小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.03.03更新

あ
chickハト回虫虫卵と成虫標本
知人の獣医師宅で飼育しているハトに回虫の虫卵がみられ、またハト回虫の成虫の標本がありました。
犬猫の回虫の標本はみる機会は多いとおもいますが、ハトの標本はこんな様子です。

image1chickハト回虫虫卵

image2chickハト回虫成虫

image3chickハト回虫成虫
 

dire他の動物の回虫症は

 

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あ
flower千鳥ヶ淵(4月)

投稿者: オダガワ動物病院

2018.03.02更新

お
chick■鳥類の検便
 

  本院で診られた鳥類の検便の主な症例を解説します。
 小鳥は検便で真菌・原虫、線虫、条虫の感染が診られます。幼少期から診られる場合が多く、購入したらすぐに検便をお薦めします。犬猫では存在しない真菌が感染していることもが多く小鳥の検便に慣れた動物病院で行うことをお薦めします。

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chickセキセイインコのメガバクテリウム症  
 camera写真はセキセイインコのメガバクテリウム。正式学名はマクロラブダス オニリソロガスター(Macrorhabdus ornithogaster)で真菌に分類される。また胃が好発部位であることからAGY(Avian Gastric Yeast)とも呼ばれていた。

 感染は鳥類のみです。犬猫またヒトには現在感染はありません。鳥には2つ胃(腺胃、筋胃)があって、腺胃と筋胃の中間層に感染することがわかっています。感染は垂直感染が殆どです。メガバクテリウムに感染した場合、元気なく、口のパクパクが多く、体重減少、膨毛がみられます。
 鳥類により症状が異なることがこの疾患の特徴です。セキセイインコ、オカメインコ、カナリア、キンカチョウ、マメリルリハインコは感受性が強く、生死にかかわる状態になり訪れることもあります。本院の経験では購入後のセキセイインコは40%は感染しています。ボタンインコ、小桜インコ、文鳥は重症な症状は出さない場合が多いです。 
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 chickright arrow文鳥のカンジダ症 裸眼とグラム染色 (酵母様真菌)

camera写真は文鳥のカンジダ、同定済み)
 
ガンジダ菌は健康な鳥に少々いて正常ですが、多くなると生死にかかわる菌です。ガンジダ菌が増殖した状態をガンジダ症と言います。原因は栄養性と二次性に分かれます。
 
                          
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chick
right arrow鳥類のジアルジア症(Giardiasis ヨード染色
  
camera写真はセキセイインコのジアルジア)

 ジアルジア症はヒトではランブル鞭毛虫 (Giardia lamblia) を原因とする原虫症です。
鳥類ではジアルジア症は(Giardia sp)セキセイインコでよく診ます。また文鳥でも発生します。

 嘔吐、軟便などの臨床症状を伴う場合と伴わない場合があります。 
 診断は新鮮な便でないとみつからないことが多いです。

 治療は抗原虫剤の投与が中心です。

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chick鳥類のトリコモナス

と
camera写真はハトの回虫とトリコモナス(右)
 
 トリコモナスは鳥類ではオカメインコでよく診ます。嘔吐を主訴に来院します。駆虫には抗原虫剤を使用します。

chickup arrow小鳥の検便に戻る

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ぶ
camera写真は文鳥のコクシジウム)
 
 鳥類では本院ではコクシジウムは文鳥・鶏・ハトで診られます。コクシジウムは下痢など症状起こす種と、また症状が出ない種があります。駆虫にはサルファ剤やトリトラズリルを使用します。
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chick鳥類の回虫

image1 
camera写真はハトの回虫)
 
 鳥類では回虫は本院ではオカメインコ・アサクサインコ・鶏・ハトで診られます。犬猫の回虫より細長いのが特徴です。駆虫は回虫駆虫薬の投与になります。)
chickup arrow小鳥の検便に戻る
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chick鳥類の毛細線虫症(Capillaria

とcamera写真はハトの毛細線虫症)

 鳥類の毛細線虫症(キャピラリア)は生活史、駆虫剤などの詳細はよくわかっていない寄生虫です。本院ではハト、コザクラインコで1例診た経験がある位です。
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chick鳥類の条虫(Teniasis 

ぶcamera写真は文鳥の条虫)

  条虫は文鳥・鶏で稀に診られます。写真のように便に「しらす」がついたように見え、自宅で十分に発見できます。確定診断のため、必ず受診する動物病院に寄生中は持参してください。
 条虫駆虫薬で治療は可能ですが、文鳥の条虫は中間宿主が不明なため2-3ヶ月で再発する場合が多いです。

