■ネコの抗てんかん剤について
■抗てんかん薬について
『てんかん』は動物種で効果ある薬剤は異なります。
ネコではフェノバルビタール・ジアゼパム・ゾニサミドが維持薬として推奨されています。
どの薬剤でも投薬を行い続けてネコが鎮静状態になるようなら、掛りつけ動物病院に連絡する必要があります。
フェノバルビタールとゾニサミドの飲み合わせは注意が必要です。ジアゼパムはネコの肝障害に注意が必要です。なお犬で時々使用される臭化カリウムは猫は禁忌です。
抗てんかん薬は生涯使用するケースが多く、そのため薬物の有効性の有無、副作用をおこさないように、必要に応じて血液・生化学検査、血中濃度を定期的にモニターすることをお勧めします。検査した場合、欠点として、費用がかかります。
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フェノバルビタール
特徴として錠剤・シロップ・粉など薬剤形態はさまざまなものがあります。
■フェノバルビタール(Phenobarbital)
フェノバルビタールは長い使用歴史があります。猫の70%位のてんかんは抑えられます。
この薬剤は3週間投与してやっと血中レベルが安定します。
一生投与する可能性のある薬物であることから副作用を少なく最大の効果をえる意味で、投与後は年1-2回の血中濃度と血液・生化学検査をお薦めします。普段は血中のレベル15-45μg/mlで安定していることが理想とされてます。オーバーしている場合は将来、副作用の肝障害になる可能性があり、フェノバルビタールの用量の調節、別の薬剤への移行を考慮しなければなりません。
この薬剤を8年間、検査はなにもしないで、血中濃度が80μg/mlになり、重傷な肝障害で死亡したネコのケースが学会で報告されていたことがありました。
当院でも転勤の多いオーナーに薬剤のみを送付していたところ神奈川に戻ってきたら、ネコが鎮静状態になっていたことがあります。血中濃度を測定したらフェノバルビタール115μg/mlであわてて入院させて、この後で紹介するジアゼパムでよくなったことはあります。
先日当院で測定した2症例ネコのフェノバルビタールの血中濃度は15μg/mlと58μg/mlでした。後者は用量を少しさげないといけないかもしれません。
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■ジアゼパム(Diazepam)
ネコはイヌと違ってジアゼパムの長期投与が可能です。フェノバールで効果のない猫には、次の薬剤として使用しています。しかし注意事項があります。多くはありませんが投与後に急性肝壊死という病態が起こることがあり、必要に応じて血液・生化学検査が必要です。90%の癲癇は維持可能です。
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ゾミサミド製剤
ヒト用、犬用はあります。猫用はありません。
■ゾニサミド(Zonisamide)
イヌでは良好なゾミサミドはネコでも投与は可能です。しかしネコはこの錠剤は不味いと感じる個体が多く、投与は苦労します。また食欲不振になるケースもありイヌほど使用はされていません。
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プレガバリン製剤
■プレガバリン(Pregabalin)
難治性てんかんに使用されている薬剤です。まだ多くは使用させていないので詳細は不明です。
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