鉛筆を食べたイヌ(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2022.05.18更新
■鉛筆を食べたイヌ
2歳のチワワが鉛筆の先を齧ったことで来院しました。
レントゲンでは鉛筆らしいものは発見されませんでした。
催吐剤を投与したところ鉛筆の一部が催吐されました。その後元気ですごしています。
■リンク
投稿者:
2022.05.18更新
■鉛筆を食べたイヌ
2歳のチワワが鉛筆の先を齧ったことで来院しました。
レントゲンでは鉛筆らしいものは発見されませんでした。
催吐剤を投与したところ鉛筆の一部が催吐されました。その後元気ですごしています。
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投稿者:
2022.03.05更新
■
イヌ無菌性結節性脂肪織炎の疑い
以前左頚部に『できもの』が発生して、二次診療施設で化膿性肉芽腫性炎と診断された15歳のイヌの症例です。
今度は右頚部に『できもの』が再発して来院しました。
写真のような『できもの』で、その部位がはじけて膿が出てきたといった症状はなく、
発熱や元気消失、食欲不振などの全身症状もありませんでした。
細胞診所見
無菌性結節性脂肪織炎の診断はパンチバイオプシーなど皮膚生検が必要ですが、15歳と高齢で検査は無理もできず、アグレッシブな性格なためます細胞診を行いました。観察された細胞の主体は中毒性変化のない好中球で、紡錘形の細胞はマクロファージと考えられ化膿性肉芽腫性炎の疑われました。細菌は観察されませんでした。
これまでの既往歴と細胞診の所見から無菌性結節性脂肪織炎と仮診断してオーナー了解の上プレドニゾロンを内服しました。
■2週間後の来院
2週間後、右頚部に『できもの』はなくなりました。プレドニゾロンの内服は1ケ月続いてもらい減薬していく予定です。
投稿者:
2022.02.15更新
輸送販売はしてません。予約して当院にご来院ください。
犬用、経口剤
■商品名 ネクスガード®、成分名 アフォキソラネル(afoxolaner)
ネクスガード®はアフォキソラネルを有効成分とする嗜好性の高いソフトチュアブルタイプの犬のノミ・マダニ駆除薬です。
犬専用に開発された新しい製剤で安全性が高く、速やかな効果により、ノミが産卵する前に駆除することができます。
また、ノミ・マダニに対して1ヵ月間効果が持続することが確認されています。
ネクスガード スペクトラ®(成分名アフォキソラネル)
本院では、フィラリア予防を可能なミルベマイシンオキシムも含有したネクスガードスペクトラを使用しています。
嗜好性がよく、投与後の嘔吐もなく使用しやすい薬剤です。日本では猫に認可のない点が残念です。
■クレデリオ錠
クレデリオ錠(成分名、ロテナネル)
クレデリオ錠(成分名、ロテナネル)は本邦ではイヌのみ認可されてます。
本邦のクレデリオ錠は周りをイヌが食べやすいように薬剤の周りがコーテングされています。
■ ブラベクト錠
ブラベクト錠(成分名 フルララネル)
錠剤で3ケ月作用時間が続く薬剤です。
ネコではスポットタイプ(背中に垂らすタイプ)が認可されています。
■シンパリカ、サロラネル
(写真 シンパリカ トリオ XS)
サロラネルはノミ、マダニの薬剤で1ケ月有効です。写真のシンパリカ トリオ XSはサロラネルに加えモクシデクチンとピランテル配合されフィラリア予防、回虫駆除も可能です。
犬猫用、皮膚滴下剤
■商品名 フロントライン®、
マイフリーガード® ■成分名 フィプロニル(Fipronil)
フェニルピラゾール系の外部寄生虫駆除剤フィプロニルを含有します。商品名は2種ありフロントライン®は先発品、マイフリーガード®はジェネリック品です。実験では薬効は両方とも変わらないため本院ではマイフリーガードを中心に販売しています。
ノミに対しては犬で約2カ月、猫では約5週間効果が持続します。マダニに対しては犬猫ともに約1カ月間効果が持続します。またシラミにも作用します。
皮膚に付着すると、脂肪に富む体表や表皮に分布し、さらに皮脂腺に集まりプールされます。そこから徐々に皮脂とともに皮膚や被毛上に放出され ノミ・マダニを接触によってすみやかに駆除します。このことにより長期間の持続効果が得られ、シャンプーや水浴の影響もうけにくいとされています。皮脂腺を使って予防するこのタイプの薬剤は90%ノミ死滅には6-12時間かかります。
フィプロニル製剤でプラスがつくにはフィプロニルと(s)-メトプレンの合剤です。(s)-メトプレンが含有している製品は、ノミの卵の孵化、幼虫から蛹への変態を阻害します。本院の経験的ではフィプロニル製剤単剤と効果はあまりかわないと考えてあり使用してません。
フィプロニルはウサギはじめエキゾチック動物(フェレットを除く)には禁忌とされています。
