小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.05.31更新

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■ネコの慢性腎臓病


 慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの原因で腎臓の障害が慢性的に続く状態を指します。猫では5歳位からはじめり、比較的多くのネコが慢性腎臓病になると推計されています。他の動物ではウサギも、高齢になるとよく診ます。イヌでは多くはありませんが、希には診られます。

 慢性腎臓病の病態は糸球体疾患と、尿細管間質疾患に分けられます。

ゆっくり進み、悪くなると機能の回復はほぼ期待できません。腎不全へと進行します。早期発見を心がけ、必要に応じた検査が必要です。ネコに自覚症状がなくても放置せず、食事療法や必要に応じて薬剤投与が大切です。

慢性腎臓病の検査と診断

 自覚症状がない段階で慢性腎臓病を発見して治療するには、尿検査と血液検査が有効です。

慢性腎臓病を悪化される要因に、たんぱく尿が出る場合があります。たんぱく尿の測定は動物の場合、ヒト用の尿検査用紙の反応では感度が悪く、可能なら動物用検査センターで尿蛋白、クレアチニン比で測定することを薦めます。3ケ月間、蛋白尿が続く場合は注意が必要です。

 尿比重は尿細管の短いヒトではあまり注目されてませんが、ネコでは尿の濃縮力が高く何度か等張尿を示す場合は腎疾患に罹患している場合が多いです。

 他の悪化要因で、高血圧が原因で起こる高血圧性腎症があります。猫は診療に協力的でない症例もいて、すべてで血圧は測定可能な訳ではありません。また興奮もしやすく、状態を診ての判断が必要です。

 

 

 

 たんぱく尿の検査では、尿中に出ているたんぱくの量により、陰性(-)、弱陽性(±)、陽性(+)に分類されます。アルブミン尿は、たんぱく質の一種のアルブミンが尿に含まれている量を測定し、より正確に障害の度合いを調べる検査です。
 血液検査では、血清クレアチニンの値を調べます。筋肉から出る老廃物の一種、クレアチニンの血中濃度から、糸球体の1分間のろ過量を表す推算糸球体ろ過量(eGFR)を知ることができます。eGFRの値が高いほど糸球体は健康で、例えばeGFRが50なら、腎臓はほぼ50%しか働いていないといえます。
 尿検査の結果「たんぱく尿が1+以上」、または、血液検査の結果「eGFRが60未満」である状態が3か月以上持続すると、慢性腎臓病と診断されます。健康診断などで「たんぱく尿がある」「eGFRが低下している」と指摘された場合には、ほうっておかずに、精密検査を受けてください。

 

 

 

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flower2イワギキョウ(乗鞍、畳平、8月)

 

投稿者: オダガワ動物病院

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