小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.26更新

あrabbitウサギの眼科関係疾患


■ウサギの眼  
 涙腺は瞬膜腺と涙腺の他に副涙腺があります。
これらはハーダー腺(皮脂腺)で脂肪を分泌しています。
そのため
①涙は白い場合もあります。
②ウサギ゙の瞬目は1時間に10-12回で眼表面が潤います。(参考・犬は1時間に360回)

 シルマーテアーテスト(涙の量)は犬猫は17-25mm/分ですが、ウサギは5-10mm/分と量は多くありません。(参考ヒトは5-10mm/5分)解剖学的に眼は横に出ているので、ぶつけるなどが原因で眼疾患が多いことも事実です。

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■ウサギの白内障 
 a

 相模原市から来院したウサギです。最近はうさぎも10歳位まで生きるウサギも多くなり白内障も診ることも多くなりました。しかし白内障は良い治療が開発された訳ではありません。これら白内障の症例は水晶体性ブドウ膜炎をおこさないように経過観察しています。痛がるようなら、早い段階で、抗炎症剤の投与を考えています。しかし病状が進行する場合もあり獣医師の立場だと頭の痛い疾患です。

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■ウサギの角膜潰瘍 
あ

 川崎市高津区からの来院です。この症例は2才のネザーランドドアーフが2日前より、急に涙が多く、目が赤くなったので受診しました。緑の部分が角膜潰瘍部位です。

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■角膜閉塞症候群 
あ ウサギの角膜閉塞症候群は別名、偽翼状片・結膜過長症などと呼ばれています。
(呼び名は獣医学で統一されている訳ではありません。)
結膜が過長して角膜を覆うウサギのみの疾患です。これまで調べた範囲では腫瘍性の変化はありません。

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■ウサギの前房蓄膿 

あ  地元川崎市多摩区からの来院です。ウサギの前房蓄膿は目の前房部分に膿瘍を形成する疾患です。重傷な角膜炎や前ブドウ膜炎に伴い、血液房水関門の破壊にり、好中球が前房に遊走した状態をさします。

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■うさぎの涙嚢炎 
あウサギの切歯・小臼歯の根尖の過長が眼科疾患を引きおこします。

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■ウサギの瞬膜(第三眼瞼)の突出 

前縦隔1

前縦隔2  川崎市宮前区からの来院です。1ヶ月位前から、左右の瞬膜が突出することが気になり受診しました。オーナーさんは眼の病気と思って来院しました。
 瞬膜がでている症例はウサギで責任病変が見つかりにくいことも多くありますが本院では70%位は胸部疾患(心臓病・胸部腫瘍)であることが多いです。この疾患も精査したところ眼の病気ではなく、前縦隔の腫瘍と診断した疾患です。

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■ウサギの緑内障 
あ

 東京都世田谷区からの来院です。写真だとみずらいですが、左眼が大きくなったことで受診しました。上胸膜の血管の怒張が診られ、エコー検査で病眼の左眼は正常の右眼の約1.4倍もあり牛眼状態で来院しました。左眼の眼圧は73mmHg(正常10-25mmHg)ありました。緑内障の点眼を処方しましたが、ここまで病状が進行すると回復は厳しいです。

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■眼窩下洞炎
a
 眼の下の眼窩下洞炎に臼歯の根尖から化膿がおきて眼が飛び出た状態です。

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 direウサギの病気
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

おrabbitウサギの結膜過長症


a

a


 1歳の雌ウサギです。この疾患はウサギ独特の眼の疾患です。眼球の結膜が眼の回りを覆ってしまう疾患です。原因不明です。
酷い個体になると眼全体を覆うこともあり、視力障害をおこします。

処置は外科的に眼の回りの結膜を切除しますが、また増殖することがあります。

本院では免疫抑制剤を点眼してから、この外科的処置をしています。ここ2例は再発はありませんが、他院のデーターでは、その方法でも再発が診られたこともあるそうです。

また3回手術をおこなうと再発しないことを経験している獣医師もいます。

この症例は今後様子をみて判断する必要がありますが、眼全体を覆う場合は手術の対称になります。しかし100%完治の方法がないのが悩むところです。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

