小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.05.03更新

おdogボーダーコリーの疥癬症


 1
5ケ月の雄のコリーが腹部の紅斑、また痒みを主訴に来院しました。

11週間、抗生剤の投与をしたところ、紅斑はなくなりました。しかし痒みはあるそうです。


 

1
オーナー言うに、犬を飼ってから、痒みが多くなり、オーナーの手にも紅斑が診られました。

1

1
左右の耳の先に痂皮が診られました。

1

1
また左右、踵にも紅斑がみられました。


1そこで耳の痂皮の部分を掻爬検査すると、疥癬(黒矢印)がみつかりました。

 疥癬とはイヌセンコウヒゼンダニ  (Sarcoptes scabiei var. canis)が犬の皮膚角質層に寄生して、激しいかゆみを引き起こす疾患です。感染犬との接触感染でおきます。感染力が強く、非季節性でおきます。本症例もオーナーに激しい痒みがみられたように、人獣共通伝染病の皮膚疾患です。犬では左右対称に皮膚病変は出る特徴があります。

 疥癬はイベルメクチンの中用量の注射で治りますが、問題はこの症例の犬種がボーダー・コリーな点です。ボーダー・コリーは遺伝子{マルチ・ドラッグ・レジステンス・トランスポーター(MDR-1Trensporter)}が常染色体の劣性遺伝でおきる可能性がある犬種です。この遺伝子(MDR-1Trensporter)が陽性になると、治療薬イベルメクチンの中用量で中毒がおきる場合があります。MDR-1Trensporterは血液から検査も可能ですが、費用が加算します。

 そこで、この症例はMDR-1Trensporterr陽性のボーダー・コリーにも疥癬の治療量で安全に使用できるセラメクチンを使用しました。日本では効能外使用になりますが、アメリカでは認可がある使用法です。

 本症例はセラメクチンの使用で5日ほどで痒みもなくなり、その後良好に推移しています。疥癬の卵に効果ある薬剤はないので、月1回で最低3回の投薬を推奨しました。


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.03更新

おtiger猫の耳ダニ症




 ミミダニの症状は耳をやたら掻き、耳から真黒な耳垢が多く診られ来院します。猫の外耳に大きさ0.5mm位のミミダニが寄生して起こる疾患で、耳道の表皮に寄生して、耳垢・耳分泌液を餌にして生活しています。最近はペットショップが衛生的になったので診ることが珍しい病気です。ヒトの皮膚にも感染するケースがあり注意が必要です。

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●症状・生活史


 耳ダニ感染時の耳垢
 

外耳道に黒褐色の悪臭のある耳垢多くでます。
猫は痒みのためにしきりに耳をかいたり、頭をふったりします。
また外耳に傷をおって来院するケースもあります。
 耳を異常に痒がるときは早く動物病院へいってください。
 
 耳ダニは、外耳に卵を産み付けて増えていきます。
卵がふ化すると、幼ダニ、若ダニの時期をへて、3週間ほどで、成ダニとなります。
 
 耳ダニが寄生している猫と接触することで感染が成立します。
 
 人の耳には感染しませんが、人の皮膚には感染しますが、人の皮膚では長期は生存は不可能です。ミミダニが寄生している猫と接触したら、よく洗うことで、ある程度感染予防は可能と考えられています。

 

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●診断


 耳垢の顕微鏡所見(ミミダニが二匹います。)
 

外耳道の耳垢を顕微鏡でみて診断します。大きさ0.5mm位なのでご家庭でも虫眼鏡で外耳を観察すると、歩きまわっているミミダニを診ることも可能です。

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●治療 

 レボリューショウン(耳ダニ・ノミ・猫回虫・猫フィラリアに認可があります。) 


 以前は抗ダニ剤を点耳してましたが、現在はレボリューション®を皮膚にたらすことで治療は可能です。レボリューション®は血行を介して、耳にも薬剤が分布して効能をしめし3-4日でよくなります。

レボリューションの説明書



dire他の動物のミミダニは
rabbitright arrowウサギの耳ダニ
snakeright arrowフェレットの耳ダニ

 


