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白い便のセキセイインコ、膵臓の外分泌不全が疑われたケース
2週間前より、白い便をする理由でセキセイインコが来院しました。
3歳・雄の症例です。川崎市多摩区菅馬場からの来院で体重は27gです。このような白い便が一面にありました。寄生虫・真菌は陰性でした。
便のヨード染色写真、結果は陽性で、デンプンの消化減少の疑いがあります。
スダンⅢ染色・本症例は脂肪の消化はまずまずでした。
膵臓の外分泌不全を診断するには、ヒト・イヌ・ネコではトリプシン様免疫活性(TLI)をおこないます。TLIはその動物専用の薬剤を使用して調べなければなりません。残念ながら鳥類用ではTLIを調べる薬剤が開発されていないのでこれ以上の検査はできません。
そのため本症例は臨床所見と、便の消化器の検査より、暫定的に膵臓の外分泌不全と診断しました。このセイセイインコは治療に反応して消化酵素を投与すると便はよくなりました。しかし止めるとまた便が白くなります。
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最終更新:3月3日(火)3時44分