■犬のてんかん
てんかんは脳内の神経の流れる電気回路がなんらかの影響で、過剰になり、けいれんなど発作を繰り返す病気で、意識が途切れるなど症状が一瞬から数分続くことが多い疾患です。
(写真・てんかんをおこし長期フェノバールを飲ましてコントロールが可能だった犬)
■てんかんの治療
治療は薬物療法が中心です。
ヒトでは抗でんかん剤の1-2剤使用で約6割が、コントロール可能と聞きます。
(写真・最新の注目の抗てんかん剤、リリカ®)
同様に犬猫でも約9割は薬物のみでコントロール可能です。
しかし薬剤でコントロールが困難な症例も希にいます。
なぜかといえば、脳の細胞は私達が普段使用している「延長コード」のような細胞です。
この「延長コード」が壊れるため「てんかん」はおきます。
「延長コード」が壊れた場合はプラグが壊れる場合もあれば、コードが壊れる場合もあります。
そのため治療には作用部位の異なる「抗てんかん剤」を併用を含めて、使用する必要があります。
残念ながら磁気共鳴画像(MRI)検査を使用しても脳細胞の異常部位はわかりません。
■てんかんの診断
(写真・犬で注目されている抗てんかん剤エクセグラン®)
ヒトでは
「痙攣」があれば、磁気共鳴画像(MRI)検査で痙攣の原因がつきとめることは可能です。
①「てんかん」なのか、
②また他の脳疾患もあるのか、脳に腫瘍があるかも
③なお「てんかん」ならば「どの部位」におきているのか。
また原因部位をさがして手術も可能な場合もあると聞きます。
犬においても磁気共鳴画像(MRI)は可能です。(キャミックなどで開業獣医師の紹介状があれば実施可能)
しかし
①投薬で90%はコントロールが可能な点、
②また実施には全身麻酔が必要で、高額な費用がかかる点、
③また腫瘍がみつかった場合、脳の手術、放射線治療のリスク
以上をよく考え、MRIをするかどうかは、担当獣医師とよくインホームドコンセントをとることが大切です。
◇現在の本院の犬のてんかんの診断
血液生化学検査・心臓検査で、頭部以外てんかん症状のおきる疾患を可能な限り除外して、抗てんかん剤を飲ませて経過をみてよく治療が中心です。
そして抗てんかん剤でコントロールがつかないときに磁気共鳴画像(MRI)の検査の検討されることが多いです。
なお抗てんかん薬は多くはありませんが副作用を伴う場合もあり、適時に血液・生化学検査・薬剤濃度の測定は必要です。
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