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■フロントライン スポットタイブ 犬猫用です。
フロントライン® スポットタイブ
スポットタイブとは皮膚にたらして効能を示す薬剤をさします。
10週令から使用できます。
1回スポットすると、ノミ(2ケ月)、ダニ(1ケ月)、シラミに効能があります。
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■フロントライン、スプレータイプ
フロントライン® スプレータイプ
スプレータイプは人気はありませんが、写真のような生後2日目の犬猫から使用可能です。効能はスポットタイブと同じです。
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■ジェネリック品、マイフリーガード
マイフリーガードはフロントライン®のジェネリック品です。効能はフロントライン®と同等とされています。
■商品名 レボリューション® 成分名・セラメクチン(Selamectin)製剤
犬猫用の製品です。効能は動物医療用薬品に属し、フィラリアの予防(犬猫)、成ノミ駆除、卵の孵化にも抑制(犬猫)、耳ダニ駆除(犬猫)、駆虫剤、回虫(猫)と幅広く使用できます。マダニには効能はありません。スポットタイブでは一番早く、生後6週令から使用可能です。6週以上の犬猫に可能です。スポットオンタイプの薬剤で早い時期から使用可能です。
イベルメクチン(Ivermectin)に過敏なコリーなどにも効能使用量なら安全でに使用できます。
またこの薬剤は効能外使用でエキゾチックにも比較的安全に使用できます。
投稿者:
2021.12.10更新
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芽胞菌によるポメラニアンの下痢
3歳の雄のイヌ(ポメラニアン)が下痢を主訴に来院しました。
5日前ペットを預けてから下痢をおこしているそうです。
下痢の数は1日に5-10回もあるそうで、1回の便の量は少なく、しぶりも診られるそうです。
検便は直接法では虫卵は陰性でした。簡易染色すると虫ピンようなの芽胞菌(黒矢印)が多く診られました。
この所見から菌名まで断定はできませんが、クロストリジウム(Clostridium)の感染が推察されます。
この菌は常在菌ですがストレスで増加します。過去にも長期間伊勢、志摩を旅行してきたイヌや。箱根の坂道で車酔いしたイヌにもみられたことがありました。
治療はメトロニダゾール( metronidazole)の投与が有効ですが、薬剤が苦いことが欠点です。
投稿者:
2021.09.15更新
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ネクスガード®を飲んだら犬回虫(Toxocara canis)
(写真1)4ケ月のビーグル犬から排泄された犬回虫(Toxocara canis)の成虫
このワンチャンはフィラリア予防を兼ねてネクスガード®を処方しました。
すると犬回虫が排泄され来院しました。(写真1)
ネクスガード®はフィラリア予防ほか、犬回虫、犬鈎虫、犬鞭虫、ノミ、マダニの駆除効果があります。
ペットショツプで購入したワンチャンで、駆虫は済んでいると説明されていたらしいですが、稀に駆虫エラーはあります。
投稿者:
2020.09.01更新
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イヌ回虫のゴールデンレトリバー
(写真1)イヌ回虫、学名:Toxocara canis
4ケ月雌のゴールデンレトリバーです。
1ケ月前、当院での検便では異常ありませんでした。
2日前、フィラリア予防のためネクスガード®を飲ましました。すると大量の回虫が排泄され来院しました。
(写真1)
ネクスガード®はフィラリア予防薬ですが、同時にノミ、マダニ、犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫の駆除が可能です。
この症例がなぜ事前の検便が陰性なのにネクスガード®の経口投与で虫体が排泄されました。実際はイヌ回虫に感染していた訳です。なぜこのようなことがおきたかを説明します。
まず糞便は、均一に虫卵が分布している訳ではありません。虫卵は排泄する日としない日があります。
均一に虫卵がいると仮定して犬回虫の産卵能力と検便の検出率について説明します。犬回虫卵は1日の10kg雌犬の推定便量130g中に900-2000個の犬鞭虫卵を産みます。糞1gあたり154-1540個に相当します。直接法で検便を診るとプレバラート1枚当たり便量は2-3mgになり、0.3個-4.6個の犬回虫卵が見れる計算になります。そのため直接法で検便をしても検出率はまずますですがエラーは生じる可能性はあります。
