小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.10.25更新

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rabbitウサギの外部寄生虫


 

■当院に来院のあったウサギの外部寄生虫を紹介します。 
 ウサギ用に認可されたダニ・ノミの駆虫剤は日本にはありません。
しかし効能外使用になりますが、ウサギに安全に使用できる犬猫用のダニ・ノミ製剤はありますので、ウサギの診療に詳しい動物病院でお尋ねください。
 なおうさぎに使用不可な犬猫用のダニ・ノミの駆虫剤もあり、死亡例も報告されてますので最新の注意が必要です。



■うさぎのツメダニCheyletiella parasitivorax  
 本院ではウサギの皮膚病疾患で一番多く診ます。

■診断
皮膚をセロハンテープで採取することで診断可能です。
 
■症状
 うさぎの背中の正中に沿って、痂皮がみられることが多いです。若いウサギはツメダニの大量寄生で症状を訴えて来院しますが、少数寄生の場合、加齢で免疫力が低下してから皮膚病変が生じて来院するケースもあります。
本院では後者が多いです。

 痒みは訴える場合とない場合があります。
 
■うさぎのツメダニは人への感染も報告されています。

■駆虫
セラメクチンなどでおこないます。
ツメダニの生活史の関係で月1回で、複数回おこなってください。



■うさぎのズツキダニ(Listrophorus gibbus 
 うさぎの皮膚に「白から茶のこしょう」のように垢がみえこの垢が動くという主訴で来院した症例です。
 
 クシを入れると同様のものが採取可能な場合もあります。

 セロテープで虫体を採取して顕微鏡で診たところズツキダニが発見されました。形態より雌です。(写真)
 
 このズツキダニはうさぎの体幹部に寄生し皮膚から組織液を吸って生活しています。
 うさぎに症状はありません。(希に痒みを訴える個体もいますが)
 また人への感染もないとされています。

 駆虫はセラメクチンなどでおこないます。


■うさぎとノミ(flea)
  

ノミは人にも感染する可能性がありますので注意してください。   
 
 うさぎへの感染は殆どが猫ノミです。
猫ノミは犬・うさぎ・フェレット・人など種を超えて感染します。日本では犬へのノミ感染も70%位が猫ノミです。 
 
 この症例は家のお子さんが猫をたくさんかっている家に遊びにいくそうです。そのため感染がおきたと来院では推察しました。
 
 ノミの大きさは大体0.3mm-0.4mmでノミから見て人間の大きさはエベレスト山ぐらいに相当します。

 通常10-20日間生存でき、雌は1日10-20個の卵を産みます。3-4週間で成虫になります。また蛹は1年位生存できる場合もあります。

 ジャンプが得意で約1mも跳ねます。これは人間に例えれば東京タワーの第一展望台まで飛び上がることに相当します。跳ねて動物の皮膚に移り寄生生活を始めます。

 また温度・湿度・環境によりノミの増殖は左右します。
東京付近 のマンションなどでは風通しが悪く、湿気が高く、ノミが増えるには良い条件になっている場合が多く、本院のノミ症例もマンションで飼育している方が結構います。

 風通しの良い「田舎のおじいちゃん・おば ちゃんの家」が ノミを繁殖させないとこには理想的な環境みたです。

 駆虫はセラメクチン・イミダグロプリドを背中にたらすことで可能ですが、環境の整備も必要です。


■マダニとウサギ 
 ウサギも家の庭で飼っているとマダニが感染することもあります。
 抗ダニ剤を皮膚に垂らすと、ダニはいなくなりましたが、また庭に放すのでダニがつくことを繰り返していました。


■ウサギの疥癬症
希ですがウサギの疥癬症はいます。


 

投稿者: オダガワ動物病院