小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.11.10更新

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bookdogtigermousechick条虫、吸虫駆虫剤 プラジクアンテル(Praziquantel)とは


■条虫・吸虫の駆虫について
 昔はこれらの条虫・吸虫の駆除剤は投与前後に絶食が必要で、また投与後には下剤が必要な薬剤も多くありました。1985年ごろにプラジクアンテルPraziquantelが販売されてからはその必要はなくなり副作用は少なく安心して使用可能になりました。
 注意点は条虫、吸虫の種類により、駆虫剤プラジクアンテルの投与量が大きく異なることです。(マンソン裂頭条虫の駆虫薬には瓜実条虫駆虫量の約6倍量、吸虫類は約5倍量) 条虫・吸虫は神経系の発達が悪く、抑制性神経伝達物質(GABA)は存在しないため、イベルメクチン等は効果を示しません。プラジクアンテルの作用機序は 条虫等の外皮を破壊し、そして内容物を体外へ放出し、主に無機イオンの能動的な移動を阻害して効能を示します。また駆虫剤投与より中間宿主と接触させないことが大切です。
 
 プラジクアンテルが含まれている薬剤には含有複合剤として◇プロファンダー®スポット皮膚滴下剤(犬猫用) ◇ドロンタール®プラス錠(犬用) ◇ドロンタール錠®(猫用)があります。これらの薬剤は線虫駆虫薬との複合剤で良い点もありますが、瓜実条虫の駆虫量でプラジクアンテルが製剤されており、高用量が必要なマンソン裂頭条虫壺型吸虫虫には向きません。また複数の寄生虫がいる場合はプレパテントピリオド(線虫類の猫回虫48-56日、瓜実条虫14-21日)が異なり、再投薬時期に悩むこともあります。
また単独製剤として◇ドロンシット® 犬猫用錠剤・注射 ◇ビルトリシド® ヒト用 錠剤があります。
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■本院で診られる条虫、吸虫の種類と駆虫法
dogtigerマンソン裂頭条虫Spirometra erinaceieuropaei)、
tiger壺型吸虫Pharyngostomum cordatum)には
 投与量の調節しやすいプラジクアンテル注射剤、力価の高い経口剤ビルトリシド®の使用と中間宿主との接触をさけることが大切です。

dogtiger瓜実条虫Dipylidiasis)には 
 プラジクアンテルの注射・経口薬・皮膚滴下剤の駆除と中間宿主のノミの駆除が必要です。

chick◆文鳥の条虫
 プラジクアンテルの経口剤が便利です。

mouse◆小型条虫
 ハムスターにいるので、プロファンダー®スポット皮膚滴下剤が便利です。

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■薬剤各論
■プラジクアンテルの注射剤 商品名・ドロンシット®注射液 
ウルザネ条虫・マンソン裂頭条虫壺型吸虫の駆除に使用される薬剤です。特にマンソン裂頭条虫・壺型吸虫の駆虫には高用量が必要なため、注射剤は投与量が調節でき使用しやすいです。

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■プラジクアンテル含有の皮膚滴下剤 商品名・プロフェンダー®スポット 犬猫用
分名・線虫駆虫薬エモデプシド21.43mg/ml(1.5-3mg/kg)、条虫駆虫薬プラジクアンテル85.75mg/ml(5.4-9.8mg/kg)が含有され、グリセリン類似物質に溶解している皮膚滴下剤です。犬猫回虫、犬猫鉤虫、瓜実条虫、猫条虫、多包条虫をほとんど同時に駆除可能です。7週齢、500g以上の犬猫から使用可能です。とくに猫は経口投与が大変な場合もあり重宝な薬剤です。瓜実条虫の駆虫量でプラジクアンテルが製されており、マンソン裂頭条虫などの駆除にはエモデプシド量がオーバードーズになり使用は薦められません。

 プロファンダー®スポット 背中にたらすのみです。猫回虫の駆虫も同時可能です。

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■プラジクアンテル含有の経口剤 
 商品名 ドロンタール®プラス 駆虫薬3種類の犬用合剤で2週齢から使用可能です。
1回の投与で線虫類および条虫類を効果的に駆除できる幅広い効能を発揮します。
犬回虫、犬鉤虫→パモ酸ピランテル
犬鞭虫→パモ酸ピランテル・フェバンテールの相乗作用
瓜実条虫→プラジクアンテル
の駆除を行います。
1回の投与で線虫類および条虫類を効果的に駆除できる幅広い効能を発揮します。------------------------------------------------------------------
■プラジクアンテル含有の経口剤 
 商品名 ドロンタール® 駆虫薬2種類の猫用合剤で
で4週齢から使用可能です
猫回虫、猫鉤虫→パモ酸ピランテル
瓜実条虫→プラジクアンテル

 猫回虫は産卵前の未成熟な寄生虫に対しても高い駆除効果がありますマンソン裂頭条虫壺型吸虫の駆除にはパモ酸ピランテル量がオーバードーズになり使用は薦められません。


 ドロンタール®

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■プラジクアンテル含有の経口剤 
 
商品名 ドロンシット®犬猫用、ビルトリシド®ヒト用 
 ドロンシット®は瓜実条虫感染の場合は便利な薬剤ですが、マンソン裂頭条虫、壺型吸虫駆虫には猫の例で3錠も飲ます必要があり、利便性の良い薬剤とは言えません。ヒトで使用されている条虫・吸虫の駆除剤は動物用より力価が高いことが特徴です。しかし動物では錠剤・粉薬は投薬に抵抗して涎をだして、飲ませにくい場合があります。またビルドリシド®はなるべく粉砕しないで使用することがお薦めです。


 
ビルドリシド®


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投稿者: オダガワ動物病院