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.02更新


おdogtigersnake瓜実条虫(Dipylidium caninum) について


  ヒトで瓜実顔とは、瓜の種のように、色白でやや面長な顔のことをさします。
瓜実条虫の名前の由来は、このいいなづけに始まります。
 この条虫は老化すると、面長な片節を糞便と共に排泄します。camera写真2,3,4参照)
これがヒトの瓜実顔と類似していることから、瓜実条虫の名前がつきました。

 dog犬、tiger猫、snakeフェレットに感染報告がありますが、本院の症例は猫がほとんどです。
発育するために中間宿主としてノミの関与が必要です。
最近はright arrowノミ駆除剤がよくなったので診ることは少なくなりました。

 しかし症例数は少ないですが、人畜共通の寄生虫なので注意は必要です。



あ 
camera写真1)瓜実条虫の全体像、目黒寄生虫博物館 

 瓜実条虫は円葉条虫類に属し、成虫は小腸内では腸管内で50cm位になり、小さな頭節と多くの片節になって寄生します。(写真1)
 頭節は 頭頂に伸宿自在な吻があり、それに鉤を備えています。頭節は4つの吸盤があり、これらで宿種の腸管にとりついています。
 片節は2-3mmで、1つひとつ続いてできます。後端が成熟片節です。camera写真2,3,4参照)
片節に雄と雌の生殖器があり雌雄同体です。ひとつの片節内でも交尾が可能ですが、他の片節とも交尾が可能です。寿命は栄養状態などで異なりますが約1年です。

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あcamera写真2)肛門付近に瓜実条虫の片節が診られたケース
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お 
camera写真3)瓜実条虫、片節 250-1000μm)
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acamera写真4)時間たつとこのように米粒みたいに乾燥します。
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う 
camera写真5)円葉条虫類の模式図
(外部・内部寄生虫の駆虫薬
 鈴木 透、CAP No294 2013 12より)

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acamera写真6)この瓜実条虫を押捺します。

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acamera写真7)押捺した標本の顕微鏡の400倍所見です。

卵嚢が沢山見られます。卵嚢の崩壊で虫卵は外界にでます。この写真では確認できませんが、卵殻内に6本の鉤をもつ幼虫(六鉤幼虫)とそれを取り囲む幼虫被膜がみられます。

 

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 ■瓜実条虫の診断

  円葉条虫類は産卵孔がなく、(camera写真5)虫卵は便に産出されることは殆どなく、片節内に虫卵が溜まることが特徴です。(例外を除く)
組織内の代謝活性が低下すると、ひとつひとつの片節がちぎれて便と共に排泄されます。虫卵が溜まった状態で片節で外界に排泄されます。(camera写真2,3,4)
  そのため診断はこの成熟した片節の発見でおこないます。顕微鏡を使用した検便よりも視診で発見できる寄生虫です。ただし瓜実条虫の来院はあくまでオーナーの視診に委ねていることが多く、また罹患した動物は臨床症状も少ないため、感染率は過小評価になっていると予想されています。実際、生前の検便・視診では発見されてない個体を病理解剖した報告ですと、意外に多く瓜実条虫は発見されています。 

 『しらすのような虫が便についてきた』 『米粒のような虫が糞について驚いた。』『「さっきまで白い虫が動いていて気味悪かった。』という稟告で来院します。
片節は肛門の回りに付くこともあります(camera写真2)。縦長で排泄間近の時は動きますが時間の経過とともに米粒のように乾いてきます。(camera写真4)
片節が消化管内で壊れる場合もあり、検便で卵嚢(camera写真7)の検出により、診断可能な場合も希にあります。

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camera写真8) 猫ノミ
 

 すべてのネコノミに瓜実条虫が感染している訳ではなく、調査よればニュージランドではノミ1578匹に0匹ですが、フロリダではノミ403匹に4匹、オーストラリアではネコノミ4281匹78匹、イヌノミ1092匹34匹に瓜実条虫の擬嚢尾虫が存在している報告があります。

 生活史に戻ります。right arrowノミが中間宿主です。外界で露出した卵嚢(camera写真7)はノミの幼虫(1-3令)に捕食され、ノミ腸内で六鉤幼虫が離脱します。ノミの羽化後10日で尾部をもつ擬嚢尾虫(シスチセルコイド)に成長します。感染後1ヶ月で尾部もなくなり成熟した擬嚢尾虫になり、その後ノミの腹腔内に移動します。するとright arrowノミの 動作が鈍くなり、犬猫(終宿主)が皮膚をグルーミング時に摂取しやすくなり経口感染します。10日ほどで寄生したペットから片節が糞便に診られます。

 ■瓜実条虫の人への感染は希にあります。
 多くの感染例はありませんが、瓜実条虫は人畜共通の寄生虫疾患です。ヒトへの感染様式はノミを偶発的に誤食することでおきます。そのため飼育しているペットは、毎年、right arrowノミを含めた積極的な定期駆虫が理想です。
 ヒトは犬猫と異なり、終宿種ではないので、居心地はよくありません。消化管には感染はなく、体内移行して、希に眼、脳に感染し大変なことになる場合もあります。ヒトへの感染の疑いのある場合は、寄生虫に詳しい医師の診察をお薦めします。(日本医師会のホームページなどで探されるのが良いと思います。)

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■治療
 
 治療は中間宿主のノミの駆除と、瓜実条虫の駆虫剤right arrowプラジクアンテの2剤併用が原則です。
プリパテントピリオドは3週間ですが、中間宿主のright arrowノミ駆虫ができなと瓜実条虫は約16-21日で再寄生する可能性があります。

 あcamera写真7 プラジクアンテル含有製剤

 条虫駆虫剤right arrowプラジクアンテルはプロフェンダー®スポット・ドロンタール®・ドロンタール®プラス・ドロンシット®をなど様々な剤型があり、皮下投与、経口、皮膚滴下すべての投与法で同一の駆除が可能です。猫条虫もこの瓜実条虫と同じプラジクアンテル投与量で駆除は可能です。 
right arrowプラジクアンテルの作用機序は条虫は消化管がなく、その代わりに片節の外皮の表面に多数の突起があり、この突起(外皮に作用)より薬剤が侵入して、外皮を空洞化して条虫の虫体を破壊します。

あcamera写真8 ノミの駆除剤

セラメクチン、フィプロニール、イミダグロプリドは皮膚滴下、
スピノシド、アフォキソラネルは経口剤です。

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 ■ノミ駆除と瓜実条虫駆虫が2剤とも滴下剤を使用したいが?

あcamera写真9)right arrowプラジクアンテル(写真右)含有のプロフェンダーとマイフリーガード(成分名フィプロニール)、ともに皮下滴下剤

dire効能外使用になりますが
①本院では、プロフェンダースポット®(写真右)皮膚滴下して、2cmあけて、マイフリーガード®(フィプロニール製剤、写真左)の皮膚滴下を指示しています。
同一メーカーの製品は2-3cmあけて同時に皮膚にたらして併用は可能なことは実験済みなので、プロフェンダースポット®(瓜実条虫駆虫)とアドバンテージプラス®(ノミ駆除)2剤を選択する場合もあります。
 camera写真9の組合わせは別メーカーなので、実験はしてませんが、両薬剤を経口した場合のデーターから考慮して、使用は可能であると推測されてます。
本院ではこれまで副作用は経験はしてません。

②滴下する日を1日ずらし滴下場所を変えておこなって使用する方法を薦めている動物病院もあります。

③滴下剤の併用に抵抗がある場合は経口ノミ駆除剤のスピノシドを使用して、right arrowプラジクアンテルを皮膚に滴下してもらっています。

 


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.02更新

オダガワtiger仔猫のハジラミ感染(Felicola subrostratus)


ネコシラミ1
推定2ヶ月の仔猫を保護したところ、皮膚から『白い粉』がでていることで
地元川崎市多摩区から来院しました。

猫ツメダニ2
『白い粉』を顕微鏡(×100倍)で診るとハジラミ(若虫)が観察されます。

フロント
駆虫はフィプロニール製剤を使用しました。
フロントライン®のスプレー製剤(写真左)は生後1日目から、
滴下剤(写真右)は生後8週令から。
ハジラミに使用可能です。
right arrow一般的にハジラミの駆除はノミ製剤で対応可能です。

