■トリコモナス(Trichomonas)感染の仔猫の下痢。
動画1、新鮮便の直接鏡検です。
『虫下しは済んでいる。』 生後4ヶ月の雌の仔猫を知人から譲りうけました。
すると1日5-6回と下痢便が多く診られたため地元多摩区から来院した症例です。
検便(動画1)からトリコモナスか、またジアルジアか、動きが早く確定診断はつきませんでしたが
グラム染色からトリコモナスと診断して抗トリコモナス剤で治療を行いました。
1週間の投与で便は良好になりましたが、オーナーの希望もあり2週間、薬剤を使用しました。上記したトリコモナスは原虫類で他の原虫類と駆虫剤が異なる点、注意が必要です。
なお愛護団体、ペットショプで行う、『虫下し』は回虫、鉤虫、ウリザネ条虫のみに効能のある薬剤が使用されている場合が多いです。
他にも飼育猫はトリコモナス、コクシジウム、マンソン裂頭条虫、壺型吸虫などに感染する場合もあり、当然回虫、鉤虫、ウリザネ条虫とは駆虫剤や薬用量は異なります。
『虫下しは済んでいる。』は一般の方はすべての寄生虫がいないと勘違いしているケースが多くみられまが、以上の理由で、100%内部寄生虫がいないことを指す訳ではありません。
今回は環境の変化により、トリコモナスの症状が現れたことが推察されます。
【関連記事】
■犬の診療
■猫の診療
■ウサギの診療
■ハムスターの診療
■フェレットの診療
■小鳥の診療
■モルモットの診療