小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.10.12更新

■うさぎの皮膚糸状菌症 
 「皮膚糸状菌」は、小胞糸菌(Microsporum)、白癬菌(Trichophyton)、表皮菌(Epidermophyton
 3属のカビの総称で現在約40種類知られています。

 適度な温度(15度以上)と湿度(80%以上)のある環境を好み増殖する傾向があります。梅雨から夏は注意が必要とされている皮膚病です。
 
 ウサギの皮膚糸状菌は白癬菌(Trichophyton)感染が殆どで、著者の経験は教科書と異なり、冬場締め切ったマンションで生活している場合によく診ます。
■うさぎの皮膚糸状菌症 
 「皮膚糸状菌」は、小胞糸菌(Microsporum)、白癬菌(Trichophyton)、表皮菌(Epidermophyton
 3属のカビの総称で現在約40種類知られています。

 適度な温度(15度以上)と湿度(80%以上)のある環境を好み増殖する傾向があります。梅雨から夏は注意が必要とされている皮膚病です。
 
 ウサギの皮膚糸状菌は白癬菌(Trichophyton)感染が殆どで、著者の経験は教科書と異なり、冬場締め切ったマンションで生活している場合によく診ます。
 
 皮膚糸状菌は栄養にケラチンが必要であり,生存するために角層,毛,爪に棲息しなければなりません。
 
 すると皮膚の基底層で作られるケラチノサイトと呼ばれる細胞が、皮膚糸状菌を外に出そうと免疫が働き、ケラチノサイトから放出されるヒスタミンなどによって「かゆみ」「ただれ」がおきます。
 
 なお人では白癬(皮膚糸状菌の仲間)の3分の1はこのケラチノサイトを刺激しないため痒みがおこりにくい場合もあります。動物の詳細は不明です。


■初診時の顔の様子
 他院で皮膚病が治らないとのことで横浜市港北区から来院した生後3ヶ月のメスのドアーフ系のうさぎで、口唇・右前肢に鱗屑が診られました。

 ウサギの皮膚糸状菌症は人にも感染します、接触して、24時間経って皮膚内部に感染が始まります。(感染時間)
そのためうさぎに触れた後は手洗い
などしっかりして下さい。

 ウサギに触れたあと、垢ずりなどで皮膚をゴシゴシ擦り皮膚に傷が生た場合や皮膚が湿っているときはこの感染時間は早くなります。皮膚を洗うもほどほどが良いみたいです。
 
 その関係かヒトでは意外にも清潔志向の高い女性に以外に皮膚糸状菌は感染率が高いそうです。


■右前肢、初診時の様子
 真菌糸状菌症は皮疹の中央から感染が始まっており、円形に感染症は広がります。
 
 最初の中央の皮疹は免疫細胞がでてきてなおされます。

 そのため真菌糸状菌の皮疹は中央が治りかけの「かさぶた状」で円周上に赤くなる皮疹になることが特徴です。

 また皮疹の外の毛はしっかりしていることが特徴です。

■毛の直接検査 
 毛より菌糸が診られました。

 毛では条件が良いと皮膚糸状菌は菌糸(動物なら体)を伸ばしますが、条件が良くないのと、自分の命が危ないので、次の世代を作ろうと胞子(動物なら卵)ができます。
 
 このウサギの治療は抗真菌薬を使用しました。

 薬剤は角質層が入れ替わるまで飲ます必要あります。
 

 文献によればウサギは治療平均40日が必要です。
(参考・人も40日位飲むそうです。)
薬剤は早めにやめないようにしてください。

■培養・TS培地
 4日目からTS培地(サブロー寒天、フィンガセン培地のこと)とも色の変化がありました。
 培地では条件が良いので、大分生子を作ります。

■培養、同定 
Trichophyton mentagrophytesを同定しました。

抗真菌剤投与14日目の様子
 だいぶよくなりました。
皮膚のターンオーバーを考えて、あと40日間は抗真菌剤はつづけるよう話しました。

■右前肢、抗真菌剤投与14日目の様子












作者: オダガワ動物病院