う
別の症例(中原区から来院)ですが、ハジラミ(成虫)はこのような形態です。

 このネコハシラミは『寄生特異性』が強く、ネコ以外にはうつりません。(同然ヒトにもうつりません。)
ハシラミは皮膚のフケ、分泌物などを食べて生活しています。毛に卵を産み、孵化して、若虫になり数回脱皮して成虫になります、一生を同じ猫で過ごし、卵から成虫まで30日間の期間です。

 ハジラミは直接皮膚を吸血することはありませんが、時に皮膚を噛み、血液を採取する場合はあります。非活動的で、シラミ目より刺激性があります。多数寄生すれば皮毛が咬まれ脱毛し、痒みを生じて、湿疹、化膿病変の原因になる場合もあります。冬季に発生が多い特徴があります。


 
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2018.05.02更新

おtiger仔猫の疥癬


 推定、生後5-6週齢の雄猫を保護し、自宅で飼育を希望したいため診察を依頼されました。(体重840g)体温、聴診は正常ですが、両目が結膜炎状態で、またクシャミも診られ所謂 猫カゼ(猫ヘルペス感染)に罹患しました。検便は陰性で、皮膚を診ているとノミが発見されました。本院付近で、保護された仔猫はこの猫カゼ、消化管寄生虫、ノミはよく診られます。
またこの猫はよくみると耳介に左右対称に痂皮が診られました。そこで皮膚を精査すると疥癬が発見されました。猫の疥癬の正式名称は猫小穿孔ヒゼンダニの感染になります。

a(写真1)この仔猫はよくみると、耳介の先に痂皮(黒矢印)が診られ、よく掻くそうです。

a (写真2)耳介の皮膚を調べると、疥癬(黒矢印)が診られました。(100倍)

あ(写真3)拡大すると疥癬はこんな様子です。(400倍)

 そこで治療ですが、ノミ、疥癬に効果あり、幼猫で使用可能な薬剤として、セラメクチンの皮膚滴下療法をおこないました。
この薬剤はノミへの効能は認可ありますが、疥癬は効能外使用になりますが効果あります。
使用の決め手は生後6週齢から使用の認可を得ている点です。
 疥癬によく使用されるイベルメクチンの中用量投与はこの時期、脳脊髄門が未完成で副作用が出る可能性があるため、この薬剤は助かります。ノミ、疥癬はヒトへも感染しますので注意が必要です。

 

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dogright arrow犬疥癬はヒトに接触感染します
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2018.05.02更新

お
tiger猫の疥癬症 (sarcoptic mange


  
皮膚掻爬検査で疥癬が発見されました。


 猫を保護したので診療を依頼されました。疥癬症はヒゼンダニというダニの寄生により、ネコに激しい痒みを引き起こす病気です。体を強く引っかくので、皮膚が傷つき、化膿や出血を起こすことも生じる場合もあります。皮膚がやたら厚く、肘、前胸部、腹部、膝下、尾のつけね顔、耳の周りなどに痂皮・鱗屑が診られます。

 この症例は駆虫剤を注射して2週間後の来院を指示しました。複数飼育している方はこのようなネコを保護すると、飼育しているネコにすべてに感染します。またこの疾患は人畜共通の疾患です。ネコの疥癬はヒトの皮膚では卵は産めませんが、感染すると激しい痒みを生じます。

 上記の写真のようなネコは早く動物病院へつれってください。早期ならほとんど駆虫剤で治ります。ただし濃厚感染ではは死亡例もあります。

 


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2018.05.02更新

お 
猫の耳ダニ症、セカンドオピニオンのケース

 耳の痒みが止まらないことを主訴に6ヶ月の雄猫(マンチカン)が来院しました。
 前の動物病院で耳ダニと診断されてました。皮膚滴下剤(商品不明)と複合点耳薬・耳掃除消毒液を処方され、耳掃除を毎日指導されたそうです。
 治療費がやたら高額で、耳の痒みが止まらず、意味のないものまで多く購入されたとオーナーが感じ、セカンドオピニオンを求めてきた症例です。

