このセレスタミン®は抗ヒスタミン剤との合剤です。
 
                                                
■特殊なステロイドの形態

■静脈内投与できるステロイド
⑤ 
コハク酸メチルプレドニゾロン            リン酸デキサメサゾン
 
 糖質コルチコイドそのものは、水に難溶性のため、静注注射できるためには、コハク酸、もしくはリン酸を側鎖につけたエステル構造で製剤化されています。写真⑤⑥
 緊急性のある疾患では静脈内投与しますが、ステロイドは核内に働いて作用を示すので、レセプターを経由する薬剤と異なり、効能はすぐにはでません。ヒトのデーターの引用だと4時間位はかかるとされています。
----------------------------------------------------------------------
■長期効果あるステロイド
 このデポメトロール®は1回の注射で、メチルプレドニゾロンが2-4週間の効果を示してしまい、ステロイドが好むと好まざるにかかわず、長期間効いてしまいます。
 
犬では
副作用の関係でよぼどの理由がないと使用はしません。
猫も最近は糖尿病になりやすく使用しない傾向です。しかし経口投与ができない猫には必要な疾患では注射はしています。

■ステロイドの長期使用の場合の注意
 
 ステロイドを長期使用する疾患には視床下部・下垂体・副腎軸の抑制を少なくする処方が必要です。また副作用は個体差があります。副作用がでた場合は、疾患により対処は異なりますが、減量なり投薬中止を考える必要があります。中止する場合はよく担当獣医師とお話ください。
 
⑦ 
 作用時間が短いプレドニゾロンとメチルプレドニゾロンの隔日投与が最適です。写真⑦⑧参照)
  
⑨ 
 またデキサメサゾン・ベトメダゾンは血中半減期と受容体結合親和性を向上した力価の高い製剤になっており、そのため副腎軸への抑制が強く、長期投与は薦められません。写真⑨⑩参照)                             
                      
 
 
 
 




投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

あ book線虫類は蠕虫の中で最も発達した線形動物で、雌雄異体の擬体腔動物です。 


■作用部位
 線虫類の体表は細長い円筒形で全身はクチクラに覆われているため、体表から駆虫薬の吸収はできません。そのため駆虫剤の作用点は栄養の摂取・吸収が行われる三放射相称の口、筋肉質の食道、消化管の経路を介して吸収されて、神経節また神経筋接合部に働くと推察されています。

 神経の中枢は脳ではなく、食道を囲む神経環で前方と後方に6本の神経幹が走り、所々に神経節があり、はしご状の神経繊維が全身に分布します。そして背筋、腹筋にまたがる神経繊維を交互に弛緩、収縮させて、腸管の蠕動運動に逆行して寄生生活をしています。

 線虫の駆虫薬は主にこの逆行運動を阻害する目的で、神経節また神経筋接合部のシナプス前部に働くパモ酸ピランテル・エモデジプトなどが使用されています。。

 線虫類は駆虫のためにプリパテントピリオドを考え複数回の投与が必要です。right arrow犬鞭虫は同じ線虫類でもright arrow犬回虫・犬小回虫・犬鉤虫と駆虫薬が多少異なります。

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各論
■商品名 プロフェンダー®スポット 猫用(バイエル薬品、皮膚滴下剤)

あ

あ

 成分名 エモデプシド(Emodepside)・プラジクアンテル(Pragiquantel)の合薬で猫回虫、猫鉤虫、瓜実条虫、猫条虫、多包条虫の内部寄生虫をほとんど同時に駆除が可能です。
 7週齢、500g以上の子猫から投与できます。
猫は経口投与は大変な場合もあるので、重宝な薬剤です。頸背部の被毛を分け、容器の先端を皮膚に付けて滴下する簡便で確実なスポットオン液剤です。

