ハムスターと小桜インコのイエダニ感染(川崎市多摩区、オダガワ動物病院
2024.02.12更新
■ハムスターと小桜インコのイエダニ(学名: Ornithonyssus bacoti )感染
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当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。
1歳ハムスターの小屋を2種間ぶりに掃除をしたら、沢山のダニがでてきて来院したケースです。来る前、歯ブラシでおとしてからきたので、写真では黒い虫は一点見られるだけですが、相当数が感染していたそうです。
このオーナーは3日前に小桜インコにダニらしきものが感染したため来院しました。当院では小桜インコからダニらしきものは発見されず、経過観察にしていました。
オーナーは激しい痒みを訴えていました。
ハムスターの小屋には赤矢印のようなダニが沢山見られました。
少し力が入るとすぐに崩壊して、血液が見られます。
大量に感染していたためハムスターの小屋からダニの採取は簡単にできました。
顕微鏡所見(×400倍)。イエダニ(学名: Ornithonyssus bacoti )が見られました。
オーナーさんもダニに刺され(赤矢印)激しい痒みを訴えていました。
イエダニはネズミに感染するダニで、ネズミに近いハムスターへの感染は深刻です。またヒトにも頻繁に被害を与えることが報告されています。このオーナーは小桜インコにも感染が見られたと推定されます。
当院ではウサギに感染した症例も見たこともあります。
治療は歯ブラシで皮膚に付着したイエダニを採ってもらいました。また使用している小屋、物などをまめに熱湯消毒してもらいました。
ハムスターにはレボリューション®を皮膚にたらしました。(イエダニへの効果は不明)
以上の処置を行なったところ2週間後、ハムスターのイエダニ感染はなくなり、オーナーの痒みもなくなりました。
なお、このオーナーはイヌも飼育しており、地元の掛かりつけ獣医師からフィプロニール製剤を処方され、月1回、皮膚に滴下しているそうです。
フィプロニール製剤はイヌ、ネコには良い薬剤ですが、ウサギ、ハムスター、モルモットなどには禁忌です。
間違えても使用しないよう伝えました。
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