犬猫の外耳炎(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2018.06.15更新



(
1)正常犬の耳模型
(
2)外耳炎の耳模型
犬猫の外耳炎はよくみられる疾患です。外耳炎になると(2)のように耳道の炎症がひどくなります。
①これらの原因は主因、副因、増悪因子、素因に分けて考えられます。


治療は稟告を聞き、耳検査、耳掃除おこない、これらの除去から治療は始めます。
耳洗浄、薬剤(主に点耳薬)でコントロールは可能なことが多いです。
また

主な主成分は角質(フケ)、脂腺(油)、またアポクリン腺(汗腺)からの分泌物。
脂腺とアポクリン腺は犬種により分布、活性は大きくことなると推定されている。
脂腺の分泌物は中性脂肪で抗菌作用あり、鼓膜から外側にいくに従い増加。
アポクリン腺は鼓膜付近に多く、鼓膜から外側にいくに従い減少する。
鼓膜付近では水性、外耳道口付近ではより油性になる。
小型犬で診られる耳毛過剰もここに入ります。
耳介(自翼)が立っている犬は通気性が良く、垂耳の犬は通気性はよくありませんが、両方の外耳炎の罹患率に差はありません。しかし垂耳の犬は罹患した場合、治りにくい傾向はあります。
治療
まず主因の治療が中心に考えますが特定できるケースは多くはありません。
毛が多い動物は毛を抜き、生食、溶解剤で、耳垢を取り除きます。
外耳炎がおきると(2)ように耳道の炎症がひどくなり狭窄が生じます、そのため抗炎症作用のあるステロイドの液体点耳が必要です。耳鏡検査で耳道を診て、油性剤、混濁剤を使い分けています。
また耳垢の検査で、白血球、マラセチアが診られら場合は必要に応じて、抗菌剤、抗真菌剤も点耳します。
重症例を除き、1-2週間の点耳で症状は治まることが多いです。しかし3-6ケ月位で再発して、同様の処置を繰り返えす症例が多いです。
本院で使用してるステロイド含有液体点耳薬(イヤープロテクターを除く)です。
しかし中には毎日点耳していると、犬猫が点耳を嫌がり、
オーナーとの関係が悪くなる場合もあります。
犬用オスルニア®
このような場合は、1回の点耳で2週間薬剤が持続する、オスルニア®がお薦めです。
この薬剤はゲル状の点耳薬で、性格のきつい犬用に製薬された薬剤です。
本院でも、柴犬、パピオンで使用して良好な成績をしめしています。
【他の耳疾患は】
■自宅で毎日耳消毒をしてひどくなった症例
■猫の耳、化膿
【関連記事】
■犬の診療
■猫の診療
■ウサギの診療
■ハムスターの診療
■フェレットの診療
■小鳥の診療
■モルモットの診療
投稿者: