小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2015.02.23更新

あtiger『猫のカゼ』、FVR感染


 ■FVR感染の原因は猫ヘルペスウイルスです。
 ヘルペスウイルスの特徴は体の調子の良い時期は神経細胞に避難しています。 しかし免疫状態が悪いときは、末梢に現れウイルスを排泄する特徴を示します。ヒトでもヘルペスウイルス感染はあります。健康状態が良くないと、ヘルペスウイルスが末梢に現れ肋間痛をおこります。

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■ネコの幼少期のFVR感染について。
 母猫は出産時の免疫を最大限に落とす状態になります。出産する母ネコに「猫のカゼ(FVR感染)」の既往歴があると、ヘルペスウイルスは神経細胞から末梢に出現します。出産後母猫は子猫を舐めますので、生まれた子猫に猫ヘルペスウイルスを感染させてしまうことになります。そのため子猫は「猫カゼ状態」でよく保護されます。

あこの症例は3ケ月の仔猫のFVR感染です。二次感染もなく、軽度だったため、
インターキャットの点鼻のみで3-4日でよくなりました。---------------------------------------------------------------------

■老猫のFVR感染について。
 若い時期にヘルペスウイルスの感染をうけると、投薬などで治ったようにみえますが、神経細胞に避難しているのみです。年をとって免疫が低下すると、、神経細胞に避難していたヘルペスウイルスが抹消に現れます。10歳を超えたネコではFVR症状がよく見られます。
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  15歳でく鼻水、目やにを呈して来院した症例です.このような『ネコ風邪』症状で来院した場合は礎にヘルペスウイルス感染があるケースが多いです。治療には抗ウイルス剤の経口投与が必要です。 鼻水は、鼻の穴の奥にある、鼻腔の表面の鼻腺という分泌器官で作られる粘液と、粘膜からにじみ出る水分が合わさった成分です。50%は鼻を加湿しますが、すぐに蒸発します、残り50%は自然に飲み込まれています。鼻水の役割は大きく分けて二つあります。一つは鼻から吸い込まれた空気に湿気や温度を与えて肺に適切な空気を送る作用があります。。もう一つは鼻に入った異物を排泄ささせます。ウイルスなどが粘膜につくと、その刺激が脳に伝わり、異物を排除しようと自律神経を通じて「鼻水を作れ」と指令が出ます。この状態がこのネコです。                                                 --------------------------------------------------------------------- 
■診断
 
一般的には臨床症状からFVR感染を疑います。しかし転院症例など時間が経過した場合は臨床症状のみでは判断しずらい場合もあり、ネコ上部呼吸器疾患の遺伝子検査をお薦めしています。しかし検査料金が高くなる点が欠点です。

あアイデックス社の遺伝子検査

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治療

インターフェロン製剤のインターキャットの点鼻はすでに感染した細胞には効果はありません。しかしあらたな感染の予防は可能です。

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 抗生剤(写真上)は二次感染をおこしている場合に使用します。また抗ウイスル剤(写真下)は重傷時に使用しています。  


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投稿者: オダガワ動物病院