あrabbitウサギの急性緑内障


あ

朝おきたら、ウサギの右眼が飛びでてきたため、来院しました。

STT-1
フルオルテスト(-)
結膜掻爬検査 好中球(++)
エコー検査 眼球やや腫大、眼窩後膿瘍なし
IPO 39mmHg

処方 ラタノプロスト点眼液を2時間おきに、ヒアレイン点眼、タリビット点眼

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あ

翌日の来院 眼は引っ込み、眼圧は低下したが、眼瞼の炎症は増しました。

STT-1
フルオルテスト(-)
結膜掻爬検査 好中球(++)
IPO 19mmHg

処方 ラタノプロスト点眼液、ヒアレイン点眼、タリビット点眼
1日2回

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あ

1週後の来院

 STT-1
フルオルテスト(-)
結膜掻爬検査 好中球(-)
IPO 19mmHg

処方 ラタノプロスト点眼液、ヒアレイン点眼
1日2回

 ウサギの緑内障は慢性化して牛眼になった症例や、眼窩膿瘍に付随した続発性緑内障は診療経験がありますが、急性緑内障は当院ではこの症例が初めてです。急性緑内障は発症して、素早く処置をして1-2日間に視力が回復するかがかポイントです。
この症例は朝1番でオーナーが気づき来院したことが良かったと推定しています。1日目、2日目は眩目反射はありましたが、家庭でも行動はぎこちなかったそうです。7日目の来院では、病気にかかる前とかわらない動きになったそうです。
引き続き、ラタノプロストとヒアレインは続けてるよう指導しました。


 
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

お

rabbitウサギの角膜潰瘍 経過がかかつた症例


 

あ (camera写真1)
 
あ
camera写真2) 

ライオン種のうさぎの右目が急に赤くなったとこで川崎市麻生区から来院しました。(camera写真1)
 STT-1は15mmでうさぎとしては延長してました。ダズル反射はあり、瞳孔反射もかすかに認められました。眼のぬぐい検査では、好中球が検出され、角膜の傷を調べるフルオルテストは陽性(写真2)でした。眼のぬぐい検査では、好中球が検出され、角膜の傷を調べるフルオルテストは陽性(camera写真2)でした。以上より角膜潰瘍と診断しました。
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■この症例の経過 
 眼のぬぐい検査では、好中球が検出され、角膜の傷を調べるフルオルテストは陽性(写真)でした。
以上より角膜潰瘍と診断しました。
 抗生剤・ヒアルロン酸の点眼で治療中しました。1週間後は病変は変化ありませんでした。
 スリット検査でチンダル現象やフレアーは観察されませんでした。眼のぬぐい検査で好中球はなくなり感染は抑えられていました。
 この症例は感染があった関係か治療には3週間かかりました。


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

オダガワrabbitウサギの白内障


 症例は7歳半の雄のウサギです。地元川崎市多摩区からの来院です。最近はうさぎも10歳位まで生きるウサギも多くなり白内障も診ることも多くなりました。このウサギは2年前に白内障と本院で診断した症例です。その後水晶体性白内障の早期発見の為、月1回通院しています。

はくない1

■ウサギの白内障 右目
 この症例は2年前より白内障が始まりましたが、特に処置はしてませんが当時より進んでいません。


はくない2

■ウサギの白内障 左目
 暗くなると見えにくくなるため、家の地図が頭に入っている慣れた環境にいることをつたえました。

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 白内障の完治は手術しかありません。しかし本院では白内障の手術は対応してません。(ウサギの白内障の手術可能病院は本院調べでは不明)ウサギの白内障の原因は一部はエンセファリトゾーン症との関係も示唆されています。しかしエンセファリトゾーン症の駆除剤を飲んでも白内障が治る訳ではありません。また残念ならが、白内障は良い治療が開発されたり、発生をおくらせる仕組みがわかったわけではありません。また軽度のウサギの白内障ならヒト用白内障点眼のピノレキシン点眼も選択のひとつと考えますが防腐剤の副作用で角膜潰瘍になる場合もあり注意は必要です。本院の使用経験でよくなったことはなく、最近は使用してません。
 手術を行わない白内障の症例は水晶体性白内障の早期発見が重要です。水晶体性白内障から水晶体ブドウ膜、また緑内障等を併発するとウサギに痛みが生じ生活に支障がでます。この状態を少しでも回避するためこのウサギは月1回、眼検査をおこなっています。

