小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.06.15更新

あ
dogtiger犬猫の外耳炎

あcamera1)正常犬の耳模型

あcamera2)外耳炎の耳模型 

 犬猫の外耳炎はよくみられる疾患です。外耳炎になると(camera2)のように耳道の炎症がひどくなります。

 
①これらの原因は主因、副因、増悪因子、素因に分けて考えられます。
 
 主因は直接の原因を指します。①アレルギー、②耳内異物、③right arrow外部寄生虫(主にミミダニ)、④脂漏症、⑤内分泌疾患(主に犬の甲状腺疾患)、⑥犬の免疫介在性、⑦その他不明、があります。
 
 注意すべきことは、主因はright arrow外部寄生虫(主にミミダニ)は殺ダニ剤で完治が見込めますが、他の外耳炎はこれら基礎疾患の特定が難しく、完治には至らず、慢性化する点が特徴です。

  そこで大切なことは日頃の耳のケアーです。
 
 外耳炎を悪化させる要因として、副因、増悪因子、素因があります。
治療は稟告を聞き、耳検査、耳掃除おこない、これらの除去から治療は始めます。
 
個別に解説すると、
 
 副因とは外耳炎がおこった結果、二次的におきる耳垢内の細菌、酵母菌(主にマラセチア、旧語でプチロ)の増殖を指します。
耳洗浄、薬剤(主に点耳薬)でコントロールは可能なことが多いです。
またright arrow綿棒による不適切な処置もここに入ります。
 
 増悪因子は外耳炎をより重症化させる因子を指します。主に耳垢(注)の過多があげられます。耳垢は鼓膜付近で作られ、ベルトコンバアーのように自動的に耳介から排泄されます。正常なら耳垢は蓄積しません。このシステムの故障が外耳炎です。
 
(注)耳垢
 主な主成分は角質(フケ)、脂腺(油)、またアポクリン腺(汗腺)からの分泌物。
脂腺とアポクリン腺は犬種により分布、活性は大きくことなると推定されている。
脂腺の分泌物は中性脂肪で抗菌作用あり、鼓膜から外側にいくに従い増加。
アポクリン腺は鼓膜付近に多く、鼓膜から外側にいくに従い減少する。
鼓膜付近では水性、外耳道口付近ではより油性になる。
 
 素因は高温多湿な環境や、先天的を含めた耳道狭窄を示します。
小型犬で診られる耳毛過剰もここに入ります。
 耳介(自翼)が立っている犬は通気性が良く、垂耳の犬は通気性はよくありませんが、両方の外耳炎の罹患率に差はありません。しかし垂耳の犬は罹患した場合、治りにくい傾向はあります。
 

 dire治療

 まず主因の治療が中心に考えますが特定できるケースは多くはありません。
毛が多い動物は毛を抜き、生食、溶解剤で、耳垢を取り除きます。

 外耳炎がおきると(camera2)ように耳道の炎症がひどくなり狭窄が生じます、そのため抗炎症作用のあるステロイドの液体点耳が必要です。耳鏡検査で耳道を診て、油性剤、混濁剤を使い分けています。
 また耳垢の検査で、白血球、マラセチアが診られら場合は必要に応じて、抗菌剤、抗真菌剤も点耳します。

 重症例を除き、1-2週間の点耳で症状は治まることが多いです。しかし3-6ケ月位で再発して、同様の処置を繰り返えす症例が多いです。

あ本院で使用してるステロイド含有液体点耳薬(イヤープロテクターを除く)です。

 

しかし中には毎日点耳していると、犬猫が点耳を嫌がり、
オーナーとの関係が悪くなる場合もあります。

あ犬用オスルニア®

 このような場合は、1回の点耳で2週間薬剤が持続する、オスルニア®がお薦めです。
この薬剤はゲル状の点耳薬で、性格のきつい犬用に製薬された薬剤です。
本院でも、柴犬、パピオンで使用して良好な成績をしめしています。

 


 

