犬の鼠径ヘルニア(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2019.02.09更新
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雄犬の鼠径ヘルニア
(写真1)去勢済みの犬の右側に鼠径ヘルニアが診られました。
(写真2)鼠径ヘルニア輪(写真右側が頭部です。)
(写真3)鼠径ヘルニア輪の縫合
(写真4)縫合の終了、ヘルニア輪が埋まりました。
鼠径ヘルニアを発生する個体は、逆の部位の鼠径ヘルニア、また臍ヘルニアを将来おこすことが多く、予後注意です。
(写真4)術後の様子
投稿者:
2019.02.09更新
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雄犬の鼠径ヘルニア
(写真1)去勢済みの犬の右側に鼠径ヘルニアが診られました。
(写真2)鼠径ヘルニア輪(写真右側が頭部です。)
(写真3)鼠径ヘルニア輪の縫合
(写真4)縫合の終了、ヘルニア輪が埋まりました。
鼠径ヘルニアを発生する個体は、逆の部位の鼠径ヘルニア、また臍ヘルニアを将来おこすことが多く、予後注意です。
(写真4)術後の様子
投稿者:
2019.01.02更新
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犬の診療
マダニの感染の犬
■仔犬ちゃんが家庭にきたら下記の点を確認いただくようお願いしています。
■狂犬病予防ワクチン
■混合ワクチン(5種型・8種型など)
■犬のフィラリアとは ・
フィラリアの予防薬
■内部寄生虫 ・
外部寄生虫① ・
外部寄生虫②の確認
■マダニによるSFTSウイルスについて
■犬の避妊手術(雌)
■犬の去勢手術(雄)
■歯科
プードル系、チワワなど小型犬は欠歯・乳歯の遺残が多い犬です。これらの犬は6ヶ月で歯はすべて入れ替わります。
歯石はバイ菌の塊です。糞と同じようなバイ菌を含んでいるとされており、人・犬ではこの歯石から心臓病などが発生したケースが証明されています。
また犬に舐められた場合、公衆衛生上、オーナーもよくありません。
日頃の歯磨きや、必要に応じて歯石をとることをお勧めします。
■耳掃除
耳は綿棒は不用に使用しないことが大切です。痒がったり、汚いときは動物病院を受診してください。
■食糞
食糞の原因はよくわかっていません。未知のミネラルが不足するので、おきるのではと推察されています。
本院ではアルギチャンプ®を処方してます。アルギチャンプはノルウェー産海藻サプリメントです。海藻に砂漠の植物ユッカを配合した顆粒状の製品です。
食糞をする犬にはお薦めです。海草が主成分なので、安心して使用できます。便の臭いがかわるらしく、食糞には経験的によく効きます。
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■ウサギの診療
■ハムスターの診療
■フェレットの診療
■小鳥の診療
■モルモットの診療
投稿者:
2018.11.09更新
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高脂血症の犬
(
写真1)症例は5歳のヨーキー雄です。肥満体質ではありません。
12時間絶食して採血しても血漿が白く、生化学検査で脂質、{総コレステロール364mg/dl、トリグリセリド(中性脂肪)500>mg/dl}と高値のため、リポ蛋白を分析(LIPO TEST)をおこなった症例です。
高脂血症とは
血液中の脂質{総コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)}の両方、または一方の濃度が増加して、血漿が白い状態を指します。
上記の脂質は肝臓で合成され、コレステロールは細胞膜の構成成分や、ホルモンの原料になります。トリグリセリド(中性脂肪)は体内で燃やすことで、活動に必要なエレルギーを作るので、両者とも本来はなくれはこまる成分です。
しかし、必要以上に存在すると、血管、身体に付着して悪影響を及ぼします。
診断は
食後は正常でも血漿は白くなることはありますが、12時間絶食して採血しても、写真1のように血漿が白く、脂質{総コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)}の両方、または一方の高い状態を高脂血症と診断します。
これら脂質は水に溶けないので、血中では単独で存在できず、リポ蛋白と結びついた状態になっています。簡単に言えばリポ蛋白という〃船〃に積まれて血中を移動し、必要な場所で〃船〃から降され使用されます。