 この症例のようにやや水晶体が白濁していて進行がとまっていれば良いですが、白内障では時に水晶体を構成する蛋白質が変性して白濁が進行します。この水晶体の中身が眼内に漏れると水晶体起因のブドウ膜炎が前房内に生じます。この状態は水晶体が漏れて、細くなり、一時期白内障が治ったかのように見えます。どきどきオーナーから耳にする00サプリメントが白内障に効果あったと言はれていることは、00サプリメントを飲んでいるとき、たまたまこの現象が起きて治ったと勘違いしていると推測されます。またヒトの白内障に効果あるサプリメント・点眼もありません。この水晶体ブドウ膜炎を放置しとくと、水晶体が薄いため、網膜剥離、緑内障を併発する可能性が高いとされています。併発した疾患に対する処置が必要になります。



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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

あ
ウサギの白内障
 
ウサギの白内障 右眼                左眼

 症例は7歳半の雄のウサギです。地元川崎市多摩区からの来院です。
最近は10歳位まで生きるウサギも多くなり白内障も診ることも多くなりました。
 
 この症例のように水晶体が白濁している疾患を白内障といいます。
白内障の治療は手術が基本です。しかし本院は白内障の手術は対応はできません。また全国的にもウサギの白内障手術は多くされていません。また手術適応外の症例も多くいます。1)を参照
 
 手術を希望しないで経過を観察する場合には眼科検診が大切です。
理由は白内障時に水晶体ブドウ膜から緑内障を併発するとウサギに痛みが生じ生活に支障が生じるためです。
 
 水晶体の進行がとまっていれば良いですが、進行する場合もあり獣医師の立場だと頭の痛い疾患です。
白内障の原因の一部はエンセファリトゾーン症との関係も示唆されています。

 この症例は2年前より白内障が始まりましたが、特に処置はしてませんが当時より進んでいません。
この症例も暗くなると見えにくいようなら、家の地図が頭に入っている慣れた環境にいることをつたえました。

 1)・ 犬の白内障手術は動物の眼科専門病院の紹介になります。手術費のみでアニコム調査では犬の片目全国平均35万ぐらいかかるので普及はしてません。また本院 の調査でウサギの白内障の手術をしている動物病院は存じてません。動物ではヒトのように80年も長く生きれませんので、手術適時が高齢になり全身麻酔が必 要な点、そしてすでに網膜の機能も失われて手術適応でない場合もあります。そのため手術しても、視力回復が期待できない症例もあり、術前に網膜電図をとる 必要がありヒトよる数倍大変です。

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白内障薬剤
  ヒトでは白内障は手術疾患で、サプリメントで白内障が治ったなんてきいたら、変な話と思うことが普通です。 
 動物の白内障に効能がある点眼薬・サプリメントの広告も多く見ます。また下記のようにヒト、動物の薬理の本をみると白内障薬剤は沢山記載はされています。
 しかし数年前、『ヒトの白内障、薬剤は効能なし』と新聞にも大きく載り、記載どうり効果ある薬剤はありません

参考までに薬剤名を記します。
( )は人の白内障に使用された薬剤の作用機序を示します。
他にも使用された薬剤はあります。
人の研究ですが水晶体の成分は55-65%が水です。
◇そして白内障がおきると増加する成分として水分、不溶性蛋白、過酸化脂質、Na、Ca(唾液腺ホルモンはCa低下させる)、アルドース還元酵素(ソルビトール産生阻害剤でアルドース還元酵素を抑える。)
◇減少する成分では水溶性蛋白(チオプロニン製剤で増加)、還元型グルタチオン(タチオン点眼で増加)、K、ビタミンC、Na-kATPアーゼ、Ca-ATPアーゼ
が報告されています。
◇その他、犬では駆虫薬のアンサイロールがあります。