浮遊法・遠心法の中で最も検出率のよいとされる硫酸亜鉛遠心法を使用すると便0.5gの回収率を50%として計算するとプレバラート1枚当たり39-390個の犬回虫卵が見れる計算になります。
またプレパテントピリウドといって宿主に感染後して虫卵や幼虫を排泄できるまでの期間を指します。この時期に検便をしても、感染は成立していても、検便では陰性になります。犬回虫のプレパテントピリウドは専門書により異なりますが50-60日前後です。
以上の理論で犬回虫は単回の検便では検出ができない場合もあり、診断には複数回の検便と硫酸亜鉛遠心法を併用することがベストです。
この症例のように試験的に回虫などを駆虫可能な薬剤を投与して様子を診ることが現実的です。
投稿者:
2020.07.20更新
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ハクビシンに噛まれた犬
当院のある川崎市多摩区は緑地公園もありハクビシンも生活しています。
朝の散歩で臀部を噛まれれ4歳のヨークシャテリアが来院しました。
毛を刈るとこんな様子です。
消毒をおこない抗生剤を処方しました。
1週間後、だいぶ良くなりました。
このイヌもそうですがハクビシンは突然でてきて噛まれます。そしてなかなか噛みついて離しません。
オーナーが蹴飛ばしてやっと離すぐらいです。
ハクビシンがいる情報を得たらその付近は散歩しかないほうがよいです。
万が一か噛まれたら、化膿を起こさないよう早めに動物病院を訪れてください。
投稿者:
2020.04.25更新
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キットカットを飲みこんだ犬
夜、写真のキットカットを飲みこんだ4.2kgのポメラニアンです。
このキットカットの噛みついて穴をあけた袋をまるごとのみ込んだそうです。
犬はチョコレート中毒があります。夜間動物の施設でチョコレート中毒に対する処置として活性炭を投与し点滴もおこないました。
その後夜間の夜間動物では手術を薦められましたが、オーナーはイヌは元気なので、様子をみたいことで当院に転院してきました。
当院でのレントゲン検査ではこのキットカットはうつりませんでした。
腸閉塞(イレウス)がおこっては大変です。腸閉塞(イレウス)の重要な臨床症状は嘔吐、下痢、食欲不振がないかみてもらうことにしました。
しかし翌朝、便から写真のキットカットがでてきました。
お菓子、イヌ、ヒトの薬剤、裁縫の糸つき針などイヌちゃんが行動できる範囲におくと誤食されやすいです。
十分に注意して飼育されることをお薦めでします。
投稿者:
2020.04.15更新
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芽胞菌による柴犬の下痢
便の簡易染色。芽胞菌(赤矢印)多く診られました。
柴犬5才が軟便を主訴に来院しました。
いろいろ稟告を聞きましたが、原因の特定にはいたりませんでした。
便を簡易染色したところ、芽胞菌(赤矢印)多く診られたので、この芽胞菌に効くフラジール®を処方しました。
フラジール®は粉末であたえると、ものすごく苦い薬です。ビルポケット®にいれるなど工夫をしないとなかなか飲んでくれません。
投稿者:
2019.09.06更新
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犬の抗てんかん薬について
この項ではイヌの抗てんかい剤について解説します。
ゾミサミド製剤・上から
イヌ用(コンセーブ®、エピレス®)
ヒト用(エクセブラン®)
■ゾニサミド(Zonisamide)
1888年にヒト用で日本で発売された薬剤(エクセグラン®)です。2000年に入りアメリカでイヌに使用したところ、抗てんかん薬として高い評価を得てその後日本でも使用するようになりました。大脳ニューロンの興奮ニューロンを抑える作用が主な作用です。
2014 年イヌ用(コンセーブ®、エピレス®)が日本から販売され、その後の抗てんかん薬はこの薬剤を中心に使用されています。
コンセーブ®は裸錠で砕いて使用も可能です。エピレス®はメープルシロップが含有されており嗜好性が良い点が特徴です。当院ではエピレス®を好んで使用しています。
特発性(強直間代けいれん発作)、焦点性の発作をすべてに効能を示します。
この薬剤の特徴は副作用が少なく、4-5日投与で血液中のゾニサミド濃度が治療域になるケースが多い点です。(抗てんかん薬は薬物半減期×5で定常状態になります。)
ただし個体差がありますので、必要に応じて血液・生化学検査、血中濃度を定期的にモニターすることをお勧めします。
