小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.03更新

おrabbitウサギのツメダニ症
Cheyletiella parasitivorax) 


  門歯の過長で以前から診ていた8才のウサギの皮膚に急に『ふけ』がおおくなったため川崎市宮前区から来院しました。

8才になり最近急に「ふけ」が多くなったとのことです。

 
    ツメダニ    ツメダニの卵
 
皮膚検査して、顕微鏡で観察すると、ツメダニとツメダニの卵が検出されました。

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■生活史、発症年齢
 このツメダニは、終生宿主上(ウサギの皮膚の上)で生活します。(卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニ)。幼ダニは皮膚を刺す行為をおこないます。気温にも異なりますが3-5週齢が寿命です。
 症状は痒みはある場合とない場合があります。本院では年をとったウサギでよく診ます。(本症例も8才)ウサギの飼育は外部の動物と接触がないことが殆なため、もともとツメダニがいたと推測されます。若いウサギでは抵抗力がありますが、ツメダニの寄生数が多い時やまた抵抗力の弱い場合は発症すると考えています。
 時々オーナーの手に赤い点々を診ることがあり、だぶんツメダニにさされた後ではと推測しています。
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■治療
 
レボリューションは本来は犬猫用ですが、rabbitright arrowウサギに効能外使用できる薬剤のひとつで皮膚に滴下するのみの薬剤で1ヶ月の効力があります。ツメダニは14-20日位で良くなります。月1回で最低3ヶ月の使用を薦めています。1回のみでは再発します。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

お
rabbitウサギにおけるノミ幼虫の発見

①  
■来院した写真①ウサギとオーナーが持参した写真②「黒く動くもの」

 飼育している4才雄ウサギの周囲に、このような「黒く動くもの」がおちていたそうです。

顕微鏡でみるとノミの幼虫がみられました。

 最近は犬猫でもこのノミの幼虫を診ることは殆どなくなりました。
環境中のノミ幼虫の発見はノミ成虫の感染を意味します。
ウサギのノミ感染は、種を越えて感染する可能性がある猫ノミが多いです。
しかしこのオーナーは室内で飼育で、他の動物はかってません。どこからノミが侵入してきたか不明です。
しかし靴底などに卵がついて、室内に運ばれ、感染する場合は希にあります。
そしてマンションなどにお住まいだと、部屋の温度、湿度が高く、ノミが発育しやすい環境になります。


■処置
 ノミの駆除には成虫駆除環境の整備が必要です。


そこで、ノミ成虫の駆除にはright arrow(詳細)レボリューション®を使用しました

犬の例ですが、ノミは上記のようなライフサイクルをとります。
(メルク社のポスターより、改)


環境の整備として、飼育に使用しているものを熱湯消毒、また部屋の通気を指示しました。


rabbitウサギに使用可能なノミ・ダニ製剤

③ 

 ウサギに使用可能なノミ・ダニ製剤は写真③レボリューション®(成分名・セラメクチン)写真④のアドバンテージプラス® またアドバンテージハート®、フオートレン®(すべて成分名・イミダグロプリド含有製剤)のみです。
 ウサギは他のノミ、ダニ製剤を使用すると死亡する場合もあります。
 この薬剤は効能外使用になります。また商品名、パッケージはメーカーの都合で、変わることがありますので、詳細は診断した獣医師にお尋ねください。

rabbitright arrowウサギのレボリューションの詳細はこちら


 

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 【break time】

あflower2朝鮮アサガオ

麻酔の全投薬アトロピンの原料になります。
しかしウサギの60%はこのアトロピンを分解する酵素をもしっていて効果ない場合が多いです。


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

お
rabbitウサギのミミダニ症
(正式名・ウサギキュウセンヒゼンダニ Psoroptes cuniculi

 新しいウサギを迎えたところ、両方の耳を痒がることで川崎市麻生区から来院した症例です。耳垢が多くあり、綿棒で採取すると耳ダニが発見されました。
 
感染は耳ダニに感染しているウサギとの接触でおきます。そのため購入時または預かってもらった施設が耳ダニに蔓延している不衛生な施設にあった場合におきます。自宅でずっと飼育していて、耳を痒がる場合は他の原因が考えられます。このお宅は同居のウサギがいるので、そちらにも駆虫薬をお願いしました。 