以上、沢山薬剤が報告されている疾患は、良い薬剤がないことが多いです。

本院で使用経験のある白内障の薬剤

 白内障点眼のピノレキシン

  ピノレキシンは本院では使用は積極的には薦めていません。
 白内障発症のメカニズムで1960年代の「キノイド仮説」が注目されました。
 トルプトファンやチロシンの有機アミノ酸の代謝異常で生じるキノイドが、水晶体の水溶蛋白であるクリスタルが変性して不溶化することで水晶体が濁る考え方です。そこでキノイドの蛋白変性阻害できれば、水晶体は透明に維持できると考えできたのでピノレキシンです。水晶体の水溶蛋白であるクリスタルと結合することを競合的に結合して、水溶性蛋白クリスタルの変性を防止する効果があります。そのため水晶体が白くなる前あたりの白内障には効果がある場合も考えられます。
 しかし本院では進行してから来院する場合が多く、良くなったことはありません。

 
オクルベット
 海外にある動物用白内障点眼のオクルベットです。

 薬価も高く効能が期待されましたが、劇的な変化はなく、本院では現在使用してません。

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  ヒト、動物を含めて白内障が治る点眼が開発されたり、発生をおくらせる仕組みがわかったわけではありません。
日本人は薬好きで、オーナーの方はなにかしてあげられることを探す方がおられますが、白内障ではなにかしてあげてより悪くしているケースもあります。

 長期の点眼は防腐剤の影響も考慮しなければなりません。
またサプリメントなども長期の毒性はよくかかっていませんが、、動物はなぜかサプリメントで治ることを期待してしまっていることが現状です。
そのため薬剤・点眼を使用する場合は担当獣医師と副作用などよく注意する必要があります。
 
 白内障は希に生体の反応で、水晶体の濁りが消えることがあります。なぜおきるかは詳細は不明ですが、白内障が治ったと勘違いすることがありますが、この状態は吸収で水晶体レンズは薄い状態になり治った訳ではありません。
 このような症例がたまたまサプリメント・また点眼をしていると、サプリメントの00が、点眼00が白内障に効果あるなどミスインホメーションが流れていると筆者は考えています。

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■本当にあった困った話。眼が白い、必ず早く動物病院で診療を 
 
 眼圧は76mmmHgありました。、犬の正常眼圧10-20mmmHgです。
 ①白内障を緑内障と間違えたオーナーのケース 
 柴犬のケースですが「眼が白いとなんでも白内障」と診断してしまうオーナーがいました。
このオーナーは旅行先で犬が急に『白内障』になったと電話を頂きました。
「ネットでみたら眼が白くなったら白内障と書いてあるので、帰たら診療を頼みます」との内容でした。
いやな予感がしたので、すぐに近くで眼科対応可能な動物病院の診療を薦めました。旅行を1日繰り上げて帰宅しましたが、急性緑内障(眼圧は76mmmHg)をおこし失眼してました。
 緑内障でおきる角膜の白色(フレアー)を白内障と間違いしたケースです。緑内障は早期なら視力を保てる可能性が少しはあるので残念です。また白内障と緑内障では対応が全く異なります。
 
 ②治療費がかかるのがいやで、電話で診断を要求した方。
 また以前に診療したウサギが2年たって「眼が白いので白内障かどうか電話で診断してくれ」電話で診断を要求した方もいました。獣医師は実際に動物を診て必要な検査して始めてコメントできる職業です。治療費がかかるのがいやで電話で診断で判断されても困ります。ヒトが眼が白くなるようなことになれば眼科を訪れ、眼を診てもらうはずです。電話でヒトの眼科医に診断名をきく人はいないとおもいます。忙し時間帯にこんな電話されてもはっきり迷惑なだけです。