 ■ドロンタール® 猫用(バイエル薬品、錠剤・駆虫可能な寄生虫はプロフェンダースポットと同じ) 
 2種の薬剤が入っている猫用経口剤です。猫は鞭虫の感染がないので犬用と異なり2種類の合剤で、2週齢から使用可能です。
猫回虫、猫鉤虫→パモ酸ピランテル (Pyrantel pamoate)
瓜実条虫→プラジクアンテル(Pragiquantel)の駆除を行います。
パモ酸ピランテルは虫体の神経-筋接合部に作用し痙性の運動神経麻痺を示しコリンエステラーゼ抑制作用を有します。薬剤の腸管からの吸収は殆どありません。1回の投与で線虫類(回虫・鉤虫)の成虫を効果的に駆除できます。虫卵には効果ないため、プレパテント・ピリウドを考慮して、2-4週間あけて最低2回の複数回の投与が必要です。
 プラジクアンテルも含有されているので、ウルザネ条虫も効果的に駆除できます。ウルザネ条虫は再感染防止のため、ノミの駆虫が併用して必要です。
 猫は経口投与が大変な場合もあります。粉にしても効能はありますが、猫が嫌がって涎をだして抵抗される場合があり、筆者の動物病院では駆虫には主にプロフェンダー・スポットを使用しています。

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■プロフェンダー®スポットとドロンタール®錠の駆虫の相違 
 猫の回虫卵は便と共に未分化卵が排泄されます。
①そして10-30時間で幼虫形成卵になる。
②この幼虫形成卵を経口摂取すると、1-3時間でふ化します。
③2日間で肝臓・肺に移行
④6日以後か肺に移行(第3期幼虫)
⑤10-21日で胃・腸に出現(第4期幼虫)
⑥28日で成虫が出現
◇経口剤は主に⑥の猫回虫成虫に効能を示します。
◇皮膚に滴下するプロフェンダー®スポットは④⑤⑥のステージでも約94%の効果を示します。猫回虫成虫のみでなく幼虫移行症にも効能を示すのでこの薬剤がお薦めです。
 ただし希にぶ形剤(グリセリン様物質)にアレルギーを起こして、毛が抜けることも希にあります。
◇しかしどちらの薬剤も猫回虫には2週間あけて、2回の投与は必要です。
◆ノミ・ダニの駆虫剤と併用 ノミ・ダニの駆虫剤と併用する場合はプロフェンダー®スポットを滴下して皮膚が乾いたことを確認した後、離した箇所の皮膚に滴下してください。
 ぶ形剤は薬剤で相性が異なるので、皮膚上でぶ形剤の共有をさけ、薬剤の吸収、分布に影響を与えない為の処置です。

---------------------------------------------------------------------
■商品名 ドロンタール®プラス 犬用(バイエル薬品、錠剤)
あ

3種の薬剤が入っている犬用経口駆虫剤剤で、生後2週齢から使用可能です。
right arrow犬回虫、犬鉤虫はパモ酸ピランテル(Pyrantel pamoate)、
right arrow犬鞭虫はパモ酸ピランテル(Pyrantel pamoate)とフェバンテールの相乗作用、
瓜実条虫はプラジクアンテル(Pragiquantel
が駆除を行います。
 

 1回の投与で線虫類(right arrow犬回虫、犬鉤虫、right arrow犬鞭虫)の成虫を効果的に駆除できます。しかし虫卵には効果ないため、寄生虫のプレパテント・ピリウドを考慮して、right arrow犬回虫、犬鉤虫は2-4週間あけて最低2回の投与、right arrow犬鞭虫は2-3ヶ月あけて複数回の投与が必要です。瓜実条虫は再感染防止のためには、中間宿主ノミの駆虫剤の併用必要です。
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■商品名 イベルメック®

あ
■成分名 イベルメクチン(Ivermectin)、パモ酸ピランテル(Pyrantel pamoate)含有
 イベルメクチンは伊豆の川奈の土壌から抽出された成分でフィラリア予防がメインの薬剤です。
 イベルメクチンは単独でも高用量を使用すれば、right arrow犬回虫、犬鈎虫の駆除も同時にできますが、本剤はフィラリア予防がメインのため、コリー犬、オーストラリアンシェパード犬、なMDR1(multidrug resistance protein1)遺伝子の変異犬などイベルメクチン感受性のある犬にもフィラリア予防で使用できるようイベルメクチンを少量にしました。そのためパモ酸ピランテルを含有させて、線虫類の駆除効果も持たしています。
right arrowチュアブルタイプなので嗜好性は良いです。(98%の犬が食べてくれます。)しかし牛肉をベースに製薬ざれているので、それらに食事アレルギーのある犬には薦められません。またフィラリア陽性犬は使用は控えた方がよいです。
 ---------------------------------------------------------------------
■ミルベマイシン Milbemycin 
 ミルベマイシンは北海道の美瑛の土壌から抽出された成分です。
本来はフィラリア予防ですがフィラリア予防量でright arrow犬回虫、犬鈎虫の駆除にも使用できます。最大の利点はフィラリア予防量の2倍量でright arrow犬鞭虫駆除が可能で、フィラリア予防量と鞭虫駆除量の差が少ない薬剤です。そのため当院では鞭虫卵が庭や散歩コースに多くいるケースにフィラリア予防と兼ねて使用しています。ただしフィラリア陽性犬は投与は禁忌です。
◆備考 鞭虫卵
 鞭虫卵は便と共にでると、地面で1年以上は感染力があります。鞭虫の感染した場合は便は早めにかたづけることを薦めます。また他からの感染疑いの場合は散歩コースの変更を薦めています。
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■商品名 レボリューション®犬猫用 (ファイザー株式会社 皮膚滴下剤)あ
 成分名のセラメクチンは犬猫のフィラリア予防、ノミ予防、耳ダニ駆虫、猫回虫の駆除をおこないます。right arrow犬回虫には効果はありません。 
  6週齢の仔犬、仔猫から投与できます。またコリー犬、オーストラリアンシェパード犬、なMDR1(multidrug resistance protein1)遺伝子の変異犬などイベルメクチン感受性のある犬にも使用可能です。
 イベルメクチンの第三世代とも称されますが、薬剤が不味いため、経口剤としては販売されませんでした。皮膚浸透性の良い性質を利用して、皮膚滴下剤(容器の先端を皮膚に付けて滴下する簡便で確実なスポットオン液剤)のみの販売になりました。

-------------------------------------------------------------------
■商品名 コンバントリン® 
 成分名 パモ酸ピランテル(Pyrantel pamoate) 
 ヒト用のパモ酸ピランテル製剤もあります。動物でも効果はあります。単独製剤である点は症例によっては魅力です。パモ酸ピランテルは消化管から吸収されないので、腸管のみの駆虫になります。


 

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あ

 flower2バラードゴールド(チューリップ)
(4月、ひたち海浜公園)


 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

あ■チュアブル錠とは


  チュアブル錠の命名は『噛むこと』チュア(chew)と『できる』(able)からなります。また別名で咀嚼錠との言い方もあります。
 
 小学校低学年の方はシロップや粉薬から錠剤に移行する時期です。しかし錠剤を飲みこむことが大変な子供もいます。そこでお菓子のラムネをヒントに、口の中で噛んでも飲むことができる製剤を作りました。これがチュアブル錠が誕生した理由です。この製剤は嗜好性に優れていおり、噛んでも苦みはありません。水には溶けませんが、水なしで飲むことが可能です。口腔内で崩壊しても小腸から十分薬剤吸収できる特徴があります。

 普通の錠剤は胃で溶けて小腸から吸収されて薬効を示します。口腔内で噛んだ場合は吸収に変化が生じます。また水なしで飲むと食道に薬剤がついて食道炎をおこす場合もあります。
 
 最近ヒトの医療でよく見掛ける口腔内崩壊錠(OD錠)は水なしで飲むことが可能な点はチュアブル錠と同じです。相違は口腔内崩壊錠は口腔内で唾液などで自然に崩壊しますが、チュアブル錠は口腔内で噛み砕かなければ錠剤の形状が維持する点です。なお小腸からの薬剤吸収は両製剤とも良好です。

 私が知る範囲では、犬でのチュアブル錠は1993年カルドメック®チュブルとして初めて販売されたと記憶しています。その後いろいろな薬剤に適応されています。ヒト同様、噛んでも苦みが無く、嗜好性も良く、本院の経験では約95%の犬に投与できます。
 
 欠点は美味しさのあまり、犬がおやつと勘違いして、誤食する可能性があります。特にフィラリア薬剤は季節になると一度に6-8錠位、また慢性関節疾患は1ヶ月分など多くの薬剤が処方されるケースが多くあります。