 以前はウサギのミミダニはよく診かけましたが、最近は珍しい疾患になっています。

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右耳 左耳
cameraウサギの耳ダニ、左右耳の所見

 このような痂皮・鱗屑が耳の病変になります。またやたらに耳を痒がります。耳介に後肢で掻いた爪の跡が残る位です。犬猫の耳ダニように耳垢は黒くはなりません。

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ウサギの耳ダニの顕微鏡写真

 耳垢を綿棒で採取して顕微鏡で診ると、耳ダニ(正式名 ウサギキュウセンヒゼンダニPsoroptes cuniculiが発見されました。体長はメス0.37-0.55mm、オス0.4-0.75mmです。運がよければ、拡大ルーペでもみえることも可能です。生活史のすべてを外耳道で過ごし表面の上皮や組織液を食べて生きています。寿命は3週間位です。

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 この症例の治療には写真のレボリューション®(成分名・セラメクチン Selamectinを使用しました。
 この薬剤は背中の皮膚に垂らすのみです。皮膚より吸収して血管に入り、全身に効能を示す薬剤で、当然、耳にも薬剤は分布します。犬猫のミミダニに唯一認可のある薬剤です。

 犬猫用ですがウサギも安全に使用でき、だいたい耳ダニは4-5日でよくなります。耳掃除は必要ないケースが殆どです。
 あれこれ薬剤をほしがるオーナーもいますが、ウサギの耳に二次感染がなければ、他の点耳薬(抗生剤、抗炎症剤)の併用は必要ありません。


 耳ダニの生活史は3週間です卵・幼ダニ・前若ダニ・後若ダニ・成ダニ、5期をすべてを外耳で過ごしますまれに肛門付近や陰部、四肢に寄生したケースもあります。

 レボリューション®を使用する際の注意点として、ミミダニの卵には効能は示しませんので、レボリューション®は1回のみの使用だと再発します。
 本院では、耳ダニの生活史を考慮して、
月1回で3ヶ月間(合計3回)はレボリューションを皮膚にたらしてもらっています。また念のため、ウサギの使用製品の熱湯消毒も併せてお願いしています。

dire他の動物のミミダニ
tigerright arrow猫のミミダニ症
tigerright arrow猫のミミダニ症その2
snakeright arrowフェレットのミミダニ症

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 ■点耳用のミミダニ駆虫剤
 以前は皮膚の薬剤を希釈して点耳使用してました。セラメクチンの販売で、今は点耳はやる必要はなくなりました。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あrabbitウサギの蟯虫について(Passalurus ambiguus)


あ
camera、生後5ケ月のrabbitウサギの糞に白い虫が見つかったので
地元川崎市多摩区から来院しました。
ウサギでは蟯虫の虫体と便が一緒に排泄されて動物病院を訪れることが多いです。


 

あ

あ
cameraこの2枚の写真は他の症例(宮前区から来院)ですが、
このように濃厚感染している場合もあります。

あ
camera肉眼所見、便から虫体を分離すると先が細い形態になります

う
camera虫体の顕微鏡写真(虫体が長いので顕微鏡40倍2枚を合成)

 この特徴的な成虫の形態からこの症例はウサギ蟯虫と診断しました。

up arrowrabbitウサギの蟯虫についてに戻る


あ
camera小学校のときおこなったセロハンテープをお尻に付けた蟯虫検査

 蟯虫はウサギのみでなく、ヒトでも診られます。お尻に小学校のときセロハンテープをお尻付けた検査(上記)を記憶している方も多い想います。あれが蟯虫検査です。
(備考・蟯虫検査は子供の検出率が1%以下のため2015年度限りで廃止)

ほかに本院に来院する動物ではmouseright arrowハムスターにも蟯虫は診られます。

 rabbitウサギ蟯虫(Passalurus ambiguus)、mouseハムスター蟯虫(Syphacia mesocriceti )、ヒト蟯虫は(Enterobius vermicularis) は肉眼では似てますが、学名の英語スペルが異なるように、属が異なりお互い感染し合うことはありません。

up arrowrabbitウサギの蟯虫についてに戻る


 ■rabbitウサギの蟯虫の特長
  本院では来院年齢は比較的若い1-2才が多いです。見た目『気持ち悪い』と感想を述べられるオーナーが多いですが、ウサギと蟯虫は、片利寄生性という共存関係にあり、食欲不振、下痢など臨床症状をだすことはまずありません。
 夕方から夜に肛門付近に出現するため、夜間に虫体が発見されるケースが多いですが、上記した理由で急いで動物病院に行く必要はない疾患です。本院では朝一番で来院するケースが多いです。

rabbitウサギの蟯虫の診断
  診断は上記したように成虫の虫体に特徴があるので、持参された虫の視診が主です。夕方から夜に肛門付近に出現する習性を利用してその時間帯にセロハンテープをウサギの肛門付近にあてると発見されやすい場合もあります。また検便で虫卵が診られる場合もときどきあります。