【他の耳疾患は】
dogright arrow自宅で毎日耳消毒をしてひどくなった症例
tigerright arrow猫の耳、化膿


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.14更新

あdog犬用コクシジウム駆除剤、プロコックス®が販売されました。


 2017年9月に日本初、犬用コクシジウム駆除剤プロコックス®が販売されました。
有効成分はトルトラズリル(コクシジウムの抗Isospora作用)にエモデプシド(犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫駆除剤)を配合した合剤です。コクシジウム感染犬は犬回虫も混合感染しているケースが比較的おおいので2種類が配合されています。日本で犬用コクシジウムは初の認可薬です。

 トルトラズリルの単独製剤は、すでに大動物用でバイコックス®という商品名で2008年に販売されています。

 コクシジウムにはイソスポラ科(オーシスト内のスポロシスト2つ、スポロシスト内のスポロゾイト4つ)とアイメリア科(オーシスト内のスポロシスト4つ、スポロシスト内のスポロゾイト2つ)の2種があります。
 犬猫はイソスポラ科の感染でおき、ウサギはアイメリア科でおきます。
 
 当院ではこれまで、効能外使用の承諾を取ったうえでバイコックス®を、犬、猫。うさぎ、文鳥、ニワトリのコクシジウム症に投与して、副作用もなく、良好な成績を上げてきました。トルトラズリルはコクシジウムのイソスポラ科のみではなく、アイメリア科にも効果があるよう考えています。


 

あ 
犬用、プロコックス

dog犬のコクシジウム

 犬のコクシジウムはIsospora canisIsospora obioensisの2種類の感染でおきます。
 臨床症状として、嘔吐、頻回の下痢、血便が診られます。軽度な場合は回復可能ですが、重症なケースでは食欲不振から栄養障害、成長障害をおこし、最悪、悪液質になり死亡したケースもあります。
なお不顕性感染(虫卵の感染は診られるが、下痢など臨床症状がない状態)も多く、ワクチン接種時、偶然検便で発見されるケースもよくあります。
この臨床症状があるなし、重傷化は、感染年齢、摂取オーシシトの数、全身の健康状態により決まります。
また鶏では病原性の強いコクシジウム(Eimeria.tenellaの一部の株)と、弱いコクシジウム(Eimeria.acervulinaなど)が存在します。
 一般的に、検便のみで臨床症状の重症化や、強弱の鑑別は不可能なため、コクシジウムを発見したら駆虫剤の投与がベストです。

  コクシジウム生活環の特徴は無性生殖と有性生殖のステージをとることです。(camera1参照)
  胎盤、経乳感染はなく、臨床例で多いケースでは、生後3-13週令の犬がオーシストを経口して感染は成立します。感染したオーシストはまず無性生殖を行います。腸管でスポロゾイト、トロフォゾイトとなり、腸管粘膜上皮細胞に感染しシゾントを形成します。シゾントはメロゾイトを放出し腸管粘膜上皮細胞を破壊します。多くの遊離したメロゾイトが、再び残存している腸管粘膜上皮細胞侵入し第2代シゾントになります。第2代シゾントは大量にあり、より多くの腸管粘膜上皮細胞に寄生し、第2代メロゾイトを放出し多くの腸管粘膜上皮細胞を破壊します。
  このシゾントからメロゾイトの形成は栄養状態により異なりますが2-4代繰り返しおきます。
この時点で感染している犬はコクシジウム虫卵の排泄はありませんが、臨床症状として下痢がおきることがあります。(動物病院ではまた日を改めての検便が必要です。数回でコクシジウムは除外できません。)
 その後メロゾイトはマクロガメート、ミクロガメートに発育して、有性生殖をしてザイゴートからオーシストを形成します。便ととも未成熟オーシストが排泄されます。排泄した虫卵は3日以内に成熟オーシストになります。


あcamera1) コクシジウムの生活史(バイエル社の資料より引用)

