小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2022.11.16更新

 

あ boarプロバイオティクスを薦めたイヌ


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このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、

インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。

当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。


だいぶ前からオーナーが不在だと下痢をするイヌです。今回『かかりつけ医』が休診で、かかりつけ医より処方された薬剤を飲ましても効果ないため本院を受診しました。

24時間、数えきれない下痢をするみたいです。食欲は少しありますが、軟便、腹鳴がおきていました。

慢性腸症の疑がれます。

慢性腸症の定義として、 3週間以上の下痢/軟便, 嘔吐, 体重減少, 腹鳴、食欲不振などの臨床症状があるケースで
(ただし 胃腸疾患以外 疾患、肝臓, 腎臓, 膵臓, 副腎、また寄生虫, 異物, 腸重積, 腸管腫瘍を除外すること)となっています。
原因は70-75%が食事性、20-25%免疫性、10-15%腸内細菌の異常でおきます。

本日、初診なので血液・生化学検査、画像診断おこなうまではいきませんでした。


あ

便を簡易染色してみると、写真では見ずらいですが芽胞菌が多くみられ、腸内細菌が乱れていることがわかりました。

下痢がひどいので本日は大腸性下痢の薬剤を処方しましたが、下痢の期間が長すぎます。今後は食事の変更、プロバイオティクス(参考参照)の投与を検討してはと提案した症例です。


 参考

 悪玉菌による腸内の腐敗を抑えたり、腸内に生息する善玉菌を活性化させたりするはたらきをもっている「生きた菌」がプロバイオティクスです.

プレバイオティクスは、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内の善玉菌のエサとなり、それらの増殖を促してくれます。

 シンバイオティクスとはプロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものです。


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投稿者: オダガワ動物病院

2022.11.07更新

 

あ ■潰れたボールを誤食していたイヌ


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(写真1)手術で摘出した潰れたボール、オーナーが持参されました。

 当院で普段診療している3歳の補避妊イヌです。

 夜間激しい嘔吐がおきて夜間施設を受診したそうです。
レントゲン検査で十二指腸内の異物を発見し、夜間緊急手術をおこなったそうです。
写真1はそのとき摘出した潰れたボールで、オーナーが持参されました。
オーナー言うにだいぶ前に購入したボールが潰れて胃内に入っていたみたいで、知らない間に食べていたみたいです。
胃内にあった潰れたボールが十二指腸内に移動して、夜間激しい嘔吐を起こし夜間緊急手術になったみたいです。

 夜間緊急手術の翌日、当院に連絡入り手術後のリカバリーを担当しました。その後元気に回復しました。

 研修医時代にはゴールデンレトリバーがテニスボールを誤食したり、また焼き鳥を串ごと飲みこんだイヌの症例を見たことを思い出しました。
身近のおもちゃ、食べ物には十分に注意してください。 


 bookリンク

chick洗剤を飲みこんだセキセイインコ

 dog異物誤食のイヌ

dog犬のチョコレート中毒

dogtigerイヌ、ネコの誤食

tiger百合を食べた仔猫

tigerネコのおもちゃの誤食

tigerゴム紐を誤食したネコ

rabbitウサギとチョコレート 


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.11.03更新

あ dog抗てんかん薬、ゾミサミド(Zonisamide)が飲ませられません。


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当院での診療、薬剤希望の方はペットをつれて診療時間内に来院ください。 


 抗てんかん薬、ゾミサミド(Zonisamide)が飲ませられないで当院を受診した5歳のイタリアングレード犬です。1年半前よりてんかんの治療をしています。半年前より、月1回『てんかん』がおきて困っているそです。、先日は『てんかん』が1時間も続き夜間緊急を受診されたそうです。

なんとしても抗てんかん薬を飲んでくれないと死んでしまうことも考えられるケースです。(参考2)

 

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(写真1、エクセグラン®)

 ゾミサミド製剤はヒト用のエクセグラン®、イヌ用のエピレス®、コンセーブ®が動物病院では使用されています。

 この症例は以前の動物病院ではヒト用ゾミサニド製剤、エクセグラン®を1/4に割った薬剤を処方されていました。

このワンチャンはとてもナイーブで、直接薬剤投与は苦いらしく飲んでくれません。ご飯に薬が入れるとドックフードを食べなくなります。イヌチュール®に入れてもダメです。

また不味いことに、徐々に食べ物に不信感を抱き、薬は入っていななくてもドックフードを食べなくなってしまいました。

ヒトの食べ物をつまんでいる程度で、このままでは栄養失調にもなってしまいます。

 こんな状態で当院を受診しました。

 当院では発症年齢、稟告より特発性てんかんとして治療を薦めました。参考1)
 エクセグラン®はイヌにも良い薬剤ですが割って使用した場合、割面に苦みが生じます。またフィルムコート錠なので、粉剤して使用するとフィルムコートが残り飲ませにくくなります。このような欠点があるため上手く投薬できないと考えました。


