ジクロフェナック点眼の副作用が疑われた犬の角膜潰瘍(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2017.05.17更新
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ジクロフェナック点眼の副作用が疑われた犬の角膜潰瘍
ジクロフェナック点眼は非ステロイド系の薬剤で、犬の白内障の進行を遅らせることが可能とされてることから、動物病院ではよく使用されています。しかしときどき、角膜潰瘍の副作用をおこすことがあります。非ステロイド系点眼剤という名称に安心して使用していることが欠点です。
本院ではジクロフェナック点眼の使用の際し、これら副作用を説明してから処方しています。そのため希望するオーナーは多くはいません。また点眼して眼がしょぼつくようならすぐにやめて来院するよう指導しています。
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写真1 、眼の向かって左側が緑の染まり、角膜潰瘍が診られた。
今回の症例は7歳のチワワで他院で白内障と診断されて、ジクロフェナック点眼を処方されました。自宅で点眼したところ、眼がしょぼつくため、本院を受診したケースです。フルオル試験にて、写真1のように、眼の向かって左側が緑の染まり、角膜潰瘍がおきていました。
本症例は抗生剤点眼、ヒアレイン点眼などの処置で、4日後にはフルオル試験も陰性になりよくなりました。本院でも軽度の白内障は確認できましたが、その後ジクロフェナック点眼は中止してもらいました。
ジクロフェナック点眼は白内障の進行を遅らせる利点はありますが、角膜潰瘍の副作用がときどきあります。本院の症例は短期でよくなりましたが、研究会では重傷な角膜潰瘍例も犬で報告されており、使用する際は、副作用を十分理解しておこなう必要があります。
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