■イヌの急性下痢の原因
ご注意
このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。
当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。
友人のイヌ(4才、ミックス)を預かったところ、自身が飼っていたイヌ2匹との相性が悪く、下痢、食欲不振になって代理人が来院した症例です。
嘔吐ありませんが、下記のような軟便が1日4回位みられるそうです。
また食事もとらなくなったので、当院のペットホテルで預かることにしました。なお食欲は本院で預かったところ直ぐに改善しました。
、
イヌの急性下痢の原因として、鑑別診断リストとして、下記のような記載があります。
矢印には当院でおこなった稟告、検査を記しました。
●急な食事変更, 普段食べないフードに変更した場合におきます。
以前からこのワンチャンが食べている食事を持参されてきました。
●寄生虫疾患、線虫(回虫, 鞭虫, 鉤虫, 糞線虫)、原虫(ジアルジア, トリコモナス, コクシジウム)の感染
検便して陰性であることを確認しました。なお鞭虫, 鉤虫, 糞線虫は私の開業している地域では殆ど発生はありません。
●ウィルス感染(パルボ, コロナ, ロタ, ジステンパー)
他院で1年以内に5種ワクチン投与している証明書を持参したので除外しました。
●細菌性下痢(サルモネラ, クロストリジウム, カンピロバクタ―, 大腸菌の感染)
便をグラム染色、簡易染色しました。経験的な判断ですが異常な細菌は発見されませんでした。また好中球もいませんでした。
● その他原因、 出血性腸炎, 腸重積, 薬物・毒物, 異物、急性膵炎, 副腎皮質機能低下症など
臨床症状、稟告から除外しました。
以上の見解とこのワンチャンは便の回数多いのでストレスによろ大腸性の下痢をおこしていると考え、ザラゾピリン、ロペミンを処方したところ改善がみられました。
友人で仲がよくても、ワンチャンはそんなことは知りません。人の預かってもらうときはいろんな注意が必要です。