■犬のフィラリア予防薬
日本では現在フィラリア予防剤は剤型を含めてかぞえると25種類ぐらいあります。
引っ越し・転院などで、動物病院が変わると同じ薬剤はなかなか処方できないのが現実ですが、フィラリア予防剤の承諾を得ている薬剤なら、変更になっても心配はいりません。
予防は川崎市多摩区の当院では蚊のでる時期に合わせて5-11月の月1回の投与を推奨しています。
また皮下注射で1年間も作用が続くプロハート12®(成分名、モキシデクチン)も春のみ使用可能です。
■フィラリア予防薬剤の形態は
①経口薬(チュアブルタイプ)
ネクスガード®スプクトラ
2015年に犬用で販売されました。デレビCMも流れたことがあるのでご存知の方も多いとおもいます。月1回の1錠の飲ませるのみで、フィラリア予防、犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、ノミ、マダニ駆除が可能です。
滴下タイプが苦手な方にはお薦めです。チュアブルタイプなので嗜好性はよい薬剤で、嘔吐する心配も殆どありません。
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イベルメック®(成分名、イベルメクチンとパモ酸ピランテル)
チュアブル製剤で月1回の投与になります。嗜好性はよい薬剤です。
効能はフィラリア予防だけでなく犬回虫、犬鉤虫の駆除も可能です。大変美味しい薬剤で、本院の調査では98%の犬が食べてくれます。
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モキシハートダブKS®(成分名、モキシデクチン)
チュアブルタイプで嗜好性がよくお薦めです。月1回の投与で効能はフィラリア予防のみです。
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パノラミス®(成分名、ミルベマシンとスピノシド)
チュアブル錠です。月1回、経口投与で、フィラリアの予防、マダニ・ノミの駆除、犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫駆虫と幅広く使用できます。嘔吐しやすい欠点はあります。
①経口薬(錠剤)
パナメクチン®(成分名、イベルメクチン)
安価で処方できるフィラリアのみ予防可能な薬剤です。月1回の投与になります。
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システック®(成分名、ミルベマシンとルフェヌロン)
フィラリアの予防、ノミの卵の孵化抑制,犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫幅広く使用できます。月1回の経口投与になります。ただしノミには速効性はありません。
■備考 フィラリア予防と鞭虫
ミルベマイシンをフィラリア予防の2倍量投与すると鞭虫の駆除にもなります。フィラリア予防量と鞭虫駆除量が一番近い薬剤です。
実際あったケースとして庭で飼育している犬が鞭虫症になりました。犬は主に庭にいるので鞭虫の卵が蔓延しており、ときどき鞭虫の駆虫をしないと下痢になる症例でした。そこでミルベマイシンを2倍量投与して、フィラリアと犬鞭虫予防を兼ねておこなったとこる、犬も下痢することもなくなりました。
②注射製剤
プロハート12®(成分名、モキシデクチン)
皮下注射で1年間作用が続くフィラリアのみの予防薬です。使用動物は犬のみのです。
③皮膚滴下タイプ
レボリュウーション®(成分名、セラメクチン)
月1回、背中に滴下タイプです。飲む薬ではありません。効能はフィラリアの予防(犬猫)、卵の孵化にも抑制成ノミ駆除(犬猫)耳ダニ駆除(犬猫)、回虫(猫)と幅広く使用できます。
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