小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.11.22更新

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boartiger犬猫の注射による「避妊」について


 成分名、プロリゲストン(薬品名、コビナン)を注射により、犬猫の発情を抑制します。
簡単に言えば避妊手術をしなくても発情のコントロールが可能な薬剤です。
しかし長期投与の場合は注意が必要です。

●使用動物 dog犬 ・tiger(認可は日本では犬のみ) 

 犬は単発情の自然排卵、猫は多発情の交尾排卵の動物ですが、プロリゲストンの使用法はほぼ同一で可能です。使用は犬猫とも雌のみの使用になります。雄は投与しても去勢したような効果はありません。

dog・初回・3カ月 次回4カ月 3回目は5カ月間隔で98%が有効です。ここまでが認可投与です。発情抑制が目的なので、教科書的には引き続き、5ヶ月間隔で維持投与をおこなっています。

tiger・使用方法は犬に同じですが有効性が80%になります。猫への使用は効能外になります。世界34ヶ国で使用されていますが猫に認可がない国は日本のみです。

  この薬剤はデポタイプ(1回の注射で長期効能ある薬剤の意味)なので個体差は激しいと筆者は考えています。そのため維持投与は症状をみて投与期間を決めています。
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■プロリゲストン注射の対称は
①将来繁殖を考えている方で一時的に発情を止めたい方。(この薬剤をやめると発情は回帰します。)
②また重傷な疾患(例えば先天性心疾患、肝臓疾患など)で避妊手術が難しい方が対象になります。

 このプロリゲストンを長期投与した場合、未避妊犬猫より、子宮疾患になる可能性は高いことが統計上証明されています。また多くはありませんが糖尿病の報告もあります。
そのため健康な犬猫に本剤での『避妊』は薦められません。


コビナン

 現実的には、犬猫が生まれつき体が弱く、避妊手術も危険のある場合、発情回避目的でプロリゲストンを使用しています。現在当院で使用している症例も先天性心疾患の疑いがある猫です。

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■プロリゲストン注射の禁忌
①妊娠の疑いのある場合、
②子宮・卵巣疾患に現在陥っている場合、
③注射跡がのこるケース、
④重症な病態は使用できません。


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投稿者: オダガワ動物病院