小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.05.02更新

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tiger猫鉤虫 (Ancylostoma tubaeforme)

 本院の地域では猫鉤虫の感染は希です。今回は保護された仔猫で発見されました。症状は軟便のみが診られました。
 
■成虫
  猫鉤虫は犬鉤虫と極めて似ています。成虫は♂10-11mm、♀12-15mmで犬鉤虫よりやや小型で細長く、交接刺が長いことが特徴です。

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■虫卵
顕微鏡 100倍

 
顕微鏡 400倍

 虫卵の大きさは55-76×34-45umで顕微鏡所見では犬鉤虫とは区別はできません。
 感染様式は犬鉤虫とほぼ同様ですが胎盤感染は証明されていません。猫鉤虫の成虫寿命は約2年で、雌は最盛期に1日5千-2万個の虫卵を排泄します。ただし虫卵の排泄は変動がある点、また糞便中に均等に分布しているわけではないため1回の検便で必ず検出が可能ではありません。排泄した虫卵は7-10日で感染型幼虫(第3期フィラリア型子虫)になります。土壌や湿った環境に存在し、猫では鼻粘膜、皮膚の毛穴など経皮感染が主要な経路と考えられていますが、専門書によっては経皮感染は否定的で経口感染が主な意見もあります。寄生部位は小腸です.
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■駆虫剤

皮膚滴下タイプ
 
経口薬
 
 猫鉤虫の駆虫は線虫類のright arrow猫回虫と同じ薬剤になります。猫鉤虫が経口感染したときプレパテント・ピリオドは14-21日と報告されており、この期間を目安に再投薬が必要です。
 
  以前は猫に使用しない方がよいとされてきいたなジゾフェノール製剤(商品名 アンサイロールなど 製造中止)が多く駆虫剤として使用されていましたが、最近の薬剤はネコに副作用は殆ど心配なく行えるようになりました。

 


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投稿者: オダガワ動物病院

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