フリーアナウンサーの徳光さんの宣伝に出てくるHDLとか、また健康番組などでLDLなどの言葉を耳にした方は多いとおもいますが、それらがリボ蛋白を示す単語です。
高脂血症は脂質がリポ蛋白と結合ができず遊離して存在するか、また特定のリポ蛋白と結合が多くなる状態を指します。
そのためより詳細を調べるには、このリポ蛋白を分析(LIPO TEST)をしなければなりません。
原因は
原因は遺伝性や特発性(原因不明)で発症する原発性(一次性)高脂血症と、肥満や糖尿病など基礎疾患が原因で起こる続発性(二次性)高脂血症に分かれます。
原発性(一次性)高脂血症にはパターン別の高脂血症剤を使用します。また続発性(二次性)高脂血症は基礎疾患の使用が中心になります。
この症例の結果は
(
写真2)
この症例は他の検査など総合的に判断して、続発性高脂血症の様子はありませんでした。
リポ蛋白分析(LIPO TEST)の結果から、原発性(一次性)高脂血症のパターン2と診断しました。(写真2)
治療にはフィブラート製剤を使用しました。
2週間後の来院
(
写真3)フィブラート製剤を投与して2週間後
フィブラート製剤を投与して2週間後、血漿も透明になり、(写真3)コレステロールは364mg/dlから354mg/dlに、トリグリセリド(中性脂肪)500mg/dlから126mg/dl(共に12時間絶食)によくなりました。
今後は薬剤の回数を減らしてして維持していく予定です。
投稿者:
2018.06.30更新
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犬のシャンプー療法
犬の皮膚科診療では薬剤を外用で皮膚に効率よく到達させる為にシャンプー療法がよく使用されています。
シャンプー療法は、循環器を中心に重度の持病のかる場合や、また体調の悪い日は避けてください。
犬以外の動物のシャンプー療法はあまり薦めません。以下は動物別シャンプー療法の私感です。
犬・性格が相当きつい犬を除き、良好な方法で頻回可能です。
猫・比較的水は嫌いで、濡れると乾きにくい毛質です。家庭でおこなう場合は嫌がる猫には薦められません。犬よりシャンプーは大変です。局所のシャンプーはよく使用してますが、性格のきつい猫やあまり毛球がひどい場合は、鎮静が必要になる場合もあります。
うさぎ・毎日のブラッシングは重要ですが、全身シャンプーは禁忌です。。特に体調の悪い日は要注意です。肛門付近が汚れた場合のみの局所のシャンプーぐらいは可能とおもはれますが、あまり賛成はしません。
ハムスター・薦めません。
小鳥・薦めません。
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■犬シャンプーの方法
この項では犬のシャンプー法について述べます。薬用シャンプーは1種類でなく、数種類ありますので、よく皮疹と薬用シャンプーがあっているかどうか、かかりつけ獣医師と相談してください。尚、獣医師側も使用するメーカーの好きずきがあります。皮疹と薬用シャンプーが違っていると逆に悪くなる場合もあります。。
①ぬるま湯でシャンプーを皮膚となじましてください。 皮膚炎がある場合、高温は皮膚病をより悪化させる場合もあります。個体差はありますが30℃位が適温とされています。
②シャンプーを皮膚全体になじませます。5-10分程度皮膚と接触されることが理想ですが、性格のきつい犬はこの行程はうまくいかないこともあります。
③シャンプー後、ぬるま湯で十分におとしてください。温度は30℃以下が理想との記載もあります。
④ドライヤーで乾しますが、過剰な乾燥は、痒みを招く場合もあります。少し湿り気がのこる位のタオルドライが理想とされています。
しかし冬場など、きちんと乾さないと体調を崩す場合もありますので臨機応変の対応が大切です。
【皮膚病の話題】
■犬の脂漏性皮膚炎とは
■ウサギの皮膚の特徴
■幼猫の皮膚病
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投稿者:
2018.06.30更新
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当院への交通アクセス
■電車
■小田急線(中央改札)・JR南部線(生田緑地口)
登戸駅下車
[出口]から徒歩約3-4分
駅前パチンコ店、ハトヤから中野島方面200mにあります。
■駐車場
東名高速道路・川崎インターチェンジより車で15分~20分。
