小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2010.12.06更新

 

■点眼剤と温度

 

日本薬局方(にほんやっきょくほう=医薬品の規格基準書)によれば、

 

「室温保存」とは1から30℃のことを指します。家庭ではタンスの中などで保存が可能です。家庭用冷蔵庫は推定4℃なので保存は可ですが、点眼剤が冷たくなり、動物が点眼を嫌がる場合があり取り出して室温に戻してからの使用を薦めます。

 

「常温保存」とは15から25℃のことを指しますが、点眼薬では私の知る範囲で常温指定のものは見あたりません。

 

「冷所保存」は1から15℃間で保存することを指します。また「冷暗所保存」とは1から15℃間で、かつ光があたらない場所を指します。これらの点眼剤は家庭用冷蔵庫(推定4℃)に入れてることがベストです。この条件に指定されている点眼剤は多くあります。冬場暖房を使用すれば室温は20℃以上になることが多く、保管には注意が必要です。

 

また点眼剤はいずれも凍結は不可です。凍結すると点眼剤は変質します。

 

点眼容器は熱に弱い製品が多く、50℃以上に放置すると、膨張または収縮が発生します。直射日光が当たる場所は注意です。夏場、車中に点眼剤を保存していると、条件によりますが50-70℃にもなるそうです。

 

以上凍結、高温にさらした点眼薬は薬効は疑問な為、新らしい点眼剤に替えての使用を薦めます。

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 点眼薬を裏にすると、使用期限、冷所管理が必要なものはその有無が記載されています。わからない場合は掛かり付けの獣医師にお尋ねください。この薬剤は2013年2月が有効期限です。また1-15度に保管することが記されています。
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(写真左)この点眼液は13年6月が有効期限です。
また温度の記載はないので1-30度の室温保存が必要になります。


(写真右)点眼液は使用期限であっても、封を切ったら1ヶ月以内の使用しなければなりません。1ヶ月以上封を開けると、バイ菌の混入があり使用できません。冷蔵庫にし まっても1ヶ月以内です。

点眼薬はこのパターンの使用期間が殆どです。

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防腐剤が入っていない使い捨て点眼
1回のみの使用です。

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 防腐剤が入っていない点眼液

 写真左のソフトサンティアは防腐剤は無く開封して10日が限界です。写真右のような溶解タイプは1週間が限界です。

 点眼薬は冷蔵庫に入れとけば、有効期限までは可能な訳ではありませんので、使用する点眼薬の使用法は掛かり付けの獣医師に聞いて使用してください。

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作者: オダガワ動物病院