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マメルリハインコのメガバクテリア症
多摩区菅からマメルリハインコの健康診断に来院しました。
マメルリハインコの南米のエクアドルからペルーのかけて生息するインコです。今回来院した青色種は♂は顔は鮮やかな青色、翼の部分はグレー青になります。
食事は種子とペレットがあります。どちらも長所、欠点があります。
◆種子
◇市販の種子はいろいろな種類が混ざって販売されており、好きな種子のみを食べる傾向があります。
◇細長いカナリアンシードのみあげている方がいますが、やめてください。
◇種子はビタミン・ミネラルが不十分で、足りない栄養を副食で補う必要があります。本院ではネクトンSを薦めています。
◆ペレット
◇ペレットは栄養管理が簡単で防腐剤も含まれていない点は評価されます。しかし食べない鳥がいる可能性もあります。本院の調査では約30%の鳥はペレットを口にしません。
◇またペレットは食生活が単調で、マメルリハインコの専門食ではありません。
◇ペレット食の方が長生きするかどうかは不明です。
◆購入したばかりのマメルリハインコです。具合が悪いので来院しました。
検便でメガバクテリウム(Macrorhabdus ornithogaster)別名、マクロラブダスが診られ、駆除剤(抗真菌剤)の投与をしました。
メガバクテリウム症は時には生死かかわる疾患です。早い状態なら高い確率で治ります。しかし病態が悪化すると死亡します。
マメルリハインコ、オカメインコ、キンカチョウ、セキセイインコを飼育された方は必ず、鳥類の検便が詳しい動物病院で検便を受けることをお薦めします。
■検便
マメルリハインコは検便でメガバクテリウム(Macrorhabdus ornithogaster)別名マクロラブダスがよく診られます。
このマメルリハインコは、本院ではときどき来院します。
このマメルリハインコもそうですが、よくメガバクテリウムをみかけます。
当院では、メガバクテリウムには抗真菌剤の筋肉注射を使用してよく反応します。
このマメルリハインコは3日1回の注射をはじめて、3回の筋肉注射で、検便では陰性になりました。
メガバクテリウムは、検便でいなくなっても完全駆除を意味している訳ではありません。
そのため可能ならその後、週1回、維持治療が必要で、本症例は週1回3回の維持治療まで通われました。
鳥類のメガバクテリウム時は、`鳥に注射なんてかわいそう`と経口薬を希望されるオーナーも希にいますが、効果は薄いです。筋肉注射と経口薬は全く成分がことなります。
本院のデーターではメガバクテリウム時、筋肉注射は90%が回復しますが、経口薬は20%位しか回復しません。
マメルリハインコのメガバクテリウム
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●備考
メガバクテリウムは腺胃と筋胃の中間部に感染する真菌です。診断は検便・そのう液で発見をします。
メガバクテリウムの診断がやっかいなのは胃の中間層感染している真菌を、検便・そのう液のみの診断しなければならないので、どうしてもむりがある点です。そのため眼の肥えた獣医師が、鏡検しても見逃す可能性あります。オダガワ動物病院では、複数回の鏡検と、臨床症状から診断しています。
メガバクテリウムがいると、嘔吐、下痢、体重減少をともない短命になりやすい傾向になりますので、注意は必要です。
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