イヌの酵母様真菌(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2022.09.14更新
■イヌの酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatus)
ご注意
このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。
当院での薬剤希望の方はペットをつれて診療時間内に来院ください。
(写真1)鏡検下で(形態的特徴で診断)確認した酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatus)
『メガネケースに入ったメガネ』のような形態をしています。
酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatus)は本来はウサギ、げっ歯類の常在菌です。(写真1)
しかし希にイヌにも診られます。ちなみに当院ではネコで見たことはありません。
今回の症例は生後4ケ月のダックスフンドです。ワクチン接種と糞便検査で来院しました。
この症例は下痢、軟便はありませんでした。糞便検査で写真1に示した酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatus)が見られました。
当院ではイヌの酵母様真菌は3ケ月ー6ケ月位の若いイヌに見られることが多いです。
これまでみた症例の半分は症状はありませんが、
残り半分には下痢、軟便、血便が見られますが、激しい症状になったことはありません。
下記のリンク参照
酵母様真菌(Cyniclomyces、sp)の診られるダックスフンド
他の獣医師の見解ではふだんから下痢の多いイヌでも見られるそうです
この酵母様真菌はイヌでは不明なことが多いです。
まず病原性はあるのか、ないのか不明です。
どうして感染したのかも下記のような説があります。
①ウサギの便を誤食したイヌから検出されたケースもあり、経口的摂取したため通過菌なのか、
②もともと健康なイヌの常在菌として存在しているのか、
③下痢の症例に見られるケースあることから日和見感染なのか。
よくわかっていません。
当院の処置として、下痢、軟便のある症例はまず原因の追究、次に止瀉薬、抗真菌剤の投与をしています。それて糞便検査ではいなくなることが多いです。
今回の症例は下痢、軟便もないため2ケ月位整腸剤のみで経過を見ました。イヌは元気で下痢、軟便ありませんが、酵母様真菌はなくなりませんでした。抗真菌剤も考えましたがその後は不明です。
■リンク
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