小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2012.10.02更新

猫のカゼ(FVR感染)

子猫を保護したが1週間くしゃみがとまらないので来院しました。

右 左 
左右鼻の細胞診

 本症例は鼻の細胞をグラム染色して、顕微鏡で好中球とグラム陽性球菌が診られ、二次感染が疑われました。 後日、培養同定で両鼻からStaphylococcus属が同定されました。
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●FVR感染の原因は猫ヘルペスウイルスです。

 ヘルペスウイルスの特徴は体の調子の良い時期は神経細胞に避難しています。
 しかし免疫状態が悪いときは、末梢に現れウイルスを排泄します。

 人用のヘルペスウイルスもあります。人では健康状態が良くないと、ヘルペスウイルスで肋間痛がおこります。

 猫の場合、母猫が「猫のカゼ(FVR感染)」の既往歴があると、出産は子猫という非免疫を抱えていますので、落とす状態になります。そのためヘルペスウイルスが神経から末梢に出現します。

 すると
 
 出産後、母猫は子猫を舐めますので、生まれた子猫に猫ヘルペスウイルスを感染させてしまうことになります。

 そのため子猫は「猫カゼ状態」でよく保護されます。

 猫カゼは眼ヤニ・鼻水が主症状です。

「猫のカゼ(FVR感染)」はウイルス病で軽度のときは、インターキャットの点眼・点鼻で治りますが、二次感染をおこしていると死亡例もある疾患です。

                                                         
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治療
この症例にはインターキャットの点鼻とグラム陽性球菌に効果が期待できるセファレキシンを処方しました。
 動物用インターキャット(共立商事  
 動物用セファレキシンのリノキシペット(ビルバック社)

その後、幸いこの猫のカゼはよくなったそうです。

                                                          
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作者: オダガワ動物病院