◆猫回虫Toxocara catiは
①直接経口感染、②経乳感染、③待機宿主の補食から感染し、幼猫期に多い寄生虫である。
直接経口感染した場合、猫は犬と異なり、年齢に関係なく気管移行型、体内移行型の両方が起こることが特徴です。
気管移行型は未分化卵で外界に排泄したのち①10-30時間で幼虫形成卵になる。②この幼虫形成卵を経口摂取すると1-3時間で小腸にて孵化する。③2日間で肝臓・肺に移行する。④6日以後に肺へ移行(第3期幼虫)する。⑤10-21日で胃・腸に移行(第4期幼虫)する。⑥28日で成虫が出現する。⑦56日で虫卵が排泄される。プリパテントピリオドは4-5週13)で犬回虫よりやや長めの報告が多い。猫免疫不全ウィルス感染の症例で回虫卵が時々発見されるのはこの経路のためです。
体内移行型は犬と同じような経路を採ると推察されます。しかし猫回虫は胎盤感染がなく、子猫が乳汁を飲み腸管内で直接成虫になる経乳感染が起きます。
◇猫は補食動物なため待機宿主(齧歯類など)からの感染が多いとされているが、現在動物病院に来院する9割程が室内飼いのため少なくなっていると考えています。待機宿主からの感染した場合も幼虫は腸管で直接成虫に成長します。
◇寿命は犬回虫と同様1-2年です。
■回虫の顕微鏡所見
猫回虫の虫卵の大きさは68-75×60-67μmです。
■この猫に使用した駆虫剤プロフェンダースポット®。
背中に垂らすのみです。4週間あけて2回の投与を薦めました。
治療はレボリューション®、ドロンタール錠®は主に⑥の猫回虫成虫のみに効能を示し、
このプロフェンダースポット®は④⑤の幼虫ステージと⑥の成虫に約94%の効果を示します。
猫回虫(オダガワ動物病院 川崎市多摩区の動物病院)
2014.10.03更新
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