 オーシストの経口感染でおきるため糞便を素早くかたずけることが大切です。コクシジウムの環境の整備は下記(book1)を参考ください。消毒薬には普通の使用濃度には殆ど抵抗します。
そこで、自宅では床などは、熱湯100度で1-2秒で死滅データーを引用しますが、沸騰させてから床にかけても、床の温度で冷やされ実際の温度は100度でなく低下しています。何度か行うか、熱湯後、洗い流すなどの追加処置が必要です。
また犬ちゅん使用のタオル等は洗濯機で洗浄したあと、コインランドリーまたアイロンの噴射機能の使用をお薦めします。
 なお犬の皮膚に糞がついた場合はシャンプーをして、虫卵を洗い落してください。

■(book1)コクシジウムの環境の整備
環境           生存期間

砂地(陽当たり)      4ヶ月
荒地(陽当たり)      6ヶ月
湿地             9ヶ月
樹木の多い陽影    18ヶ月
清水中            24ヶ月
乾燥鶏糞(陽影干し) 10ヶ月
乾燥鶏糞(天日干し )  7ヶ月
熱湯   60度       30分

熱湯   80度         1分
熱湯   100度      1-2秒
熱風   80度         5分

熱風   100度        3分


 ■プロコックス®の詳細

●トルトラズリル(Toltrazuril

 これまでコクシジウムの駆除に使用してきたサルファ剤はコクシジウムを直接殺滅する訳でなく、無性生殖ステージのシゾントからメロゾイトになる部分の発育をとめ、コクシジウムの免疫が成立するまで増殖を抑える目的で使用されてました。しかし動物により免疫状態は異なるため、薬用量・期間の報告は様々で、一般的に2-3週間位はかかりました。
 今回発売されたプロコックス®は無性生殖と有性生殖の両方のさまざなステージに対して、極めて広く作用を及ぼします。基本的には1回の投与で駆虫可能ですが、2週後、経過によっては再投与が必要な場合もあります。
 注意点としてコクシジウムで下痢がおきている場合は、この薬剤は下痢に効能を示す訳ではありません。特に仔犬の場合、下痢に対する対称療法は大切です。 


●エモデプシド(Emodepside

 エモデジプトはdogright arrow犬回虫(Toxocara canisdogright arrow犬鉤虫(Ancylostoma caninumdogright arrow犬鞭虫(Trichuris vulpisに効能を示します。前記しましたが、統計上、犬回虫はコクシジウムとの混合感染が多いのでこの薬剤は重宝です。
 欠点は、MDR1に変異(脳脊髄門の機能が他の犬より弱い体質)のあるコリー種、およびその系統には注意が必要です。
 
 私感ですが、犬種によってはエモデプシドが入っていない牛用、豚用バイコックス®をオーナー承諾のもと使用するか、サルファ剤を使用した方が安全かもしれません。

あ犬用、プロコックスと牛用、バイコックス

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 【他の動物へのプロコックス®効能外使用例】
tigerright arrowプロコックス、猫のコクシジウムへの使用例
chickright arrow文鳥(学名:Padda oryzivora)のコクシジウム(Coccidium


 

 【消火器の寄生虫】

 


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.13更新

おdogシーズーの脂漏性皮膚炎


 4歳雌のシーズーが頸部がカサカサした状態になり、多摩区東生田より来院しました。

 脂漏性皮膚炎は中年の4-5才位から頚部・腋窩に脂漏を伴う主にふけの多い皮膚炎です。
 原因は家族性、感染、炎症、栄養障害や内分泌疾患に引き続き起こるとされているますが、なかなか原因の特定は難しい疾患です。
①ふけの多いベタベタ型の油性と、
②カサカサ型の乾燥した皮膚になる
二つのパターンがあります。
 油性脂漏症の好発犬種はコッカー・スパニエル、シーズー、 ビーグルなどで、また乾性脂漏はドーベルマン、ジャーマンシェパード、アイリッシュセッターなどが中年の4-5才位から頚部・腋窩を中心に診られる皮膚病です。熱くなる夏場に多いように感じます。

a頚部の皮疹

a上記の皮疹の皮膚押捺検査、⇒の菌がマラセチア

■治療

この犬は抗脂漏シャンプーで維持しています。抗脂漏シャンプーの使用でよくならない場合は、抗真菌剤を追加して治療をおこないます。 


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2018.06.13更新

おdogジクロマックスSRを誤飲した犬


 