車で来院のかたは、近所のコインパーキングをご利用下さい。
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投稿者:
2018.06.30更新
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自宅で毎日耳消毒をしてひどくなった症例
近所の美容院で、耳が悪いから、動物病院を受診したほうが良いと指導され来院した症例です。
オーナーに聴くと、耳は日頃から、激しく痒がるそうです。また購入先のペットショプで、毎日、霧吹きで消毒薬をかけて綿棒で耳掃除するよう勧められたそうです。
耳の細胞診ではマラセチアが多数診られました。写真は左耳の所見ですが、右耳も同様です。
また耳鏡検査で炎症所見が左右とも診られました。
処置は、霧吹きで消毒薬をかけて綿棒で耳掃除をやめてもらい、抗炎症のローションを点耳してもらいました。
1週間後の受診では、炎症は改善され耳もかかなくなり改善しました。
耳は毎日掃除する必要はありません。動物が痒みを訴えるようなら、動物病院で診療をうけてください。
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投稿者:
2018.06.30更新
■犬猫の注射による「避妊」について
成分名、プロリゲストン(薬品名、コビナン®、デルボステロン®)を定期的に皮下注射することより、犬猫の発情を抑制する方法です。
簡単に言えば避妊手術をしなくても発情のコントロールが可能な薬剤です。
しかし長期投与の場合は副作用が多く、注意が必要です。そのため当院では特殊な事情がない限りはお薦めできません。
●使用動物 犬 ・
猫(認可は日本では犬のみ)
犬は単発情の自然排卵、猫は多発情の交尾排卵で、ともに季節繁殖性がない動物ですが、プロリゲストンの使用法は同一で可能です。
犬猫とも雌のみの使用になります。雄は投与しても去勢したような効果はありません。犬猫は閉経がない意見が多く、そのためこの薬剤は終生の投与が必要です。
犬・初回・3カ月 次回4カ月 3回目は5カ月間隔で98%が有効です。ここまでが認可投与です。発情抑制が目的なので、その後、5ヶ月間隔で維持投与をおこなっています。
猫・使用方法は犬に同じですが有効性が80%になります。猫への使用は効能外になります。世界34ヶ国で使用されていますが猫に認可がない国は日本のみです。
この薬剤はデポタイプ(1回の注射で長期効能ある薬剤の意味)なので個体差は激しいと筆者は考えています。そのため認可投与が終了したあとの、維持投与は症状をみて投与期間を決めています。
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■プロリゲストン注射の対称は
①将来繁殖を考えている方で一時的に発情を止めたい方。(この薬剤をやめると発情は回帰します。)
②また重傷な疾患(例えば先天性心疾患、肝臓疾患など)で避妊手術が難しい方が対象になります。
このプロリゲストンを長期投与した場合、未避妊犬猫より、子宮疾患になる可能性は高いことが統計上証明されています。また多くはありませんが糖尿病の報告もあります。
そのため健康な犬猫に本剤での『避妊』は薦められません。
本院使用のコビナン®
現実的には、犬猫が生まれつき体が弱く、避妊手術も危険のある場合、発情回避目的でプロリゲストンを使用しています。現在当院で使用している症例も先天性心疾患の疑いがある猫です。
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■プロリゲストン注射の禁忌
①妊娠の疑いのある場合
②子宮・卵巣疾患に現在陥っている場合
③注射跡がのこる動物
④重症な病態の動物
は使用できません。
【避妊手術・去勢手術】
■犬の避妊手術(雌)
■犬の去勢手術(雄)
【猫・避妊手術・去勢手術の助成金】
■ 本院は川崎市獣医師会に所属しいる関係で
時期は限定されますが、猫の去勢・避妊手術に
①川崎市、②川崎市獣医師会、2団体の補助が可能です。
■川崎市獣医師会
■川崎市健康安全部生活衛生課
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投稿者:
2018.06.29更新
■ヒトが
犬猫に噛まれたり、
猫にひっかかれたらどうしましょう。
怪我がひどいヒトは早めに医者にお尋ねください。この項は獣医師の視点から述べます。
犬猫の口内はパスツレラ属は(猫の口腔には約100%、爪には70%、犬の口腔には約75%の高率で常在菌として存在している)またカプノサイトファーガ・カニモルサスなどの菌が常在します。