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(写真2 エピレス®)

 食事は当院では退院サポートを食べてくれました。ゾミサミド製剤は当院ではエピレス®を好んで使用しています。イヌ用なため小型犬にも対応した大きさがあり割らずに投与できます。(写真2)メイプルシロップが含まれ美味しくできていることが特徴ですが、このワンちゃんは食べてくれません。

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(写真3 単シロップ)

そこで粉剤して単シロップに溶かして投与したり、

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(写真4 医療用空カプセル)

また医療用空カプセルに砕いた薬剤を入れて投与してもらうことを提案しました。


●1週間後の来院

 エピレス®を砕いて空カプセルに詰めて、口を開けて投与できました。

食事も薬は入っていなければウエットフードを食べてくれるようになったそうです。

 抗てんかん薬ゾミサミドは血中濃度が測定をしながら投薬することが理想です。

 まずはゾミサミド2.5-5.0mg/kg 1日2回で開始して1週間後の血中濃度測定を測定します。

そのときの血中濃度は10-15μg/mlが理想ですが、10μg/ml以下でも『てんかん』がなければ良しと判断します。(参考3)

この症例は9μg/mlでしたが『てんかん』はおきていません。

そのためひき続き、同様の方法でおこなってもらっています。

1ケ月経ちましたが、今のところ『てんかん』はありません。

当院の経験ではゾミサミド単独で80%位のイヌの『てんかん』コントロールが可能です。

次回は3ケ月後に血中濃度の測定することにしています。


●緊急時対策として

 『てんかん』は夜間など予想外のときにおこることがあります。前述しましたがこの症例も『てんかん』が1時間も続き夜間緊急に行ったことがあります。

 そこで当院の『てんかん』症例ではこのような場合の緊急時対策として、ファインアトマイザーを渡して鼻腔内投与を薦めています。この症例にも処方しています。

ファインアトマイザー内にベンゾピアシルン系の薬剤を入れてもらい、先を鼻穴に入れて注射器を押してもらいます。動物が『てんかん』を起こしている間でも鼻ならオーナーさんでも注入可能です。

鼻腔内粘膜から臭神経、三叉神経を介し、肝臓、脳脊髄門を通過せずに直接脳内へ浸透する方法です。ただし100%『てんかん』が止まる訳ではありませんので注意してください。

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(写真5)ファインアトマイザー(注意 法律上の関係でファインアトマイザーのみの販売はしてません。かかりつけ獣医師に相談ください)


参考1)てんかんの分類

特発性てんかん
若いイヌに多く見られ、脳にてんかんの原因になる器質的病変がなくておきます。(特発性とは医学用語で原因不明を表します)

症候性(構造性)てんかん
症候性てんかんは脳腫瘍や脳炎など脳の異常(これを医学用語では器質的病変と称します)があり、これが原因でてんかん発作が二次的に引き起こされます。年齢に関係なくおきます。

 
参考2) 抗てんかん薬を飲ますタイミング

●特発性てんかんの場合

6ケ月に2回以上のてんかんがあるとき(2015年までは3ケ月に2回以上だった)

回数は少なくてもてんかんの時間が長い発作重積、1日2回以上てんかんがおきる群発重積のある症例

てんかん発作後の攻撃性、失眼など症状が24時間続く場合。

最近発作頻度、時間が長くなってきている場合

●症候性(構造性)てんかんが明らかににある場合

以上がてんかん薬を処方するタイミングです。

 

 参考3) ゾミサミドの血中濃度

 ゾミサミドなら1週間後の血中濃度を測ります。投与して4-5日で『てんかん』予防の濃度に達するこちが実験で分かっているためです。
そのときの濃度は10-15μg/mlが理想ですが、10μg/ml以下でも『てんかん』がなければ良しと判断します。

よければその投与量で維持していきます。

right arrowその後良好でも6ケ月に1回はは血中濃度の測定を薦めています。

right arrow3ケ月に1回以上『てんかん』がある場合は、ゾニサミド2.5mg増量して、1週間後血中濃度を測定を薦めます。

適応血中濃度(10-40μg/ml)に関わらず『てんかん』がある場合は、臭化カリウム、レセチラセタムなどの併用を考えています。 


  

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投稿者: オダガワ動物病院

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