小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2024.01.17更新

 

あ

 dogイヌの急性下痢の原因


 ご注意 

このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。
当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。
 


  友人のイヌ(4才、ミックス)を預かったところ、自身が飼っていたイヌ2匹との相性が悪く、下痢、食欲不振になって代理人が来院した症例です。
嘔吐ありませんが、下記のような軟便が1日4回位みられるそうです。
また食事もとらなくなったので、当院のペットホテルで預かることにしました。なお食欲は本院で預かったところ直ぐに改善しました。

1

イヌの急性下痢の原因として、鑑別診断リストとして、下記のような記載があります。

right arrow矢印には当院でおこなった稟告、検査を記しました。

 

●急な食事変更, 普段食べないフードに変更した場合におきます。
right arrow以前からこのワンチャンが食べている食事を持参されてきました。

 

●寄生虫疾患、線虫(回虫, 鞭虫, 鉤虫, 糞線虫)、原虫(ジアルジア, トリコモナス, コクシジウム)の感染
right arrow検便して陰性であることを確認しました。なお鞭虫, 鉤虫, 糞線虫は私の開業している地域では殆ど発生はありません。

●ウィルス感染(パルボ, コロナ, ロタ, ジステンパー)
right arrow他院で1年以内に5種ワクチン投与している証明書を持参したので除外しました。

 

●細菌性下痢(サルモネラ, クロストリジウム, カンピロバクタ―, 大腸菌の感染)
right arrow便をグラム染色、簡易染色しました。経験的な判断ですが異常な細菌は発見されませんでした。また好中球もいませんでした。

 

● その他原因、 出血性腸炎, 腸重積, 薬物・毒物, 異物、急性膵炎, 副腎皮質機能低下症など
right arrow臨床症状、稟告から除外しました。

以上の見解とこのワンチャンは便の回数多いのでストレスによろ大腸性の下痢をおこしていると考え、ザラゾピリン、ロペミンを処方したところ改善がみられました。

 友人で仲がよくても、ワンチャンはそんなことは知りません。人の預かってもらうときはいろんな注意が必要です。




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投稿者: オダガワ動物病院

2024.01.16更新

あ

dog犬5種、7種ワクチン、抗体価の測定

ワクチンの再接種をするかどうかの判断に役立ちます。
ワクチンアレルギーの経験のある方は、受付にお話下さい。


ご注意 

このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。
当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。
 


 イヌのワクチンは初年度は2ケ月、3ケ月、4ケ月に計3回のワクチンが必要になります。1年後再接種の必要がありますが、以後、当院では年に1回のワクチン投与を薦めています。

 しかしCPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)、CDV(イヌジステンパー感染)は1年以上抗体が存在し感染予防が可能なワンちゃんもいます。
 そこで
下記(写真1)の血液中の抗体価の測定して、現在の感染予防状態を把握してワクチン投与計画を決めてゆく方法もあります。特にワクチン投与で副作用がでた症例では血液中の抗体価の測定して現在の感染予防状態を把握することが適切と考えています。抗体価は1年先までの予防効果を予測する検査です。
 なおレプトスピラ症のワクチンは1年しか効きませんので抗体価測定の意味はありません。年1回のワクチン投与が必要です。

ワクチンの抗体価測定は動物検査センターに依頼しています。そのため結果がわかるまで7日前後かかります。


具体的な抗体価は下記の表を参照ください。

 抗体価の解釈について

1(写真1)

 この表はCDV(イヌジステンパー感染)は血液中の抗体価、640倍で長期間(1年以上)発症予防が維持できます。160--320倍で発症予防機能を保持しています。80倍以下のときはワクチン再接種、また感染を避ける生活を薦めます。

 CPV(イヌパルボウィルス感染)は血液中の抗体価、160倍で長期間(1年以上)発症予防が維持できます、40-80倍で発症予防機能を保持が可能です。20倍以下のときはワクチン再接種、また感染を避ける生活を薦めます。

 CAD(イヌアデノウイルス感染)も同様に血液中の抗体価、160倍で長期間(1年以上)発症予防が維持できます、40-80倍で発症予防機能を保持できます。20倍以下のときはワクチン再接種、また感染を避ける生活を薦めます。

  『抗体検査で長期間(1年以上)発症予防が維持できる血液中の抗体価』が見られたらワクチンを受けないで、年1回の抗体価の測定を薦めています。3-4年抗体価が続く場合もあります。
 
 『発症予防機能を保持している血液中の抗体価の場合』は3-6ケ月で再検査を薦めています。

 『ワクチン再接種、また感染を避ける生活を薦める血液中の抗体価』が見られたらワクチン接種になります。

 この表は検査センター、エム・エル・テイによる測定です。他の検査センターとの相関はありませんので、詳細は測定した会社、担当した獣医師にお尋ねください。


当院での症例

症例1

 他院で5種混合ワクチン投与したところ2日間、嘔吐、下痢が止まらずワクチンアレルギーが疑われ来院した4才のイヌです。本院で対称療法したところよくはなりました。
このワンちゅんはこれまで4年間、年1回5種混合ワクチンは投与していました。4回目でアレルギーがおきました。
ワクチンアレルギーはいつもおきる訳ではないことを説明しましたが、今回のこともありこの年でワクチンはやめました。