臭化カリウム、レペチラセタムとの併用は可能ですが、フェノバルビタールからゾニサミドにかえる場合は注意が必要です。
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フェノバルビタール製剤
特徴として錠剤(写真右)・シロップ(写真左)・粉など
薬剤形態はさまざまなものがあります。
■フェノバルビタール(Phenobarbital)
2014 年イヌ用(コンセーブ®、エピレス®)が日本から販売されるまで、最も多く使用されてきました。長所は錠剤(写真右)・シロップ(写真左)・粉など薬剤形態はさまざまなものがあり、剤形を選べる点です。錠剤しかないゾニサミドに比べるとバリエーションがあります。
GABAaレセルターに作用してCl-流入を促進して、主に抗閾値作用を示します。80%前後のてんかんに有効です。抑制ニューロンをより強化する薬剤です。
この薬剤はは長い使用歴史があり一番詳細が解明されています。投与を始めて約2週間投与もかかってやっと血中濃度が治療領域になります。ゾニサミドは上記のように4-5日投与でゾニサミド濃度が治療域になることくらべたら、時間がかかる点は欠点です。
血中薬物濃度が15-35μg/mlで安定していることが理想とされてます。36μg/ml以上の時期が長いと将来的に肝臓障害、食欲亢進、他の薬剤との併用に注意を要するなど副作用をおこすことが多いです。用量の調節、別の薬剤への移行を考慮しなければなりません。
臭化カリウム、レペチラセタムとの併用は可能です。上記しましたが、フェノバルビタールからゾニサミドにかえる場合は注意が必要です。
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プレガバリン製剤
■プレガバリン(Pregabalin)
難治性てんかんに使用されている薬剤です。使用の際は低用量からが良いといはれています。まだ多くは使用させていないので詳細は不明ですが長期投与しても可能な意見もあります。
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■臭化カリウム(Potassium bromide)
イヌでは単独でのコントロールは難しいので、フェノバルビタールまたゾニサミドとの併用で使用されています。粉しか剤形はありません。ネコは禁忌です。
GABAbレセルターに結合します。作用機序は生体内でBr-がCl-の代わりに細胞内に流入して過分極を生じ、抗閾値作用を示すことで大脳皮質の知覚並びに運動領域の興奮を抑制します。抑制ニューロンをより強化する薬剤に入ります。
この楽剤はBr-と性質の近いCl-との競合作用には注意が必要で、イヌと海水浴に出かけた後、尿路結石に罹患して塩分の多い食事に変更になった後は効能が減弱します。
半減期が長く(16.5-25日)この薬剤も血液中薬物濃度測定が大切です。臭化物の濃度に達するまでに2-3週間、治療領域まで3-4ヶ月を要します。(単剤でのデーター)
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ジアゼパム坐薬、
自宅で痙攣がおきた場合はこの座薬がお薦めです。
ジアゼパム注射液
■ジアゼパム(Diazepam)
ジアゼパムはベンゾピアシリン系薬剤に属します。ヒトでは長時間効能を示しますが、犬では速効性のある短時間作用型の薬剤です。そのためてんかんの維持使用は不向きです。てんかんで痙攣がおきている場合のみとして有効な薬剤です。
犬で長期的に連続使用をすると、耐性ができやすく効果がなくなっていくことががわかっています。動物病院では注射液の使用が多いですが、坐薬があり(写真)発作時に自宅で入れてもらうことでも利用できます。
またジアゼパムをこれまで多く使用している犬は、他の抗痙攣作用のあるベンゾピアシリン系薬剤を使用しています。(ミダゾラム、フルニトロゼパム)
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---------------------------------------------------------------------レペチラセタム
■レペチラセタム(Levetiracetam)
ベンゾピアシリン系薬剤でも痙攣がとまらない場合はレペチラセタム(イーケプラー®)を使用しています。注射剤は緊急事に静注使用が可能です。
錠剤は抗てんかん剤の薬剤変更時などの痙攣発作に短期で使用しています。この薬剤は長期使用は耐性を生じる場合も報告されており使用は注意が必要です。
またどの抗痙攣剤にも反応しないときは麻酔薬を使用しています。
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