小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2022.07.10更新

 

あ rabbitウサギの蟯虫 再来院例(Passalurus ambiguus 


padご注意

このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、

インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。

当院での診察希望の方はペットをつれて診療時間内に来院ください。


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(写真1)

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(写真2)
2歳のウサギの便から白い虫が見られたことで来院しました。(写真1、2)

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(写真3)顕微鏡で拡大するとこんな様子です。

 以上の所見よりウサギの蟯虫と診断しました。

 ウサギの蟯虫はオスが4-5mm位、メスが8-10mmほどの小さな虫で盲腸と結腸に寄生します。
肛門の周りや便に付着した状態で発見され、写真1.2のように肉眼でも見ることができます。夕方から夜に排泄されることが多いです。
ウサギと蟯虫は、片利共生という関係にあります。蟯虫感染で蟯虫は寄生できるのプラスだが、ウサギには下痢など臨床症状はなく、マイナスなことはない間柄を示します。ただし例外はあり蟯虫がいることで腸内細菌が変化して下痢、体重減少などの症状をしめすこともあるそうです。

 治療は犬猫の回虫駆虫剤で駆虫できます。注意点としてウサギは食糞があること、また蟯虫の生活史が複雑なため駆虫しても、時間が経って再度虫体が見られることがあります。


●7ケ月後の来院

あ
(写真4)再度ウサギの便に白い虫が見られました。(赤矢印)

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(写真5)顕微鏡で拡大すると(写真3)と同じ虫体で、ウサギの蟯虫と診断しました。

再度犬猫の回虫駆虫剤をおこないました。


この3ケ月後にもウサギの蟯虫が見られたため

このウサギは蟯虫が見られたら、犬猫の回虫駆虫剤を滴下してもらっています。


 bookリンク

chick鳥類の検便 

dog犬の消化管寄生虫

tiger猫の寄生虫・原虫

rabbit ウサギの蟯虫について

mouseハムスターの検便

rabbitウサギの消化管寄生虫


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.03.19更新

あ rabbitウサギ、前胸部の皮膚病


 

あ

5歳の雄ウサギの前胸部が皮膚病になり来院しました。
皮膚検査ではノミ、ツメダニ、真菌陰性でした。

オーナーに聞くとしきりに舐めているそうです。


 ■1週間後の来院

あ

1週間痒み止めを使用したところ、だいぶよくなりました。

個人的にはこの皮膚病は精神的なこともあると考えています。痒み止めをやめると2-3ケ月で再発します。
その点が問題点です。

 

bookリンク、

 


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.02.13更新

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mouseウサギの避妊手術、うっ血が見られた子宮


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(写真)避妊手術でうっ血が見られた子宮

 3歳、ウサギ、ドアーフ種の避妊手術をしました。
切除した卵巣は正常でしたが、子宮は肉眼でうっ血が診られました。(写真)
子宮腺癌の発生で子宮の腫大、出血が診られることがあります。
以前同様な肉眼所見があったウサギで子宮内膜過形成(前腫瘍状態)と診断された症例があったため
オーナーと相談して病理診断まで行いました。
このウサギは非腫瘍性病変のみと結果を頂きよかったです。

rabbit病理診断
 本症例の子宮は内膜層のうっ血が散在され、軽度な内膜の増生と筋層の肥厚が観察され腫瘍性の変化はないそうです。卵巣も異常ありませんでした。


  子宮腺癌はウサギの種特異性がありダッチ、レッキス、シルバー、フレンチロップイヤーは4歳以上では50-80%に発生する報告もあります。
一般の方がこのようなブログを読むとみんな子宮腺癌にかかってしまうと勘違いしている方をよく見ます。
しかし当院でウサギの診療をしているとそんなに多くは感じていません。
また子宮腺癌は一定の大きさになれば、触診、レントゲン、尿検査から発見することも可能です。

  ウサギの避妊手術で注意する点は術後、食欲不振になることです。強制給餌ができないアグレッシブなウサギには進めていません。
また麻酔も個体差が広くイヌネコほど安定しない点が欠点です。
 今回の症例は食欲不振はなく順調に回復したので助かりました。


 ■bookリンク、避妊手術・去勢手術

dogright arrow犬の避妊手術(雌)
dogright arrow犬の去勢手術(雄)

tigerright arrow猫の避妊手術(雌)
tigerright arrow猫の去勢手術(雄)

rabbitright arrowウサギの避妊手術(雌)
rabbitright arrowウサギの去勢手術(雄)

boarright arrowモルモットの去勢手術(雄)


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.01.29更新

あ

rabbitウサギの皮膚疥癬疑い


 セカンドオピニオンの来院です。
6ケ月のウサギの四肢の皮膚病が治らないことで来院しました。
四肢の先を異常に痒がります。足の先には四肢とも痂皮、鱗屑が診られます。(写真1,2)
またウサギがやってきてから、家族が痒がるとのことでした。
耳介には病変はありませんでした。
皮膚スクレーピング検査をしようとしましたが、ウサギが協力的でなくうまくできません。
そこで過去の経験から疥癬を疑い、疥癬治療薬でトライアル治療しました。