①の例のように診断を間違えているオーナーもいます。眼が白くなったら必ず眼科対応可能な動物病院で診療をしてから次に進んでください。


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

あrabbitウサギの東洋眼虫


あ

眼に虫が診られる稟告で来院した4歳のウサギです。眼に虫が診られ、採ろうとすると、結膜に入ってしまうので来院しました。

あ

 点眼麻酔をしてどうにに1匹捕まえることができました。この症例は体長は約5mmです。顕微鏡所見で拡大して東洋眼虫と診断しました。犬ではときどきある症例ですが、当院ではウサギは初めてです。

 東洋眼虫は線虫に属し、ショウジョウバエによって媒介されます。ショウジョウバエは暖かい気候を好む関係で、九州に多いと記載されています。このウサギも最初の1年は鹿児島にいたそうです。しかし最近は温暖化の関係で、関東地方でもときどき発生しています。この前も茨城の先生と話していたらこの東洋眼虫をみつけたことをいっていました。

 結膜の奥の方や、瞬膜の裏側などに移動しなはら寄生します。摘出方法は点眼麻酔で虫を弱らせて、摘出するか、また必要に応じて全身麻酔でおこなうこともあります。この症例も1匹んみでいなくなってくれればいいんですが。

 予防はショウジョウバエとの接触をさけることが一番良いですが、なかなか大変です。ウサギは室内飼育が殆どなので、香取線香、ベーブマットなどでハエのいない環境をつくることが大切ではと考えています。

しかし報告の少ない症例なので、ウサギ側にも罹患しやすい条件があるのかもしれません。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.25更新

あ
ウサギの角膜閉塞症候
            
写真のウサギの角膜閉塞症候群は別名、偽翼状片・結膜過長症などと呼ばれています。
 呼び名は獣医学で統一されている訳ではありません。                 
 
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■角膜閉塞症候群 処置
 角膜閉塞症候群は原因は不明で、ウサギのみにおこります。結膜上皮が角膜上皮を乗り越えて増殖する疾患です。だいたい2/3は両側性、1/3は偏側性に発症します。

 同心円状に結膜上皮が角膜上皮を覆い中心部は開口します。視力障害はありません。
ひどくなると、中心部を残しほぼ全体を覆うこともあり、そうなると日常生活に支障がでます。
結膜上皮と角膜上皮が希に癒着している場合もあります。

 処置は外科的に切るしかありませんが、再発が多いことも事実です。
 3回手術をすると再発はないこと報告もありますが、獣医師による見解は様々です。
本院では、免疫抑制する薬剤で前処置してから手術をおこなうと、その後再発は少ないように感じています。
----------------------------------------------------------------------
 pencil2■まとめ
    結膜が過長して角膜を覆う
ウサギのみの疾患で、この疾患は腫瘍性の変化はありません。
 外観を気にしなければ、手術を希望しないことも選択のひとつです。 なお本症例はオーナーが手術を希望されませんでした。                                     



ウサギの白内障

ウサギの角膜閉塞症候群
ウサギの角膜潰瘍

ウサギの前房蓄膿 

ウサギの両瞬膜の突出


 

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2018.04.25更新

 あ

rabbitウサギの両瞬膜の突出


  4才の雌のドアーフ系ウサギが川崎市宮前区から来院しました。
 1ヶ月位前から、左右の瞬膜が突出することが気になりright arrow本院を受診しました。 
 
 オーナーさんは眼の病気と思って来院しました。
瞬膜がでている症例はウサギで責任病変が見つかりにくいことも多くありますが、本院では70%位は胸部疾患(心臓病・胸部腫瘍)であることが多いです。

 この疾患も精査したところ眼の病気ではなく、前縦隔の腫瘍と診断した疾患

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■右眼の所見
前縦隔1
■ホイネル症候群とは
 瞬膜の突出をホイネル症候群といいます。
----------------------------------------------------------------------

 フェニレフリンは交感神経薬なので、ホーナー症候群の病変部位の診断に使用できます。
 症状は①宿瞳・②第三眼けんの突出・③眼けん裂の狭小化・④眼球陥没が犬での定義ではありますが、このウサギは①②のみが診られ、眼は突出しているように診られました。
 
