小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.10.03更新

■人が犬猫に噛まれたり、猫にひっかかれたらどうしましょう
 猫の口腔内の微生物数はヒトや犬と変わらないが、その歯は鋭く、関節を直接咬まれると、細菌は免疫系の目の届かない手首などの腱鞘や関節に入り込んで増殖ができるため、小さな咬傷でも大きな病気に発展する可能性はあります。

 犬猫の口内はパスツレラ属(Pasteurella)・カプノサイトファーガ カニモルサス(Capnocytophaga canimorsusなどの菌が

 また猫の爪にはグラム陰性の桿菌であるバルトネラ・ヘンセイレ(Bartonella henselaeが人体に病気を罹患させることがあります。

■犬猫の口の中 
 犬猫の口内はパスツレラ属Pasteurella、猫の口腔には約100%、爪には70%、犬の口腔には約75%の高率で常在菌として存在している)・またカプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)などの菌が常在します。

 そのため動物に安易にオーナーの顔をなめさせる行為はしないほうが良いです。当たり前ですが動物と同じ食器で食事をすることは禁忌です。
 
 かまれた場合の処置は当然重傷度によりにより異なりますが、軽度でも医者のコメントを借りれば、上記した細菌が常在しているため、噛まれた方は病院で抗菌剤を最低3日間ぐらい処方してもらうことが良いそうです。
 
 この場合カプノサイトファーガ・カニモルサス中にはβ-ラクタマーゼを産生する耐性菌もいるためオーグメンチン®などの使用が良好とされています。
 
 尚噛まれた部位を水道水で洗うことは重要ですが、消毒は賛否あります。(詳細は医者にお尋ね下さい)

■猫ひっかき病
 猫に噛まれるよりむしろ引っかかれることで、猫ひっかき病に希に感染します。
 ヒトは感染した部位の支配リンパ節がはれます。
 
 猫の爪にいるグラム陰性の桿菌であるバルトネラ・ヘンセイレ(Bartonella henselae)によって引き起こされます。
日本の猫の9-15%が保有しています。 猫同士の感染はノミが関与しているみたいですが、猫同士は感染しても症状はだしません。

 バルトネラ・ヘンセイレ(Bartonella henselaeは細胞内に感染する細菌なので、治療には細胞内にまで分布するマクロライドテトラサイクリンが使用されます。(詳細は医者にお尋ね下さい)

■対策
 犬猫から可能な限り咬傷や掻傷を受けないようにすることが予防の基本です。
 
 また動物病院でもよくみかけますが、ペットにオーナーの口を舐めさせたり、また舐めたりしないことは禁忌です。
ペットと同じ食器で食事をして罹患した方がテレビで紹介されていたことがありました。

 また寝室に上げないことなどが大切です。
 ヒトが免疫力が低下した場合にも罹患しやすので注意が必要です。

 歯石はばい菌の固まりです。可能なら動物病院で歯石除去をすすめますが、全身麻酔下で超音波スケーラー処置が必要です。

 いつでもできる処置ではないため、日頃から動物に歯磨きの癖をつけることが大切です。

 注意点として、無麻酔で鉗子などで歯石を除去する方法は禁忌です。

 この処置をおこなうと直ぐに、より多くの歯石はつきます。


 他の動物病院でこの処置をおこない、顎の骨が折れた症例をみたこともありました。







作者: オダガワ動物病院