 犬舎の上などに安易にチュアブル錠を置くと、これら大量の薬剤を知らない間にすべてを食べてしまったケースもあります。死亡例したケースもあり、必ず犬の届かない場所に保管してください。

 またチュアブル錠の中には例えば牛肉をベースに製薬していることもあります。食事アレルギーの既往歴ある犬は、チュアブル錠の中に当確成分が入ってないか、かかりつけ獣医師とよく相談して使用を決めていく必要があります。



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あ

 flower2ダンシングショー(チューリップ)
(4月、国営ひたち海浜公園)

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

adogドライアイの点眼薬(イヌ)


a

 イヌのドライアイの原因は特定は難しい疾患です。自己免疫性のドライアイにはシクロスポリンは効能を示しますが、他の原因では効能はあまりよくありません。そのため人工涙液を中心とした治療をおこなっています。
 写真のコッカスパニアルはセカンドオピニオンで世田谷区から来院した症例です。このオプティミューンを使用して、2年間は涙も多くなりました。 しかしその後は使用しても変わらず、ヒアレインや生食眼軟膏で対応した疾患です。

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■オプティミューン

a オプティミューンの成分名シクロスポリン(cyclosporin)は真菌Tolypocladium inflatumによって産生されるポリペピチドマクロライドです。免疫抑制剤でT細胞を特異的に抑制して効能を示します。またシクロスポリンは催涙作用もあり正常な眼に点眼しても涙が沢山でてきます。しかし涙腺刺激作用はありますが、涙液は組織に移行はしません。
  自己免疫性のドライアイはイヌでは比較的に多く報告されており、この薬剤で60-70%は効能を示します。しかし効果がない場合はいつまでも眼に塗布する薬剤ではありません。この薬剤はリンパ球の細胞周期からみると、リンパ球のG0―G1の分化を抑制します。そのため効能の判断には時間を要します。筆者は2-3ヶ月を目安に使用の有無を決めています。
  眼軟膏製剤です注意点として、多くの量を眼の中に入れないでください。適応のある疾患には能書の量より低用量で効能が診られていることが多いです。
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■ヒアレイン 使い捨て型点眼 0.1%と0.3% 

a  ヒトの涙に一番近い成分で鶏の鶏冠から製薬させている点眼液です。使い捨て点眼なため使用法は動物病院で区々です。薬理作用は保水性、フィプロネクチンと結合し上皮細胞の接着、伸展を促進作用があり、そのため角膜潰瘍の治療に使用されます。
 効能は0.3%の方が効果ある意見が多いですが、(変わらない意見もありますが。)0.3%は点眼すると薬液が濃いので眼を気にする動物が希にいます。このようなケースでは0.1%を点眼してもらっています。
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■ヒアレイン 点眼型 0.1%

あ 以前は防腐剤が入っていたので、本院では使用してませんでしたが、最近はPF点眼といって防腐剤が入っていないヒアレイン点眼も発売されています。0.1%のみしか点眼がない点が課題です。---------------------------------------------------------------------
■ソフトサンティアとヒマシ油

あ ソフトサンティアは防腐剤フリーの涙液点眼薬です。ヒマシ油は眼科用ではありませんが、ヒトのドライアイではソフトサンティアに添加使用された実績があります。使用の際は2週間で薬剤交換が必要です。使用は掛かり付け獣医師指導を基におこなって下さい。
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■生食の眼軟膏

あ ドライアイ時など、点眼より保持時間が長く、お忙しいオーナー向きです。日本にありません。
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■ジクアス

あヒトで使用されてますが、動物での効果はよくわかっていません。本院も未使用です。


 

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【break time】

あ
あ
 flower2上記したヒマシ油はこのトウゴマより精製されています。
(東京都薬用植物園、8月)

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

あbookコクシジウムの駆除剤


 コクシジウムは腸管の感染する原虫です。
本院では幼犬、幼猫、幼ウサギ、文鳥、烏骨鶏で経験があります。
無症状でワクチン時偶然発見される場合もあれば、また激しい下痢を繰り返し脱水で死亡することもありました。