あジクロマックスSR

あ口で咬んで開けて誤飲してしまったようです

 動物病院をしていると、オーナー自身の常備薬を犬が飲んでしまい来院するケースがよくあります。

今回はマクロライド系の抗生剤、ジクロマックスSRです。誤飲した犬は約10kgです。いつ飲んだかは不明で、写真のように入れ物がころがってました。自宅では嘔吐、下痢が診られましたが、本院にいた間はみられませんでした。誤飲したジクロマックスSRは25g入りの薬剤ですが、中に残っていた量をから約17g誤飲していたと推定されました。
 この薬剤はヒト用です。メーカーに問い合わせたところ、薬剤の安全性を確かめるためにおこなった、ビーグル犬での実験から推測すると、この量では致死的なことなないだろうとい結果になりました。そのため強肝剤、整腸剤の投与して治療は終わりました。

 オーナーは犬ちゅんをかわいがっている割には、常備薬、またそのほか薬剤の保管場所には神経をつかわい傾向があります。ヒト用の薬剤は飲みやすくするため、粉や錠剤に甘い味をつけていいます。そのため犬は薬剤がある限り食べてしまう傾向があります。またオーナーのハンドバックの中を開けて飲んだ犬もいました。今回は低い棚に保管しておいた薬剤を写真のように口で咬んで開けて誤飲してしまったようです。 今回の薬剤は安全域が広く、助かりましたが、狭い薬剤では死亡する場合もあります。大切な犬ちゅんおためにも保管場所には注意が必要です。


 

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2018.06.13更新

オダガワ
dog糖尿病の犬、ケトアシドーシス


  糖尿病とは、インスリンというホルモンの作用が低下したため、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されず血糖値の高い状態が続く疾患です。血糖値が高いだけだと自覚症状はありませんが、様々な病気を引き起こすことにつながります。それが「合併症」です。血管が痛むために目や腎臓などに障害がでやすいです。

  糖尿病は膵臓からのインスリンの分泌不足による場合(インスリンが足りない状態)Ⅰ型糖尿病と、インスリンは分泌されていますが、肥満、感染症などによりインスリンの作用(効果)が出にくいの場合(インスリンが有っても血糖値が下がらない状態)Ⅱ型糖尿病とが有ります。犬の糖尿病は自己免疫疾患で、膵島が破壊されておきます。インスリンはでなくなります。そのためインスリンの投与が必要です。

多飲・多尿を主訴に14歳の避妊済み雌犬が来院しました。本日はなにも食べないそうです。川崎市多摩区登戸からの来院です。年齢が高齢でありことより、レントゲン・エコー・血液検査・生化学精査を勧めました。

来院した14才の犬


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●血液・生化学検査


 レントゲン検査・エコーは大きな異常はありませんでした。GLU上昇より糖尿病が疑われました。また中性脂肪の上昇が診られます。糖尿病は状態が進むと、いくら体内にブドウ糖があっても、そのブドウ糖をエネルギー源に分解するインスリンが分泌がないため、脂肪がエネルギー源として使われ、ケトン体が増えます。この状態をケトアシドーシスといい、その脱出が必要です。
またLIPの高値より、膵疾患も疑われました。---------------------------------------------------------------------
●尿検査
  
尿検査でもブドウ糖が強陽性です。ケトン体はやや陽性位でした。

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追加検査として犬インスリンの測定、糖化アルブミン、犬膵特異的リパーゼの測定をおこないました。

犬インスリン 0.55(ng/ml)  正常値0.27-0,65
糖化アルブミン 42.4(%)   正常値8.8-14.5
犬膵特異的リパーゼ 627   正常値<200