そのため犬にオーナーの顔口を舐めさせたりすることをよく見ますが禁忌事項です。
また犬と同じ食器で食事をしてパスツレラに罹患したヒトがテレビで紹介されていたこともありました。
また安易に寝室に上げないことなどが大切です。人の免疫力が低下した場合は特に罹患しやすので注意が必要です。
また犬に舐められた手でおにぎりを握って食中毒になった例もあります。
■対策
犬猫から可能な限り咬傷や掻傷を受けないようにすることが予防の基本です。ペットにオーナーの口を舐めさせたり、また舐めたりしないことは禁忌です。ペットと同じ食器で食事をして罹患した方がテレビで紹介されていたことがありました。また寝室に上げないことなどが大切です。ヒトが免疫力が低下した場合にも罹患しやすので注意が必要です。このように歯石はばい菌の固まりです。ヒトが噛まれたら発熱・倦怠感などおこしてもおかしくありません。
■犬と歯磨き
注意点として、無麻酔で鉗子(写真)などで歯石を除去する方法は禁忌です。
この処置をおこなうと後になってより多くの歯石がつきます。また顎の骨が折れた症例が研究会で報告されています。
猫に噛まれるよりむしろ引っかかれることで、猫ひっかき病に感染します。
ヒトは感染した部位の支配リンパ節が腫れます。
友人の獣医師で診療中に猫に右手を噛まれ、後日、右の腋窩リンパが腫れた方がいました。
無処置で1ヶ月、放置したとこるよくなったそうです。このように軽度なら経過観察でよくなる場合もあります。
しかし、まれに全身に感染することもあります。
この疾患は猫の爪にいるグラム陰性桿菌であるバルトネラ・ヘンセイレによって引き起こされます。
日本の猫の9-15%が保有しています。
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投稿者:
2018.06.24更新
■
犬の糖尿病、ノボリンRが効果あった症例
症例は7才雄のミニチアシュナウザー雄です。多飲・多尿を主訴に来院しました。
血液・生化学検査、尿検査をおこない 臨床症状 血糖313mg/dl、 尿糖(+)、糖化アルブミン 14.8%、インスリン5.03ngmlの結果を得て、犬では珍しいⅡ型糖尿病と診断した症例です。
そこでインスリン製剤として、ノボリンNPH(写真左)の皮下注射をおこないました。しかし1週間たっても臨床症状の改善もなく、血糖の低下もありません。
次にインスリンレペニルを使用しましたが、同様の結果でした。
血液・生化学検査、尿検査からインスリン抵抗性疾患は疑いにくいため、もっとも吸収性がよいインスリン、ノボリンRの皮下投与に切り替えました。
すると血糖は下がり、その後糖尿病は良好に維持しています。
写真 ノボリンNとノボリンR 表面と裏
名称のRははでレギュラー(Regular 正規)に由来します。
速攻型インスリンで長所は吸収が良い点です。欠点は作用時間が短く、この症例は1日3回の皮下投与が必要です。 臨床の場では インスリン抵抗性を疑う前に投与して、血糖減少があるか、投与する必要がある薬剤です。
通常インスリン分子は、亜鉛分子を中心とした倒立した三角錐が6つ集まった立体構造=6量体をとり、この構造で溶媒内で安定性を保っています。6量体で投与されたインスリンは皮下組液により希釈され2量体、さらに単量体へと解離し、毛細血管から吸収され、作用を発現します。
この項、冒頭で紹介したノボリンNの正式名称はNPH(Neutral Protamine Hagedorn)で、6量体の回りに、鮭の精巣から分離、合成したした硫酸プロタミンが配布されています。そのため注射液は混濁しています。1回の注射でインスリンを長い時間作用させることにはできることが長所で、通常はこの薬剤でコントロールされることが多いです。しかし本症例のように希に、吸収問題が生じる場合もあります。
【他の糖尿病】
■猫の糖尿病
■セキセイインコの糖尿病
■糖尿病の薬剤、インスリン
■糖尿病、ケトアシドーシスのイヌ
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【break time】
「エバーグリーニング(evergreening)」は直訳すれば、緑が絶えるこののない「針葉樹林」を指しますが、薬学的には特許を取得したメーカーが永遠に独占できるようなシステムのことを示します。(写真・山形県羽黒山の杉並木、7月)
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