小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.03.01更新

オダガワ

mouseハムスターのアレルギー疾患


 2才のジァガリアンハムスターの♂が来院しました。

あ腹部の毛が抜けて、背中を除き、激しい痒みが認められ、脱毛と紅班があります。
あ
四肢には激しい炎症があります。

あ顔面も掻痒あります。

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mouseハムスターのアレルギーの治療は人・犬・猫と同様におこないます。

①薬物により、痒みを捕ること、
②原因のアレルゲンの特定だが。

しかし
①薬物
 ハムスターの場合は、アレルゲンが原因が特定できなくても、生活レベルの向上は必要で、薬物療法は必要になります。
 薬物にはハムスターにおいてもステロイド・抗ヒスタミン・抗アレルギー剤などが使用されています。著者の経験ではステロイドを使用しないとなかなか痒みが止まらないのが実情です。ご存じのようにステロイドは副作用の問題もあり、いつまでも使用できる薬剤ではなく、慎重投与が要求されます。しかし当院の経験では専門書に記載されているより副作用はすくないように感じています。最少の投薬期間を求めることでコントロールは可能な場合が多いです。
なお、ハムスターにヒト用軟膏・クリームの塗布は禁忌です。
 
②原因のアレルギー物質
 なかなか特定できませんが、腹部に病変の多いことより、床材がなにかしら影響をあたえていると考えられています。ハムスターの床材は木製チップ・牧草・土・新聞紙などが使用されていることが原因の一因で考えられます。しかし異嗜のあるハムスターには新聞紙などはすすめられません。またこれらの製品の中で、なにが一番よいかも不明で、費用のかからない製品から床をかえているのが現状です。木製チップには最近の製品はアレルギーを起こしにくいよう、熱処理がされている場合が多いですがどこまで予防可能か不明です。
 食事は人のように卵やそばのように特定されている訳ではありません。また犬猫のように食事アレルギー食が有るわけではなく、本院では防腐剤がはいっていない点に注目して、ハムスターセレクショクンへの変更を進めているが、アレルギーの完全食には遠い内容です。

 本院ではオーナーに獣医師が治療のプラン・薬剤の副作用を示しておこないます。このハムスターは2才で十分寿命を迎えることが考えられる症例です。
 獣医師の立場がらいえは、残りの人生、ステロイドの投与で痒みを止めて生活の質をあげたほうがよいと考えます。また副作用がでる前に寿命を迎える場合もあります。人ではアレルギーは痒みがひどいと夜もねられず、精神病にもなります。
 
 この症例はオーナーの希望もあり、薬物療法しませんでした。しかしオーナーはどの程度薬物に理解があったのか不明です。獣医師も説明義務はありますが、ステロイドと聞くと、全く薬剤のことを知らない方が、かってに毒薬と勘違いしてハムスターにつらい想いをさせていること事実です。

 この方の選択が良いか、悪いかは別として、動物の状態をあまり考えず、薬剤の副作用のみに目がいきずぎる傾向がはあります。動物をの状態をよくみて、獣医師・家族と相談して決めてください。薬の主作用でハムスターの生活が楽になることも考慮して考えてください。




投稿者: オダガワ動物病院