■犬フィラリア予防薬 各種
日本では現在フィラリア予防剤は剤型を含めてかぞえると20種類ぐらいあります。
引っ越し・転院などで、動物病院が変わると同じ薬剤はなかなか処方できないのが現実ですが、フィラリア予防剤の承諾を得ている薬剤なら、変更になっても心配はいりません。
予防は本院では蚊のでる時期に合わせて5-11月の月1回の投与を推奨しています。また皮下注射で1年間も作用が続くプロハート12®(成分名、モキシデクチン)も使用可能です。
■フィラリア予防薬剤形は
①経口薬(チュアブルタイプ)
イベルメック®(成分名、イベルメクチンとパモ酸ピランテル)はチュアブルタイプで嗜好性がよくお薦めです。月1回の投与が必要です。効能は①フィラリア予防だけでなく②犬回虫、③犬鉤虫の駆除も可能です。チュアブル製剤と言って犬がビーフジァーキーを食べる感覚で製造されました。大変美味しい薬剤で、本院の調査では98%の犬が食べてくれます。
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モキシハートダブKS®(成分名、モクシデクチン)もチュアブルタイプで嗜好性がよくお薦めです。月1回の投与で、効能はフィラリア予防のみです。
■備考 チュアブル錠の意味は
チュアブル錠は噛むことのチュア(chew)とできる(able)の造語からなります。
普通の錠剤は胃で溶けて小腸から吸収されて薬効を示します。
チュアブル錠は水無しで投与でき、嗜好性が良く(犬で98%)薬剤を噛んでも苦みが無く、小腸から吸収できる薬剤形態のことを指します。
犬舎の上にチュアブル錠を置くとイヌが誤食する場合もあり、管理には注意が必要です。一度に6-7錠たべてしまったケースもあります。必ず犬の届かない場所に保管してください。 また食事アレルギーの既往歴ある犬は、かかりつけ獣医師とよく相談して使用を決めてください。
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①経口薬(錠剤)
パナメクチン®(成分名、イベルメクチン)は安価で処方できるフィラリアのみの予防剤です。月1回の投与で、効能はフィラリア予防のみです。
システック®(成分名、ミルベマシンとルフェヌロン)はフィラリアの予防、ノミの卵の孵化抑制、犬回虫駆虫、犬鉤虫駆虫と幅広く使用できます。月1回、経口投与します。
ミルベマイシンをフィラリア予防の2倍量投与すると鞭虫の駆除にもなります。フィラリア予防と鞭虫駆除量が一番近い薬剤です。実際あったケースとして庭で飼育している犬が鞭虫症になりました。犬は庭に主にいるので、鞭虫の卵が蔓延しており、鞭虫の駆虫を絶えずしないと、下痢になる症例でした。そこでミルベマイシンを2倍量投与して、フィラリア予防と犬鞭虫予防を兼ねておこないました。個々に薬剤を使用するより、副作用もすくなくリーズナブルです。
②注射製剤
プロハート12®(成分名、モキシデクチン)は皮下注射で1年間も作用が続くフィラリア予防薬です。犬のみの使用になります。
③皮膚滴下タイプ
レボリュウーション®(成分名、セラメクチン)は月1回、背中に滴下タイプです。効能はフィラリアの予防(犬猫)、成ノミ駆除、卵の孵化にも抑制(犬猫)、耳ダニ駆除(犬猫)、駆虫剤、回虫(猫)と幅広く使用できます。
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