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写真1、前肢

あ
写真2 後肢


 rabbit1週間後の来院

 予定では3週間後の来院になっていましたが、1週間後に再来院しました。
痒みも止まり、皮膚もよくなってきたそうです。(写真3、4)
オーナーさんの家族の痒みもこころなしかよくなったそうです。

 他に3羽ウサギを飼育しているので、その分の薬剤を処方しました。
疥癬の生活史を考慮して3-4週間間隔で2回は投薬するように指導しました。

あ
写真3、前肢

あ
写真4、後肢

  これまで何十羽かウサギの疥癬を診てますが、痒みがひどく、四肢。耳介に病変がでることが殆どでした。この症例はかゆみはありましたが、四肢のみ病変が診られました。
本来ならば、皮膚スクレーピング検査で疥癬を発見することが最良ですが、ナイーブなウサギは大暴れしますので事故の心配もあります。
そのため今回のようなトライアル治療も必要な場合もあります。

 bookリンク、他の動物の疥癬

dog犬疥癬はヒトに接触感染します。
tiger仔猫の疥癬
rabbitウサギの疥癬症
boarモルモツトの疥癬症
chickセキセイインコの疥癬症


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.01.22更新

あ rabbitウサギの精巣腫瘍


 ウサギの精巣腫瘍は5歳位のウサギからときどき見られ、精巣の片方また両方が大きく腫れます。  
腫瘍の種類として、精上皮腫(セミノーマ)、間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)、セルトリ細胞腫の3つがあります。


 あ
(写真1)

 この症例は7歳以上(途中から飼育したため年齢不詳)で、右の精巣がここひと月でおおきくなり(写真1)、精巣を床に擦って歩くことで来院しました。
オーナーは切除手術希望ですが高齢のため麻酔で死亡するリスクはあります。
最初に細胞診をおこないました。これですべてわかる訳ではありませんが、悪性、良生を含めて治療の方向性を専門家に聞きてみました。

 

あ
(写真2)

 細胞診(写真2)では血液成分が豊富で、細胞形態から間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)が疑われました。
ウサギの精巣腫瘍3つの中では一番多く見られ、良性の場合が殆どで転移は少ないとされています。男性ホルモン(アンドロジェン)を分泌する細胞でです。
しかしこの症例のように精巣を床に擦って歩くと精巣の自壊も心配です。自壊が進むとそこからばい菌が入り化膿することもあります。

 手術にすすむなら血液・生化学検査、レントゲンなど追加検査も必要になりますが、年齢のこともあり手術するしないは難しい判断になります。


参考資料

正常なウサギの精巣はこんな様子です。

あ


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2021.11.26更新

あ rabbitウサギの眼に白いもの


 

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(写真1)7歳のネザーランドドワーフです。
ウサギの眼に白いものがあることで来院しました。(矢印)

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(写真2)白い涙の細胞診 好中球多数診られました。
分かりやすく言えば『膿』です。

眼科検査では
STT-1 10mm
フルオル試験 陰性で傷はないが涙管の部分の涙は染まる。
白い涙の細胞診 好中球多数診られる。(写真2)
涙管洗浄を試みましたが、結膜の炎症ひどく涙管は発見されませんでした。


以上の見解から、臼歯による涙管の圧迫による涙管炎(膿)と診断しました。
なぜか4日前に受診した動物病院ではステロイド点眼が処方されてましたので
中止するよう指示しました。
当院では抗生剤とヒアレインの点眼と経口の抗生剤で
経過を診てもらうことにしました。

ウサギの膿はイヌネコと異なりチーズ様になります。
また治りが悪いことが特徴です。


 

あ

別の症例です、このような場合もあります。 




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投稿者: オダガワ動物病院

2021.11.16更新

あ rabbitウサギとチョコレート 


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ウサギが食べたチョコボールと正常の大きさのチョコボール(写真1)

  1歳のウサギがケージ近くにおいといた、チョコボールを半分食べたことで来院しました。(写真1)
ウサギは元気で身体検査でも異常はありませんでした。
イヌではチョコレートに含まれるテオブロミンが中毒を起こすことが有名です。
嘔吐、下痢、興奮、頻脈、痙攣、不整脈などの症状が見られ多くの量を食べると命を落とすこともあります。

 ウサギでも同様のことがおこると考えられています。しかしテオブロミンのウサギでの致死量はわかりませんでした。
参考までにイヌでの致死量を調べると、およそ100〜200mg/kgなどの記載がありますが個体差は激しいとされています。