み

み2

 camera初診時の左右耳の様子です。
 犬猫では、耳ダニがいると、黒い耳垢がたくさんでてきて、やたら痒がります。
 診断は耳垢を顕微鏡で診ておこないます。
 
だ camera耳垢を検査したところ写真のような耳ダニ成虫が沢山でてきました。
 
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■耳ダニ治療薬
ふ
cameraレボリューション®
  治療は犬猫の耳ダニに認可のあるレボリューション®を皮膚に滴下しました。皮膚より血中に入り耳ダニは治ります。耳ダニの治療をしていると『点耳薬も処方してもらいたい』とオ-ナーから質問を受けますが、二次感染・炎症がない場合に併用する必要性はありません。この疾患もレボリューション®のみの使用でよくなりました。
 ただしレボリューション®(他剤も同様ですが)は成虫には効果ありますが、卵には効果ないため、月1回で最低2回、本院では念のため1回加えて、合計3回の滴下を薦めています。治療しないで放置すると、内耳まで侵されて平衡感覚の異常などおきます。そこから治療を始めても完治はしません。必ず早期に診断して治療をしてください。 
 また同居の猫にも感染する可能性が高い疾患です。このオーナーが飼育している3匹の猫はすべて耳ダニ陽性で、全部にレボリューション®を滴下してもらいました。ヒトにも感染しますが、ヒトの皮膚などでは増殖できないため、かゆみは重症化はしません。
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■動物耳科における、複合点耳薬・耳掃除消毒液の使用について
ド
camera複合点耳薬
■複合点耳薬 
 動物用複合点耳薬は主に抗菌剤、ステロイド剤、抗真菌剤3種が含まれています。二次感染や炎症が強い場合は併用することもあります。ただし必要がない場合に使用すると、その場は治療したような自己満足は得られますが、抗菌剤の耐性を増したり、耳の環境が悪くなります。そのため使用する場合は診断と期間が大切です。

■耳掃除・消毒液
 耳掃除は耳の汚れがひどい場合は必要です。しかし毎日おこなうことではありません。
 絶対禁忌なことは毎日綿棒で耳掃除をすることです。耳が炎症を起こすのみです。ヒトでも毎日綿棒を耳内に入れる方はいないとおもいます。毎日動物の耳掃除をして自己満足のオーナーをどきどき診ます。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.02更新

あdog犬のニキビダニ症(Demodex canis


犬のニキビダニ症は他に毛包虫・アカルス症・デモデックスなどいろいろ名称がある疾患です。
呼び名は一定してませんが、正式名称はニキビダニ症になります。

人では
 ニキビダニは基本的に深刻な害を及ぼすことはないことは殆どありません。ストレス、ホルモンの分泌異常で顔の皮膚が荒れることはありますが、普通の石鹸で清潔していることで予防、治療は可能な場合が多く、特に薬剤が必要なことは殆どないみたいです。(なお詳細はヒトの皮膚科医に聞いてください)
 
犬では
 ニキビダニは人同様、犬の毛穴に寄生して棲みついています。正常な犬にもいる場合があります。免疫の異常が主因で軽度~重度の皮膚病をおこします。

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■ニキビダニ症の犬の予後は年齢でかわります。
1才未満の場合
 生まれたての仔犬がニキビダニが感染している母犬の体に寄り添い、母乳を吸う時など濃密な接触が必要です。このような時に仔犬の毛穴にニキビダニが感染します。
 感染がおきたあと免疫が完成されてない1才未満仔犬ではストレスがあると発症すると言はれていますが、ニキビダニがいても全く症状をださないこともあります。
 また多少のニキビダニは元々どんな犬の毛穴にいるという意見もあり、詳細なメカニズムは不明です。
1才未満の場合は免疫が未熟でおこるので、薬用シャンプーで比較的予後は良く治ることが多いです。人のクレアラシルのように毛穴に浸透の良いシャンプーがお勧めです。
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■ しかし犬で1才位を超えた成犬、特に老齢期の犬では体力や免疫力の低下でおきます。
 またリンパ腫などの腫瘍性疾患、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症などの基礎疾患を患っている場合は免疫力の低下がおき発症する傾向があります。しかし臨床の現場では基礎疾患の原因が追及できない場合の方が多いです。
 皮膚のブドウ球菌が二次感染を起こすと化膿をおこし悪化要因になります。
 成犬で発症した場合、完治は出来ない場合も多くいます。また1-3ヶ月に1回は薬剤を投与して、コントロールできる犬もいます。本院の経験では1才以上(成犬)の場合7割位が維持治療が必要のように感じています。--------------------------------------------------------------
●症例 