以上の結果から、軽度のケトアシドーシス併発したⅠ型糖尿病と診断しました。犬の糖尿病は自己免疫疾患で、膵島が破壊されておきます。インスリンはでなくなります。そのためインスリンの投与が必要です。また本症例はその前にケトアシドーシスの改善が必要です。



 この症例は点滴をしたところ、入院した夜より食欲が回復し、翌日よりインスリンの投与を開始しました。
その後、月1回のGLU・LIP・糖化アルブミンのをして診ていきその後2年生存しました。

あ この症例に使用したノボリンN


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.11更新

おdog旅行から帰宅して下痢のイヌ


a診療中にした下痢便(写真1)

大きな車に変えて初めて旅行にいった柴犬の症例です。

広い車に買い替えてオーナーも犬ちゅんもリラックと考えたいものですが、

犬ちゃんは車を変えたことで、車内での居場所に困ってしまったそうです。

またドライブコースもアップダウンの激しい山道に出かけられました。

帰宅すると3日間下痢が止まらなくなり、嘔吐も1回あったため本院を受診しました。

写真1は診療中にした便です。元気、食欲はありますが未消化のドックフードが診られました。

 

a写真2・簡易染色で、芽胞菌が多く診られた。

検便では虫卵は診られず、簡易染色で、芽胞菌が多く診られました。(写真2)また便の回数も多い症例でした。

検査結果、臨床症状からフラジール®、ザラゾピリン®を処方しました。

以前に経験した同様の症例は伊勢志摩を犬ちゅんと何拍はで旅行後下痢が治らず、同様の処置で回復しました。

この症例は伊豆箱根の日帰りでしたが、その後2日位で回復したと後日連絡ありました。

 

【下痢、寄生虫関連ページ】
dogright arrow酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatus)の診られるダックスフンド
dogright arrow犬用コクシジウム駆除剤、プロコックス®が販売されました。
dogright arrow犬の代表的な外部寄生虫
dogright arrow犬のジアルジア(Giardia)症
dogright arrow子犬の下痢

 


 

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2018.06.11更新

おdog犬のアトピー治療薬、アポキル錠が販売されました。


  犬のアトピー性皮膚炎の治療薬、アポキル錠が2016年7月に販売されました。成分名はオクラチニブで、犬の痒みに対し、即効性があり、副作用が少なく安全性を兼ねそなえた今注目の薬剤です。(注意・この薬剤は猫には効果はありません。)

 犬のアトピー性皮膚炎の治療は、これまで経口ステロイド剤のプレドニゾロン等が主剤で使用されてきました。しかし副作用のある薬剤なので、長期の使用法には注意が必要です。

 そのためここ数年は維持には、副作用が経口ステロイド剤より少ない、経口シクロスポリン剤、外用ステロイド剤 、注射用犬インターフェロン製剤などがよく使用され、それなりの効果はある治療法として紹介されています。

 しかし経口シクロスポリン剤はソフトカピセルなため犬は飲ましずらく、最初は経口後嘔吐が多く、効果発現に時間がかかり、免疫抑制薬剤である点、外用ステロイド剤は局所の適用のみで広い皮膚病変には限界のある点、また注射用犬インターフェロン製剤は1-2週間に1回は動物病院に通わなければならならず、経口シクロスポリンと同様、効果発現に時間がかかなど問題点もありました。
 経口シクロスポリン剤と注射用犬インターフェロン製剤は高価剤である点も問題点でした。

 1 アポキル錠®

 今回発売されたアポキル錠は、犬の痒みに対し、短時間で示される即効性と、副作用が少ない安全性を兼ねそなえた薬剤です。本院では価格もシクロスポリンと注射用犬インターフェロン製剤と比べて安く処方できます。

 作用機序は、アレルギーに関わる各種サイトカインのシグナルを伝達するヤヌスキナーゼ(JAK)経路を選択的に阻害し、免疫系への影響は最小限に、痒みと炎症の早期緩和をもたらします。この経路はヒトのアトピー性皮膚炎で注目されていましたが、動物では犬用としてヒトに先駆けて販売されました。