  この症例のチョコボールのメーカーに問合わせたところ1粒に6mgのテオブロミンが含まれています。約半分食べたので推定3mgのテオブロミンを食べたことになります。
イヌの致死量から推定して少量です。
テオブロミンの中和剤はありません。またウサギは殆ど嘔吐できないので吐かせる薬剤の投与も薦められません。
この症例はメトクロプラミド、活性炭の投与で経過を診ました。その後連絡ないのでよくなったと推定しています。
まずはウサギの行動範囲にこのようなものを置かないことが賢明です。

 私の臨床経験ではウサギにケージ近くのものを食べられたケースを列記するとタオル、新聞紙、壁紙、またオーナーの常備薬のロキソニンを誤食したことがありました。
ウサギは好奇心が旺盛です。十分注意して飼育してください。

bookリンク、ウサギ特有の疾患、強制給餌について

rabbit低血糖のうさぎ
rabbitウサギ・モルモット・ハムスターの強制給餌について
rabbit電気コードを齧って感電したウサギ 
rabbitウサギにシャンプーをしたところ容態が急変した症例について 
rabbitウサギの梅毒疑い
 




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投稿者: オダガワ動物病院

2021.07.30更新


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 rabbitイエダニ(学名: Ornithonyssus bacoti )感染のウサギ


ご注意

このホームページに記載されている疾患の予後、
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あ
9歳の雌で斜頸しているウサギです。
背中に黒いものがついていることで来院しました。(写真1)


 

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 拡大すると『黒いもの』が濃厚感染診してました。(写真2)

 写真ではわかりずらいですが皮膚に『黒いもの』が濃厚感染してました。(写真2)
 オーナーは自身にも激しい痒みがあるため、ノミ感染を疑っていました。『黒いもの』はノミ感染によくみられる皮膚所見ですが、この症例の『黒いもの』は動く様子がありません。またウサギのノミ感染はイヌノミ、ネコノミが殆どて、種特異な感染でないため、濃厚感染は見られない点が特徴です。 またこのオーナーはイヌ、ネコは飼育していませんし、家族の方がイヌ、ネコを飼育しているお宅に遊びにいくこともありませんでした。


 

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セロハンテープで『黒いもの』を顕微鏡で見ると、イエダニが疑われました。(写真3)


 

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オーナーの手足には刺されたあとが沢山あり激しい痒みがありました。(写真4)

  イエダニはネズミに感染するダニで、ヒトにも頻繁に被害を与えることが報告されています。ネズミに近いハムスターでの報告はよくあります。ウサギにも感染します。。

 動物飼育室でイエダニが発生したケースによると、同居していたげっ歯類とウサギが被害を受け、この動物飼育室の関係者は強烈なかゆみを伴い大変な経験をされたそうです。

 治療はバルサン®、ダニアース®などを頻回燻蒸し、またウサギが使用している小屋、物などを熱湯消毒してもらいました。

 ウサギにはレボリューション®を皮膚にたらしました。(効果は疑問)

 以上の処置をしたところ、2週後、外見では『黒いもの』は見られなくなり、オーナーさんの痒みも止まり良好になりました。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2020.09.01更新

あ rabbitウサギの偽妊娠


 

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一羽飼いの3才の雌ウサギです。乳腺が腫脹したことで来院しました。

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乳腺から乳汁を出しました。

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細胞診では特に炎症細胞、赤血球は検出されませんでした。

 

 ウサギの偽妊娠は交尾後におこるとされていますが、雌が複数飼育している場合、他のウサギにマウントされたりすることでおきます。巣作り行動などもみられることもあります。この症例は1羽飼育でもおきました。偽妊娠なら15-17日位で消出しますが、乳腺が腫脹が長期になり、乳汁が血様なときは子宮の所見と合わせて嚢胞性乳腺炎も疑います。この場合は子宮卵巣全摘出が必要です。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2020.08.11更新

あ rabbit8歳のウサギのくしゃみ


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 8歳の雄ウサギがくしゃみが止まらず来院しました。
他院で抗生剤を経口投与、点眼されてましたが、治らず当院に来院しました。
このウサギはアグレッシブで自宅では点鼻はできません。目と鼻はつながっているので、点眼で点鼻の代用投与をしていたそうです。

 当院では左右鼻の細胞診では変性好中球が診られましたが、細菌は発見さられませんでした。培養、感受性テストも検討しましたが、ウサギは抗生剤の使用が限られる動物なため、これまで使用したと推察した薬剤の使用はやめました。点鼻投与はオーナー、ウサギ両方にストレスがかかるので中止してみました。
 以上の見解からウサギに使用可能なニューキノロン系抗生剤の上位薬品を経口投与しました。すると1週間後、くしゃみの数はだいぶへり改善が診られました。

 なおこの症例には効果ありましたが、この治療ですべての高齢ウサギのくしゃみ疾患が治るわけではありません。よく主治医と相談して治療は進めてください。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

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