 コクシジウムにはイソスポラ属とアイメリア属があります。
 dogtigerright arrow犬猫はイソスポラ属(オーシスト内のスポロシスト2つ、スポロシスト内のスポロゾイト4つ)で待機感染があります。
犬(Isospora canis、Isospora obioensis )、猫(Isospora felis、Isospora revolta) の2種類の感染

rabbitright arrowウサギはアイメリア属(オーシスト内のスポロシスト4つ、スポロシスト内のスポロゾイト2つ)の感染で待機感染はありません。
chick鳥類はアイメリア属が多いですが、文鳥、カナリアはイソスポラ属です。
 しかし両者間に駆虫薬の相違がある訳ではなく、発見したら駆虫剤の投与がベストの選択です。
これまで駆虫剤はサルファ剤が主でしたが、2017年9月に犬のコクシジウムにプロコッカス®(成分名トルトラズリル他)が認可されました。これからはこの薬剤が中心になると考えられます。

right arrowdogトルトラズリル
right arrowコクシジウムの生活環はこちらへ

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■治療薬

あcamera1)バイエル社の資料より引用

■トルトラズリル

あ
 1985年海外でニワトリ抗コクシジウム剤で販売されたのが始まりとされています。日本には2015年9月に豚用で販売されました。コクシジウムの各ステージに対して広く作用を及ぼし、すぐれた効果を発揮します。(camera1)
 
 犬用は認可済み製剤ですが、本院の使用経験では小動物(猫・ウサギ・文鳥など)に効能外使用で用いた経験では、効果はあるようにおもいます。しかし症例が少なく、使用の際は担当獣医師とよくお話ください。

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■サルファ剤
 サルファ剤は一部に硫黄を含んでおり、これが名前の由来になっています。しかし硫黄とサルファ剤は別ものです。1932年、最初にG.J.P.ドマークらによつて合成された薬剤でスルファニルアミド基を持ちます。トリブリッセン®に含まれるスルファジアジンが古典的なサルファ剤にあたります。その後作用時間を延長させたり、また副作用を減らしたスルファモノメトキシン、スルファジメトキシンが販売され現在使用されています。

 備考・獣医領域で時々使用する薬剤で、糖尿病のSU剤、アセタゾラミド(利尿剤)、ゾニサミド(抗癲癇剤)などがスルファニルアミド基を持ち これらの薬剤の使用で副作用が診られた場合はサルファ剤投与は注意が必要です

■サルファ剤のコクシジウムへの作用 
 サルファ剤は薬理学では抗菌剤ですが、コクシジウム虫体への浸透が良いため使用します。 
 コクシジウムは下痢でも薬剤吸収はよく、注射剤も経口剤も血中濃度は変わりません。主な効果は抗体産生までの増殖を抑えることで、無性生殖生活環の最後部分のtrophozoite→schizontの後期発育最終段階の抑制で、(camera1参照)殺虫効果ではありません。免疫状態は動物により異なり、そのため薬用量・期間の報告も教科書により様々です。経験的には駆虫には14-21日間を要しています。

■スルファモノメトキシン(sulfamonomethoxine) 
 スルファジアジンの1日2回は不便のため、作用時間を長くしたスルファモノメトキシンは1958年頃に販売されました。投与回数の減少(1日1回)、副作用の軽減目的(腎臓のアセチル体の沈殿を少なくしたり)を目的に作製されたスルファジアジンの誘導体です。この薬剤は動物病院ではではコクシジウムの駆除によく使用されてますが、動物での使用は1日2回が良いように感じます。大動物用のダイメトン®という商品名が有名です。ヒト用、犬猫用もないため、小動物診療では現在大動物用を使用しています。

■スルファジメトキシン(sulfadimethoxins

  この薬剤も動物病院ではコクシジウムの駆除に使用されてます。
 ヒト用、動物用共にアプシード®という商品名が有名です。ヒト用はシロップ製剤・注射剤はあります。散在は犬猫用はないため大動物用を使用しています。本院では文鳥のコクシジウム駆除に使用していますが上記したトルトラズリルのほうが効果あるように感じています。