 その後2年半経ってワンちゃんの集会に参加するため、ワクチンが必要になり当院に相談にみえました。
 上記したようにワクチンアレルギーの既往歴あり、再接種は抵抗があるため、CPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)、CDV(イヌジステンパー感染)の抗体価を測定を薦め行いました。

結果
1(写真2)

 上記の抗体価の表(写真1)を参照して頂ければわかりますが 、写真2ではCDV(イヌジステンパー感染)、CPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)をいずれも予防する十分な抗体価が1年以上あることがわかりました。
このワンちゃんは5種ワクチンは接種しないで、この書類をもって集会に参加して頂きました。1年後の再度抗体検査を薦めました。

 十分な血液中の抗体価が得られたら場合、ペットホテル、トレッドミル、ペット可の旅館の宿泊などが使用可能な施設もあります。


 症例2

 約1年前、他県の動物病院で5種混合ワクチンを投与して、帰りに呼吸が荒くなり、嘔吐が見られた3歳のイヌです。慌てて接種した動物病院に戻り、処置を受けて回復したそうです。このワンちゃんも稟告からワクチンアレルギーの疑いが推測されます。これまで年1回、5種混合ワクチンは投与していました。
 
 引っ越して、前回の投与から1年たったため、どうすればよいか相談に来院しました。そこでイヌのワクチンは1年以上抗体が存在する場合も多く、絶対年1回投与しなければならない訳ではないことを説明し、CDV(イヌジステンパー感染)、CPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)抗体価の測定を行いました。

結果

1(写真3)

 症例1同様に上記の抗体価の表(写真1)を参照して頂ければわかりますが 、写真3より症例2はCPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)を1年以上予防する十分な抗体価がありますが、CDV(イヌジステンパー感染)は現在は感染予防機能できる抗体価はありますが、これから下がるのか、現状維持できのか不明な結果がでました。そのためCDV(イヌジステンパー感染)のみ3-6ケ月後の再検査を、またCPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)は1年後、再度抗体検査を薦めました。今回は5種ワクチンは未接種にしました。


 

症例3

 当院で7年半前に7種ワクチンを接種して6時間後位から、数回の嘔吐、下痢が見られた症例です。遅延性のワクチンアレルギーが起きたと考えられます。その後ワクチンは未接種でした。
 今回ワンチャンと旅行して旅館に泊まりたいため来院しました。以前の経験もありワクチンは投与したくないため、抗体検査を行いました。
 5種と7種の違いはレプトスピラワクチンが含まれているかどうかです。レプトスピラワクチンが含まれている法が、少しワクチンアレルギーが起こる可能性が高いとされています。上記しましたがレプトスピラワクチンは1年しか効きませんので抗体価の測定意義はありません。

1

 CDV(イヌジステンパー感染)、CPV(イヌパルボウィルス感染)、CAD(イヌアデノウイルス感染)いずれも現在は感染予防機能できる抗体価はありませんでした。ワクチンを投与しなければ旅館に泊まることは難し旨を伝えました。

 


ワクチンアレルギー

1 
遅延性アレルギーの症例(写真4)
ワクチン投与して6時間経って、顔面の浮腫、嘔吐、下痢が見られました。

  ワクチンアレルギーにはワクチン接種して直ぐにおきるアナフラキシーショックと時間経ってからおきる遅延性アレルギー(写真4)があります。

 狂犬病ワクチンの大規模調査によればアナフラキシーショックは1万頭中7.2%(0.07%)おき、死亡例は10万頭中2頭(0.002%)あります。
15分以内におきることが多いため、当院ではワクチン接種後、念のため15分経って帰宅してもらっています。
(私たち人間がコロナワクチン接種して15分病院で待ったのもこの理由です。)

 遅延性アレルギーは数時間しておきます。先程の紹介した狂犬病ワクチンの大規模調査の文献によれば、千頭中顔が膨れる、蕁麻疹などの皮膚症状は4.3%、また嘔吐、下痢など消化器症状は2.3%おきています。

 写真4は当院でワクチン接種して6時間位経ってから顔が膨れ、嘔吐、下痢が見られた遅延性アレルギーをおこした症例です。
翌日、対症療法で回復しましたが時間がかかる場合もあります。
以上の理由でワクチン接種は可能なら午前中がベストです。

 ワクチンアレルギーは生涯1回しかおこらいワンちゃんもいれば、毎回起きるワンちゃんもいて疫学は様々です。
なおワクチンアレルギーを起こしやすいワンちゃんには事前にステロイドを投与してからワクチン接種する方法で防げる場合もあります。
 毎回起きるようなら狂犬病ワクチン猶予証明書という方法もあります。また5種ワクチンなら上記した血液中の抗体検査で様子をみることが可能です。
担当獣医とよく相談して行って下さい。 




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投稿者: オダガワ動物病院