小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。

2018.06.10更新

オダガワdog犬のチョコレート中毒


 犬はチョコレート中毒を沢山たべると中毒になります。ひどい場合は死亡例を経験されている先生もいます。
今回の症例は、2才の約5kgの雄のダックスブンドです。
オーナーがお風呂にはいっている間にロッテ社の「ゼロ マイルド ホップジョイ」を20-30%位食べてしまったみたいです。オーナーさんは時間外にあわてて来院されました。


 犬ちゃんではチョコレートの中のテオブロミンの代謝が非常に低く中毒を示します。
 犬は摂取したテオブロミンを17.5時間でどうにか50%までにしか分解排泄できません。
ちなみに人では6時間なので心配はいりません。
犬のチョコレート中毒の症状は誤食後6-12時間で現れ、嘔吐、下痢が始まり、活動過剰、多尿、運動失調、痙攣がおきます。3日ぐらい続くとこもあります。食べた量が多いと死亡する場合もあり原因は、一般的に心不整脈や呼吸不全が死因になります。

 スーパーなどで販売されている1枚の板チョコはおよそ50gで、テオブロミンをおよそ200-400mg含んでいます。致死量は1kgあたり200-400mgで、1kgの犬ちゃんがおよそ板チョコ1枚たべるとおこる場合があるという意味です。しかしチョコレート中毒は犬ちゃんによって個体差が大きく、上記の量でも全く大丈夫な犬ちゃんもいますし、また少量でも発症したケースもあります。またチョコレートの種類(ミルクチョコレート・製菓用無糖チョコレート・ココアパウダーなど)でテオブロミンの含有量は異なりますので詳細はメーカーに確認する必要があります。
今回は本院をおとずれるまで1時間以上かかっていること、5kgの犬が約50gのチョコレートの20-30%位の誤食なので、無処置で耐えられると判断して家にかえしました。

後日、ロッテ社に「ゼロ マイルド ホップジョイ」のテオブロミンをきいたところ。100g(板チョコ2枚の量)あたり350mgを含有するとのことでした。また後日オーナーからも電話を頂き、犬ちゃんは元気にすごしているとのとこです。チョコレート中毒はたいてい犬は沢山たべると、嘔吐するので、動物病院で診ることは少ない症例です。

しかし他院では、お祝いにもらったチョコレートをオーナーがいない間に沢山食べて犬ちゅんが死亡したケースもあります。チョコレートを食べて1時間以内なら、催吐剤を使用して、はかせることが最良でしょう。なおテオブロミンの拮抗薬はありません。

また胃洗浄は、動物の場合は全身麻酔が必要で、賛否ある治療法です。またもしおこなうなら誤食してから1時間以内です。人の緊急医療でもこのような場合は、1時間以上たったら胃洗浄はおこなわないそうです。場合によっては活性炭などの投与も必要でしょう。

チョコレート中毒は猫でもおきるとされています。チョコレートは人では美味しいおやつですが、犬猫では中毒になる可能性もありますので十分注意してください。
注意をすれば防げる疾患です。とくにバレンタインやお祝いにもらったチョコレートはしっかり保管してください。


 

【イヌ、ネコの中毒】
dogright arrow犬のチョコレート中毒
dogtigerright arrow犬猫のタマネギ中毒
dogtigerright arrowイヌ、ネコの誤食

 


 【関連記事】

dogright arrow犬の診療
tigerright arrow猫の診療
rabbitright arrowウサギの診療
mouseright arrowハムスターの診療
snakeright arrowフェレットの診療
chickright arrow小鳥の診療
boarright arrowモルモットの診療



 

   calendarright arrow当院の診療カレンダー

traincarright arrow【当院への交通アクセス、駐車場】

padright arrow【最寄駅、登戸駅からの道順】


 

投稿者: オダガワ動物病院

entryの検索