■イヌのコクシジウム
生後4ヶ月のダックスフンドが東京都世田谷区からみえました。
下痢など臨床症状はありませんが、幼イヌなため検便もしたところコクシジウムが発見されました。
この寄生虫は原虫類に属し、イヌの糞便中に排出したコクシジウム卵がイヌの口から入ることで感染します。幼イヌに多く、そのため子犬を多頭飼育している施設では水平感染がおきる可能性が高く注意が必要です。
コクシジウムはアイメリアとイソスポラと呼ばれる2種類があり、イヌでは後者が原因となります。
急性の場合は、水様性の下痢をする場合が多く、粘液や血がまじった下痢もすることもあり脱水で死亡する個体もいます。しかし本症例のように目立った症状が現れないケースもいます。
検便でみられたコクシジウム
治療はサルファ剤を投与しました。またイヌちゃんが使用しているものは可能なものは熱湯消毒してもらいました。
サルファ剤は駆虫には1-2週間(またそれ以上)薬剤を飲ます必要があります。最近販売されたトルトラズリル(商品名 プロコッカス®)は1回の投与で駆虫可能です。(念のため2週後、もう1回投薬が良好です。)
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