あrabbit別の症例で検便で虫卵が診られたケースもありました。

rabbitウサギの蟯虫の駆虫について
  片利寄生性という共存関係にあり、駆虫はしなくてもいいのではという意見もあります。
薬剤は蟯虫は線形動物門に属するのでright arrow回虫駆虫と同じになります。
right arrow経口投与剤が主に使用されてますが、嫌がるウサギも多く、本院では写真のような皮膚にたらすright arrowスポットタイプを使用しています。
 プレパテント・ピリオドが55-60日なので、2ヶ月後に再駆虫で来院してもらっています。しかし生活史が複雑なため駆虫薬を投与しても、希に蟯虫が再発する場合もあり、
その度駆虫薬が必要になることがあります。この点が注意点です。

 本院はこのウサギの蟯虫をこれまで何百例か診てますが、約9割のオーナーは駆虫を希望します。追跡調査が可能の範囲で、駆虫薬を投与して、再発のあったのは2例です。

あcamera皮膚にたらすスポットタイプの回虫駆虫剤

 up arrowrabbitウサギの蟯虫についてに戻る


 


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rabbit
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あ
ウサギの前房蓄膿 
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 地元川崎市多摩区からの来院です。
 ウサギの前房蓄膿は目の前房部分に膿瘍を形成する疾患です。
重傷な角膜炎や前ブドウ膜炎に伴い、血液房水関門の破壊にり、好中球が前房に遊走した状態をさします。
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ウサギの前房蓄膿の原因 
  原因としてpasterella multocidなどの血行性細菌感染が報告されているますが、臨床的には原因の確定は難しいことが現状です。

ウサギの前房蓄膿の治療 
 抗生剤と抗炎症剤の点眼の併用で3ヶ月以内に90%はよくなります。
 しかし再発率も高く点眼薬をやめると70%は再発します。
 
 著者の動物病院ではよくなったところで、点眼回数を減らして、必要時に眼科検査に来てもらい維持している症例が多いです。しかし生涯点眼液が必要なケースが多いです。

 本症例も点眼で3ヶ月で一端はよくなりましたが、点眼をやめたところ再発したケースです。
                                              



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flower2

 

 


投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あ
rabbitウサギのツメダニ症


ツメダニ写真20141015  rabbitツメダニ時の皮疹 


  rabbit年齢は4才雄で、種類はロップドイヤーです。川崎市宮前区からの来院です。
ウサギのツメダニ症は背中を中心にcamera写真のように「粉が吹き出したような痂皮」を形成して来院します。 痒みは「ある意見」と「ない意見」があります。このウサギは痒みはないとのとこでした。
 ツメダニはヒトも刺しますので注意が必要です。このオーナーは異常はありませんが、手に紅斑が診られてくるケースもあります。

ツメダニ
 セロハンテープで皮膚検査をするとcamera写真のツメダニの成虫が発見されました。

ツメダニ卵
またcamera写真にはツメダニの卵もいました。 

 book治療はセラメクチンを背中に滴下しました。セラメクチンは犬猫用ですが、ウサギにも安全に使用できます。
 ウサギはright arrow犬猫用のノミ・ダニ製剤の中でウサギに禁忌の製剤もありますの使用の際はかかり付けの動物病院によくお尋ねしてください。
 セラメクチンはツメダニ成虫には効能を示しますが、卵には効能を示しません。そのため本院では卵が成虫になる時間を考慮して、セラメクチンを月1回のペースで、3回、背中に滴下してもらって完治させています。


 

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あflower2イワキキョウ


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あrabbitウサギのコクシジウム症について


  ウサギのコクシジウム症は最近ペットショツプが衛生的になり殆どみなくなりました。

 症例はウサギ 雌 6ヶ月 雑種で健康診断で川崎市多摩区からの本院を訪れました。『ウサギの専門店』での検便で『異常なし』とのことで購入しましたが、本院でコクシジウムを発見したケースです。コクシジウムは便に均一に寄生している訳ではんく、検便はだれが診ても100%はありません。