 皮膚の痒みは炎症などで、サイトカインなどの痒みの誘発物質が放出されることでおこります。そのため、この薬剤はアトピー以外の痒みも止めてくれる期待もありますが、感染性(細菌、真菌、寄生虫)の皮膚炎では、この薬剤を使用するより、それらの駆除が大切です。

 使用法は、最初の2週間は1日2回で、以後1日1回で投与が必要です。また新しい薬なので、海外の使用例を含めて、これまで使用期間が2年間しかないため、2年以上の長期使用の場合は今後の検討が必要です。

 本院での使用例はまだおおくはありませんが、痒みはステロイド剤使用と同じ位の期間で止まり、とくに目立った副作用は経験していません。

 なおこの薬剤は動物用医薬品で、処方には必ず獣医師の診察が必要です。本院で処方希望の方は、診療時間内に犬ちゅんをつれてご来院ください。

----------------------------------------------------------------------

使用例

あ

 今年から、引っ越しのため本院で診療した7才の雌の犬ちゅんです。毎夏(6月ー9月頃)になると腹部が赤くなり前院でアトピー性皮膚炎と診断された症例です。昨年までこの時期のみステロイド剤を処方されていました。ニキビダニ症、マラセチアを除外診断して、今年からは上記の理由で、アポキル®を処方しました。

 


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2018.06.10更新

 オダガワ

dog犬の歯石


 犬は同然ですが、歯を磨きません。ワクチン・フィラリア・健康診断も重要ですが、歯も大切です。我々人間も、きれい好きでなくても、1日2回は歯は磨くとおもいますが、犬は獣医師・動物看護士より指導をうけないとなかなか始める動機がありません。そのため歯石が貯まります。歯石は食べ物のかすではなく悪玉菌の固まりです。人・犬ではこれが原因で、心臓病・肝臓病・腎臓病になっていることが証明され ています。口臭がはじめって動物病院を訪れるのではなく、日頃からの歯磨きが重要です。


 
犬の歯石のグラム染色

 犬の歯石
 

 この写真下の歯石をグラム染色して顕微鏡でみると、写真上になります。螺旋菌が多く診られました。この状態が続くと歯肉炎を併発して、上顎の骨までおよびことがあります。この歯石についた菌は抗生剤では退治はできません。予防は定期的な歯磨きと歯石切除です。しっかり予防することにより、生涯、抜かずに済む歯は多くなります。

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■オーナーの間違い易い歯科予防点として
①ひずめなどかたい物は絶対あげない。ひずめをたべたら歯が丈夫になるは迷信です。犬は肉食で、上顎と下顎の歯は殆どあたりませんが、この裂肉歯のところは、上顎第3後臼歯と下顎の後臼歯が一部分のみ、かみ合います。この部分に堅いものを挟むと、この歯は削れたり、折れたり、歯石がつきやくなります。

②フリスビー・ボール遊びはほどほどにしたほうが良いです。歯が摩耗します。フリスビー・ボールで遊ぶことは、やめるのは大変ですが、歯にはいいことではありません。

③若いころより、しっかりした歯科予防をしましょう。


  

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2018.06.10更新

オダガワdog犬のチョコレート中毒


 犬はチョコレート中毒を沢山たべると中毒になります。ひどい場合は死亡例を経験されている先生もいます。
今回の症例は、2才の約5kgの雄のダックスブンドです。
オーナーがお風呂にはいっている間にロッテ社の「ゼロ マイルド ホップジョイ」を20-30%位食べてしまったみたいです。オーナーさんは時間外にあわてて来院されました。


 犬ちゃんではチョコレートの中のテオブロミンの代謝が非常に低く中毒を示します。
 犬は摂取したテオブロミンを17.5時間でどうにか50%までにしか分解排泄できません。
ちなみに人では6時間なので心配はいりません。
犬のチョコレート中毒の症状は誤食後6-12時間で現れ、嘔吐、下痢が始まり、活動過剰、多尿、運動失調、痙攣がおきます。3日ぐらい続くとこもあります。食べた量が多いと死亡する場合もあり原因は、一般的に心不整脈や呼吸不全が死因になります。

