小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.03.02更新

オダガワchickセキセイインコ(学名:Melopsittacus undulatus)の
ジアルジア(Giardia.sp)症
 


ジアルcamerachickジアルジア、裸眼(×1000)
左下、栄養型(trophozoite
右上、シスト(cyst

ジアル
camerachickジアルジア(図1)
栄養型(trophozoite)のグラム染色(×1000)

  健康診断にきた3ヶ月の雄のセキセイインコです。ジアルジアは本院では症状がなく健康診断で発見されるケースが多いです。幼鳥のセキセイインコには多く診られ、春から夏にかけて多い疾患です。この症例は全身状態、体重は正常範囲ですが、メガバクテリウムと混合感染した例です。重傷例は軟便、居眠りが診られ、下痢・血便の症状が現れると、生死に関係する場合もあります。診断は検便とそのう検査から行いますが、単回の検査では見つけにくい場合もあり、複数必要な場合もあります。
 ジアルジアはヒトへの感染の可能性があるため、診られたら早く駆除することを薦めます。
 

down arrowchick便中のセキセイインコのジアルジア、動画

 セキセイインコのそのう、小腸に感染すると、2分裂をしながら増殖します。(栄養型、trophozoite)。
その後、栄養型のみでなく、間欠的に殻に覆われたシストと呼ばれる形態も一緒に排出するようになります。(上記の図1、動画参照)

 ジアルジアの治療には抗原虫薬メトロニダゾールを投与します。初期であればこの薬剤の投与で70%は駆除できますが、環境を含めた総合的な治療が必要です。その理由は 厄介なことに、環境中に排泄されたシストは殆どの消毒液に抵抗性します。乾燥には弱いですが、水のある場所では2ヶ月位生存しています。そのため便とともに排泄されたシストが食事に付着あるいは混入して経口再感染をおこす可能性があります。
そのため現実的なシストの除去には飼育場所、また使用している玩具を熱湯をかけて、日光消毒で乾燥させることが良いと考えています。



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投稿者: オダガワ動物病院

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