あ

あ
  2才の雑種雄です。眼、口唇の周り、前足などが特に感染しやすすい部位です。
  この症例は内股から皮膚全体に紅斑が診られました。

ニキビダニはストレス始め、何らかの要因で異常繁殖し、毛根がダメージを受けて脱毛します。酷くなると本症例のように顔から頭や首へ、前足から肩や胴へと広がっていくこともあります。

 あニキビダニ

皮膚検査でニキビダニが発見されました。ニキビダニの体長は0.2~0.3mmほどです。
ニキビダニの毛穴にいるので、皮膚検査は血がでるくらい深く診る必要があります。

 またニキビダニの犬は去勢・避妊をして、このような体質を後世に残さないことも大切です。

 この症例は2週間に1回のデクトマックスの注射で、合計6回投与でよくなりました。しかしデクトマックスをやめると再発してしまいました。
 そこで維持治療を3ヶ月1回で合計2回実施しました。維持治療後も病変はよくなりました。
今後、維持療法の必要性を説明しましたが、理解は得られなくその後経過は不明です。

 最近はフルナナレルなどの投与が良い報告もあります。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.01更新

オダガワ
tiger仔猫の健康診断❶
(内部寄生虫、外部寄生虫、フィラリア予防について)

 
あ
tiger近所で保護した猫を飼いたいので健康診断にみえました。
 
 仔猫が必要な検査、注意点を記します。
この項は内部寄生虫、外部寄生虫、フィラリア予防のことを記します。

tigerネコの検便(消化管寄生虫) 

あtigerright arrow検便で猫で診られる主な消化管寄生虫、原虫

tigerup arrow仔猫の健康診断に戻る

 ---------------------------------------------------------------------
tigerネコの外部寄生虫


tigerright arrow猫のノミ

あtigerright arrow仔猫の疥癬(Sarcopte scabiei

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 -------------------------------------------------------------------
 
tigerネコのフィラリア予防

フ

tigerright arrowネコのフィラリア予防の詳細は
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【break time】

a
flower百合 (ハイブリッド イエローウィン)ところざわゆり園

 参考 百合は美しい花ですが猫では中毒物質です。
腎臓毒性があり致死率の高い状態になります。
猫を飼育してる方は自宅に持ち込まないことが一番の対策です。
やもない事情のある方は百合を食べられないように、家中、お庭などをチェックして下さい。
(ヒトでは百合根の天ぷら料理があります。)


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

あrabbitウサギの東洋眼虫


あ

眼に虫が診られる稟告で来院した4歳のウサギです。眼に虫が診られ、採ろうとすると、結膜に入ってしまうので来院しました。

あ

 点眼麻酔をしてどうにに1匹捕まえることができました。この症例は体長は約5mmです。顕微鏡所見で拡大して東洋眼虫と診断しました。犬ではときどきある症例ですが、当院ではウサギは初めてです。

 東洋眼虫は線虫に属し、ショウジョウバエによって媒介されます。ショウジョウバエは暖かい気候を好む関係で、九州に多いと記載されています。このウサギも最初の1年は鹿児島にいたそうです。しかし最近は温暖化の関係で、関東地方でもときどき発生しています。この前も茨城の先生と話していたらこの東洋眼虫をみつけたことをいっていました。

 結膜の奥の方や、瞬膜の裏側などに移動しなはら寄生します。摘出方法は点眼麻酔で虫を弱らせて、摘出するか、また必要に応じて全身麻酔でおこなうこともあります。この症例も1匹んみでいなくなってくれればいいんですが。

 予防はショウジョウバエとの接触をさけることが一番良いですが、なかなか大変です。ウサギは室内飼育が殆どなので、香取線香、ベーブマットなどでハエのいない環境をつくることが大切ではと考えています。

しかし報告の少ない症例なので、ウサギ側にも罹患しやすい条件があるのかもしれません。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

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