 スーパーなどで販売されている1枚の板チョコはおよそ50gで、テオブロミンをおよそ200-400mg含んでいます。致死量は1kgあたり200-400mgで、1kgの犬ちゃんがおよそ板チョコ1枚たべるとおこる場合があるという意味です。しかしチョコレート中毒は犬ちゃんによって個体差が大きく、上記の量でも全く大丈夫な犬ちゃんもいますし、また少量でも発症したケースもあります。またチョコレートの種類(ミルクチョコレート・製菓用無糖チョコレート・ココアパウダーなど)でテオブロミンの含有量は異なりますので詳細はメーカーに確認する必要があります。
今回は本院をおとずれるまで1時間以上かかっていること、5kgの犬が約50gのチョコレートの20-30%位の誤食なので、無処置で耐えられると判断して家にかえしました。

後日、ロッテ社に「ゼロ マイルド ホップジョイ」のテオブロミンをきいたところ。100g(板チョコ2枚の量)あたり350mgを含有するとのことでした。また後日オーナーからも電話を頂き、犬ちゃんは元気にすごしているとのとこです。チョコレート中毒はたいてい犬は沢山たべると、嘔吐するので、動物病院で診ることは少ない症例です。

しかし他院では、お祝いにもらったチョコレートをオーナーがいない間に沢山食べて犬ちゅんが死亡したケースもあります。チョコレートを食べて1時間以内なら、催吐剤を使用して、はかせることが最良でしょう。なおテオブロミンの拮抗薬はありません。

また胃洗浄は、動物の場合は全身麻酔が必要で、賛否ある治療法です。またもしおこなうなら誤食してから1時間以内です。人の緊急医療でもこのような場合は、1時間以上たったら胃洗浄はおこなわないそうです。場合によっては活性炭などの投与も必要でしょう。

チョコレート中毒は猫でもおきるとされています。チョコレートは人では美味しいおやつですが、犬猫では中毒になる可能性もありますので十分注意してください。
注意をすれば防げる疾患です。とくにバレンタインやお祝いにもらったチョコレートはしっかり保管してください。


 

【イヌ、ネコの中毒】
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2018.06.10更新

お

dogダックスフンドの歯肉からの出血

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 7才、去勢済みのダックスフンドが歯茎からよく血が出ることでセカンドオピニオンで来院しました。 この犬は自宅では歯は触れられない位あばれるそうですが、本院では歯科診療はさせてくれました。(動物病院でも歯は噛む癖のある場合は診れない場合もあります。)

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 とくに右側の犬歯、臼歯1番目、2番目の歯は歯石が酷く、歯周ポケットになっていて、血がでています。著者自身も歯がわるく、良く歯科を訪れますが、私自身の経験から、この状態は結構痛みがあります。

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 歯石はばい菌の固まりで、犬でも歯石から心臓病始め多くの疾患にかかりやすいことが報告されています。またこのような歯石の多い犬に舐められた手で料理をして食中毒がおきたケースも報告されています。

 7才の年齢から歯石除去と歯茎の処置がベストですが、犬での歯科の処置は全身麻酔が必要な点が欠点です。またその後歯磨きは必要です。

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歯石の部分をグラム染色すると、グラム陽性の長桿菌がみられました。

 オーナーに今後どうするか、検討中してもらっています。処置をしなければ、歯が痛い状態で、平均寿命とされている12-13才まで過ごすことになります。麻酔をかけて処置すれば一時期よくなりますが、その後歯のケアーをしないと再発しやすいです。

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■歯肉治療薬インターベリーαとは

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 歯肉炎の無麻酔の処置法としてインターベリーαの使用法があります。詳細は上記を参照ください。無麻酔でこの処置はできますが、歯石は除去しないと効果は半減します。

 


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投稿者: オダガワ動物病院

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