人の犬の皮膚のおおきな相違は被毛があるかどうかです。人の皮膚科では外用剤は多く使用されています。その理由として、外用剤は薬剤を皮膚に塗布して有効に働くことができるからです。しかし軟膏にはいろいろな種類がありますが、殆どが被毛のない人用の製品の応用になります。
被毛のある動物では軟膏の塗布で舐めてしまい余計に皮膚病が悪化する場合があること(尚人でも頭髪には軟膏は塗りません。)、また軟膏とは言え、舐めることによる体内吸収による副作用が心配なため多くは使用されていません。
(備考・ただし動物の皮膚に見識の深い獣医師、薬剤に詳しい獣医師では上記のことを踏まえて使用する場合もありますので、よくインホームドコンセントをとってください。)
そのため、上記したように、犬の診療では薬剤を外用で皮膚に効率よく到達させる方法としてシャンプー療法が使用されています。
シャンプー禁止の犬は、循環器を中心に重度の持病のかる場合や、また体調の悪い日のシャンプーはしないでください。先日も下痢をしている犬のシャンプー依頼がありましたが、治ってからに変更してもらいました。
犬以外の動物のシャンプー療法はあまり薦めません。以下は動物別シャンプー療法の私感です。
犬・性格が相当きつい犬を除き良好な方法です。回数も皮疹のより頻回可能です。
猫・比較的水は嫌いで、犬よりシャンプーは大変です。トリマーとの相性もあります。性格のきつい猫やあまり毛球がひどい場合は、鎮静が必要になる場合もあります。オダガワ動物病院では鎮静の有無は、事前によく相談して決めます。
うさぎ・毎日のブラッシングは重要ですが、オダガワ動物病院ではシャンプーをつけて全身を洗うことは絶対に薦めません。特に体調の悪い日は要注意です。肛門付近が汚れた場合のみの局所のシャンプーぐらいは可能とおもはれますが、あまり賛成はしません。
ハムスター・薦めません。
小鳥・薦めません。
犬シャンプー療法
この項では犬のシャンプー法について述べます。薬用シャンプーは1種類でなく、数種類ありますので、よく皮疹と薬用シャンプーがあっているかどうか、かかりつけ獣医師と相談してください。尚、獣医師側も使用するメーカーの好きずきがあります。皮疹と薬用シャンプーが違っていると逆に悪くなります。
ぬるま湯で皮膚をなじましてください。 皮膚炎がある場合、高温は皮膚病をより悪化させる場合もあります。個体差はありますが30℃位が適温との記載もあります。
シャンプーを皮膚全体になじませる。5-10分程度皮膚と接触されることが理想ですが、性格のきつい犬はこの行程はうまくいかないこともあります。
シャンプー後ぬるま湯、水で十分におとしてください。30℃以下が理想との記載もあります。
ドライヤーで乾しますが、過剰な乾燥は、痒みを招く場合もあります。少し湿り気がのこる位のタオルドライが理想とされています。
しかし冬場など、きちんと乾さないと体調を崩す場合もありますので臨機応変の対応が大切です。