あrabbit1)本症例のコクシジウム

あrabbit2)別症例のコクシジウム

  コクシジウムはアイメリア科とイソスポラ科に分かれます。
 ウサギはアイメリア科(Eimeria、spp)の感染になり、12種以上の属が同定されています。
 肝臓(主に胆管)と腸に感染します。

 肝臓(主に胆管)に感染するE.stiedaiは最も病原性が強いとされています。オーシストは胆管上皮で形成された後に胆汁とともに腸管腔に排泄されます。発育分裂がさかんな時期には胆管上皮を破壊し、胆汁の刺激等で炎症を生じ、胆管炎を併発します。すると継続的に胆管は肥厚し胆汁のうっ滞を招き、その結果消化障害や下痢などの臨床症状もおこします。通常の検便で検出は可能です。

  腸に感染するコクシジウムは検便で診断します。コクシジウムの病原性は種によって異なりますが、顕微鏡所見では(rabbit1)のような円形の形態と(rabbit2)のような楕円形の形態が診られますが、顕微鏡所見では強弱の判断はつかないため、虫卵を発見したら駆除することがベストの選択です。

●ウサギのコクシジウム症

●肝臓(主に胆管)コクシジウム Eimena Stiedai
●腸コクシジウム Eimena Perforans、Eimena.Magna、Eimena Media Eimena.Irresidue など
 
●治療
 サルファ剤を使用します。尿がアルカリ性のうさぎではサルファ剤は殆ど副作用のない薬剤です。
 紹介した症例はサルファ剤のスルファモノメトキシン(sulfamonomethoxine)を処方して、その後よくなりました。サルファ剤は1-2週間の投薬治療が必要でまた状態によってはもっと時間のかかる場合もあります。
 サルファ剤は直接コクシジウムに作用する特異的駆虫剤ではありませんが 、真核動物であるコクシジウムへの浸透がよい薬剤です。
 bookright arrowトルトラズリルToltrazuril)を使用も可能です。投与が1回ですむので便利ですが、日本ではウサギに多く使用されていない点が欠点です。牛用・豚用、dogright arrow犬用の効能外使用になります。


 

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2018.04.03更新

オダガワrabbitウサギの便が肛門、足底に付着、蛆がわくこともあります。



uji1

「肛門に着いた便が採れないので何とかしてほしい」とのことで来院したネザーランドドアーフ10才雌です。
このような状態は衛生的によくありません。膀胱炎を誘発する原因になります。
ウサギは無理に抑えると、腰椎骨折など事故があります。注意してオーナー自身で採るか 無理ならは早めにウサギ診療可能な動物病院で採ってもらうことを薦めます。

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uji3camera写真は友人の動物病院からの提供ですが、このような状態を放置すると蛆が湧く症例もあります。 ---------------------------------------------------------------------
   

uji2■採取した便 

 本症例はゆるま湯で便をふやかして採りました。異論はありますが本院では局所でもウサギのシャンプーはしないほうがよいと考えています。

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あ別の症例ですが、足底に便がついて来院した2歳の雄のケースです。(スリッカーで便を採っているところ)

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 また違う症例で8才のネザーランドドアーフの雌が肛門に便がついたとのことで来院したこともありました。

便をぬるま湯にしめらせたガーゼーでとりました。 


 

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2018.04.03更新

オダガワ

bookフィプロニール(Fipronil)は
ウサギ、モルモット、ハムスターなどには絶対禁忌です。



フロント

 フィプロニール(商品名 フロントライン・マイフリーガード)は犬猫では良いノミ・ダニ剤です。どの地域かわかりませんが、近所の動物病院でフロントライン(成分名 フィプロニール)をウサギの皮膚滴下してから、食欲がないとの電話がありました。 その後来院はなかったので予後は不明ですが、フィプロニールはウサギ始め、モルモット、ハムスターに使用すると死亡する場合もよくあります。そのためエキゾチックには絶対禁忌なノミ、ダニ剤です。
(備考・フェレットのみ可能な意見もありますが著者はフェレットでの使用経験なく、詳細は不明です。) 


■エキゾチックに禁忌なノミ・ダニ剤
商品名・フロントライン・マイフリーガードなど
成分名・フィプロニールFipronil


フロント2 

フロントラインの説明書にはウサギに使用不可と記載されています。

ふろんと3
 写真は学会発表があったウサギのフィプロニール中毒例です。



日本ではノミ・ダニ製剤はウサギ始めエキゾチックに認可された薬剤はありませんが、安全に使用できる薬剤はあります。

rabbitmouseboarright arrowエキゾチックに使用可能なノミ・ダニ剤

 