頭部より一次ニューロンがでて
胸椎(T1)胸椎(T2)胸椎(T3)の二次ニューロンになります。
そして中耳の手前から3次ニューロンになります。

         損傷部位     10%フェニレフリン点眼試験 
一次ニューロン 頭蓋内・頚椎病変   60-90分
二次ニューロン 腕神経・胸部      <45分 
三次ニューロン 中耳病変・眼球異常  <20分  
日本のフェニレフリンでは5%なので上記の1.5倍の時間で診ています。
このウサギは自宅から電話で2時間位で反応がありました。レントゲン所見と合います。

 

----------------------------------------------------------------------

■左眼の所見

前縦隔2
右眼と同様です。

----------------------------------------------------------------------

■左右眼検査         
                  

          右眼      左眼
ダズル反応       あり       あり
シルマーティアー  9mm       7mm
    眼圧    19mmHg   14mmHg
フルオルテスト   弱陽性     弱陽性
 
フルオルテスト弱陽性は眼が前に出気味なので、涙が十分にいきわたらないため生じていると判断して、ヒアレインを点眼してもらいました。また眼圧は正常です。

----------------------------------------------------------------------

■レントゲン検査
 胸腔の場合は、レントゲンを行います。
この症例は、前縦隔に腫瘍性病変が確認できました。

前縦隔3

前縦隔4

 この腫瘍が神経を圧迫して瞬膜がでていることが予想されます。
 瞬膜を治すには、この腫瘍を治療しなければなりません。

 腫瘍の確定診断には細胞診が必要です。
ウサギは胸腔を穿刺するとショックが稀におきます。
そのためこの症例は今元気なので、これ以上の精査はしませんでした。

 このような症例は比較的多く、来院します。腫瘍の種類としてリンパ腫、胸腺腫などの報告があります。
その場合、治療はステロイド剤や抗癌剤の投与になります。
今後1-2ヶ月に1回のレントゲン・眼科検査をしながら経過をおってゆく必要があります。
----------------------------------------------------------------------


ウサギの雌雄鑑別法
ウサギ・モルモット・ハムスターの強制給餌について
ウサギの便が肛門、足底に付着、蛆がわくこともあります。
うさぎの門歯(前歯) 
ウサギの眼 
ウサギの去勢手術
ウサギの避妊手術
ウサギのエンセファリトゾーン


 

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【break time】

 
flower2

 

 

 

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2018.04.25更新

 あ
 ウサギの角膜潰瘍

 

 

 この症例は2才のネザーランドドアーフが2日前より、急に涙が多く、目が赤くなったので、川崎市高津区より来院しました。
フルオルテストが陽性を示し、角膜潰瘍と診断したところ)

----------------------------------------------------------------------

 眼科検査
 ウサギの目の角膜に傷が衝いた状態を角膜潰瘍といいます。
ウサギは眼球が突出しているので、外傷性角膜潰瘍が多いです。

眼科検査 シルマーテアーテスト 

 最初にシルマーテアーテストをおこないました。
ヒトでもおこないますので、眼科に通院経験のある方はみた方は多いとおもいます。
動物では1分間測定します。参考までにヒトは5分間です。
 このウサギはシルマーテアーテストの涙量は多く、約15mm/minありました。
(参考値、ウサギ10mm/min、犬猫 17-25mm/min)
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眼科検査 フルオルテスト  

 フルオルテストは陽性なため角膜潰瘍と診断をしました。 
(眼の緑の部分が角膜に傷のある証拠す。)

参考資料 フルオルテスト 
 角膜の傷、涙を染める染色です。
フルオルテストは親水性の高い組織を染める検査です。
角膜上皮はタイトな組織なため、正常ならバリアになって染まりません。
角膜実質はコラーゲンを多く含む組織なので親水性です。
そのため角膜上皮に傷があると、角膜上皮がむきだしになって緑に染まります。
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治療
角膜潰瘍の治療点眼液、ヒアレイン® 

 この症例は潰瘍部の細胞診では細菌はなく、その後角膜潰瘍を治すのヒアレイン®(成分名・ヒアルロン酸)を点眼したところ、再来院の3日目にはよくなりました。軽い状態でよかったです。
                                                


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投稿者: オダガワ動物病院

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