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■その他コクシジウム駆虫剤

■アセチルスピラマイシン(Spiramycin Acetate) 
 筆者はマクロライド系抗生剤のアセチルスピラマイシンも犬猫コクシジウムに使用したことはあります。(ウサギは禁忌)使用した経験ではサルファ剤と同等の効能があるようにおもいます。
 医療ではアセチルスピラマイシンはマクロライド系抗生剤です。しかし抗生剤としての価値は低く、産科関係でトキソプラズマ(学名:Toxoplasma gondii)の際に使用される薬剤です。 
トキソプラズマはアピコンプレックス門コクシジウム綱に属して動物のコクシジウムと分類が似ています。そのため効能があるのではと筆者は推測しています。
 この薬剤は二重盲検などのデーターはなく、開業獣医師の経験的な使用法で『有効』と判断してるに過ぎない薬剤です。そのためエビデンスレベルはサルファ剤より低い薬剤になります。


 

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 【break time】

あflower2シナノキンバイ(北岳、8月)


 

投稿者: オダガワ動物病院

2015.09.16更新

お
 rabbitウサギのコクシジウム症
 
 当院ではウサギのコクシジウム症は開業した20年前はよく診ましたが、ペットショツプが衛生的になった現在殆ど診なくなりました。。
 この症例は『ウサギの専門店』の検便で『異常なし』とのことで購入したケースです。当院で再度検便をしたらコクシジウムが発見されました。検便は大切ですが少数寄生だったり、また虫卵は産む日と産まない日があるため、絶対の判断ができる訳ではありません。
 そのためウサギを購入したら掛かり付け動物病院で臨床症状と合わせて再検便することを強くお薦めします。

本症例のコクシジウム
  ウサギ 雌 6ヶ月 雑種、健康診断で本院を訪れました。検便をおこなうとコクシジウムが発見されました。コクシジウムはアイメリアとイソスポラに分かれます。ウサギはアイメリア(Eimeria.Spp)の感染でおこり12種以上の属が同定されています。

■ウサギのコクシジウム症
 胆管と腸に感染します。
 胆管に感染するE.stiedaiは最も病原性が強いとされています。E.stiedaのオーシストは胆管上皮で形成された後に胆汁とともに腸管腔に排泄されます。そのため通常の検便で検出は可能です。しかし発育分裂がさかんな時期には胆管上皮を破壊し、胆汁の刺激等で炎症を生じ、胆管炎を併発します。すると継続的に胆管は肥厚し胆汁のうっ滞を招き、その結果消化障害や下痢などの臨床症状もおこします。
  腸に感染するコクシジウムはEimena Perforans、Eimena.Magna、Eimena Media Eimena.Irresidue などのがいますが、病原性は種によって異なります。おこる可能性がある臨床症状は軟便、下痢です。
 
 顕微鏡所見ではウサギに診られるコクシジウムは上記のような円形の形態と下記のような楕円形の形態が診られますが、残念ながら種類の判断はつきません。中には激しい臨床症状を出す種類もあるため、コクシジウム虫卵を発見したらすぐに駆除することが重要と考えています。特に仔うさぎでは、コクシジウムが原因の下痢が始まってからでは、薬剤投与しても体力がもたず、死亡するケースが多いからです。
 
あ
サルファ剤が効く理由
 治療にはサルファ剤を使用します。尿がアルカリ性のうさぎでは殆ど副作用のない薬剤です。
 紹介した症例はサルファ剤のスルファモノメトキシン(sulfamonomethoxine)を処方して、その後よくなりました。サルファ剤は1-2週間の治療が必要でまた状態によってはもっと時間のかかる場合もあります。

 なぜかと言えばサルファ剤は直接コクシジウムに作用する特異的駆虫剤ではありません。無性生殖生活環の最後、無性生殖の二期のtrophozoiteからschizontへの発育段階を遮断します。細胞性免疫が働き抗体を作るまで、無性生殖を抑制しているに過ぎませんか、真核動物であるコクシジウムへの浸透がよい薬剤です。
 
■トルトラズリル(Toltrazuril) 
 牛用・豚用のコウクジウム駆虫剤のトルトラズリル(Toltrazuril)を使用する場合もあります。ウサギが投薬を拒否する場合など、投与が1回ですむので便利ですが、日本ではウサギに多く使用されていないため、副作用などがよく分かっていません。


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最終更新:平成27年9月16日(水)


 

投稿者: オダガワ動物病院

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