ウサギ始めエキゾチックは抗生剤も注意が必要です。

rabbitmouseboarウサギ・モルモット・ハムスターと抗生剤


 

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2018.04.03更新

あ
rabbitウサギの外部寄生虫

 当院に来院のあったウサギの外部寄生虫を紹介します。 


rabbitright arrowウサギのツメダニCheyletiella parasitivorax  

あ
 right arrow本院ではrabbitright arrowウサギの皮膚病疾患で一番多く診ます。
■診断
皮膚をセロハンテープで採取することで診断可能です。
■症状
 ウサギの背中の正中に沿って、痂皮がみられることが多いです。若いウサギはツメダニの大量寄生で症状を訴えて来院しますが、少数寄生の場合、加齢で免疫力が低下してから皮膚病変が生じて来院するケースがあり、痒みは訴える場合とない場合があります。
本院では後者の症例が多いです。ウサギのツメダニはヒトへの感染も報告されています。

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■ウサギのrabbitright arrowズツキダニListrophorus gibbus 

あ
 ウサギの皮膚に「白から茶のこしょう」のような垢がみえて、この垢が動くという主訴でright arrow来院します。
 毛にクシを入れると同様のものが採取可能な場合もあります。セロテープで虫体を採取して顕微鏡で診たところズツキダニが発見されました。この症例は形態より雌です。(写真)
 このrabbitright arrowズツキダニはウサギの体幹部に寄生し皮膚から組織液を吸って生活します。ウサギに症状はありません。(希に痒みを訴える個体もいますが)またヒトへの感染もないとされています。
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■ウサギとノミ(flea)

あ

 rabbitright arrowウサギへの感染は殆どがネコノミで、イヌ・ウサギ・フェレット・ヒトなど種を超えて感染します。日本ではイヌへのノミ感染も70%位がネコノミです。この症例は家のお子さんが猫をたくさんかっている家に遊びにいくので感染がおきたとright arrow来院では推察した症例です。
 
 ノミの大きさは大体0.3mm-0.4mmでノミから見て人間の大きさはエベレスト山ぐらいに相当します。通常10-20日間生存でき、雌は1日10-20個の卵を産みます。3-4週間で成虫になります。また蛹は1年位生存できる場合もあります。ジャンプが得意で約1mも跳ねます。これは人間に例えれば東京タワーの第一展望台まで飛び上がることに相当します。跳ねて動物の皮膚に移り寄生生活を始めます。

 また温度・湿度・環境によりノミの増殖は左右します。東京付近 のマンションなどでは風通しが悪く、湿気が高く、ノミが増えるには良い条件になっている場合が多く、right arrow本院のノミ症例もマンションで飼育している方が結構います。風通しの良い「田舎のおじいちゃん・おば ちゃんの家」が ノミを繁殖させないとこには理想的な環境みたです。
----------------------------------------------------------------------
■マダニとウサギ

あ
  写真のように、ウサギも家の庭で飼っているとマダニが感染することもあります。
 抗ダニ剤の使用で、マダニはいなくなりましたが、また庭に放すのでマダニがつくことを繰り返した症例です。

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■ウサギの疥癬症

あ
希ですがウサギの疥癬症はいます。普段皮膚が薄い部分が「かさぶだ状」になって来院します。
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■ウサギの外部寄生虫駆虫薬 
 本邦ではウサギ用に認可されたダニ・ノミの駆虫剤な、効能外使用になります。rabbitright arrowウサギに安全に使用できる犬猫用ダニ・ノミ製剤ありますが、一方rabbitright arrowうさぎに使用不可な犬猫用のダニ・ノミ駆虫剤もあり、それらの使用でright arrow死亡例も報告されています。処方はウサギの診療に詳しい動物病院を尋ねておこなってください。
(備考・ウサギはrabbitright arrowダニ・ノミ製剤rabbitright arrow抗生剤の使用は要注意です。)

 

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rabbitright arrow
ウサギの消化管寄生虫

 

dire他の動物の外部寄生虫は

dogright arrow犬の外部寄生虫
chickright arrow鳥類の外部寄生虫


 

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投稿者: オダガワ動物病院

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