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.03.02更新

オダガワchickセキセイインコ(学名:Melopsittacus undulatus)の
ジアルジア(Giardia.sp)症
 


ジアルcamerachickジアルジア、裸眼(×1000)
左下、栄養型(trophozoite
右上、シスト(cyst

ジアル
camerachickジアルジア(図1)
栄養型(trophozoite)のグラム染色(×1000)

  健康診断にきた3ヶ月の雄のセキセイインコです。ジアルジアは本院では症状がなく健康診断で発見されるケースが多いです。幼鳥のセキセイインコには多く診られ、春から夏にかけて多い疾患です。この症例は全身状態、体重は正常範囲ですが、メガバクテリウムと混合感染した例です。重傷例は軟便、居眠りが診られ、下痢・血便の症状が現れると、生死に関係する場合もあります。診断は検便とそのう検査から行いますが、単回の検査では見つけにくい場合もあり、複数必要な場合もあります。
 ジアルジアはヒトへの感染の可能性があるため、診られたら早く駆除することを薦めます。
 

down arrowchick便中のセキセイインコのジアルジア、動画

 セキセイインコのそのう、小腸に感染すると、2分裂をしながら増殖します。(栄養型、trophozoite)。
その後、栄養型のみでなく、間欠的に殻に覆われたシストと呼ばれる形態も一緒に排出するようになります。(上記の図1、動画参照)

 ジアルジアの治療には抗原虫薬メトロニダゾールを投与します。初期であればこの薬剤の投与で70%は駆除できますが、環境を含めた総合的な治療が必要です。その理由は 厄介なことに、環境中に排泄されたシストは殆どの消毒液に抵抗性します。乾燥には弱いですが、水のある場所では2ヶ月位生存しています。そのため便とともに排泄されたシストが食事に付着あるいは混入して経口再感染をおこす可能性があります。
そのため現実的なシストの除去には飼育場所、また使用している玩具を熱湯をかけて、日光消毒で乾燥させることが良いと考えています。



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投稿者: オダガワ動物病院

2018.03.02更新

あ
■烏骨鶏の回虫症
回虫症は鳥類では烏骨鶏のみでなく、アサクサインコ・オカメインコ・ハトなどで診られます。


 
烏骨鶏が血便をするとこことで、川崎市宮前区より4羽がみえました。
 
 
持参された便、血便の状態でした。

 
 どの烏骨鶏かかりませんが、持参された便は血便をしていました。検便ではコクシジウムと回虫が発見され血便の原因はどちらの虫卵か不明です。両方の駆虫剤(回虫はパモ酸ピランテル、コクシジウムはトリトラズリル)を4匹分処方しました。
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 烏骨鶏の回虫は楕円形を示します。
しかし円形の回虫もいました。
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10日後の再来院時の検便で回虫は陰性になりました。
鶏回虫のプリパテント・ピリウド(37日)を考慮して、20日後に再駆虫をしました。

dire他の動物の回虫症は
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dogright arrow犬小回虫


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.02.02更新

お
mouseハムスターの検便

 ハムスターはジアルジア・大腸蟯虫(Syphacia mesocriceti)・盲腸蟯虫(Syphacia obvelata)がときどき診られます。
購入後はぜひハムスターを診療している動物病院での検便をお薦めします。

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■ハムスター盲腸蟯虫、虫卵  ■ハムスター大腸蟯虫、虫卵

right arrow蟯虫の成虫は便に「しらす」がついたような状態で診られます。(ウサギの例、ハムスターもほぼ同様)

ハムスターでは蟯虫は大腸蟯虫・盲腸蟯虫(写真)がいます。
駆虫は回虫などと同じ線虫類なので、同様の駆虫剤を使用します。片利寄生性のためハムスターには害はないという意見もあります。

up arrowmouseハムスターの診療に戻る

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■原虫

あ
原虫疾患はジアルジアとスプレノムクレウス(旧名 ヘキセミタ)が診られます。

これら原虫はハムスターには常在しており健康診断、また全身の状態悪化により、多く診られます。駆虫は抗原虫薬になります。


up arrowハムスターの診療に戻る

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■小形条虫(Vampirolepis nana
別名・ナナ条虫、矮小条虫
こ
 小形条虫、虫卵(44-62×30-55um)無色、楕円形
 小型条虫はright arrow円葉条虫に分類され、この条虫の特徴は唯一中間宿主がなくても生育可能な経路をもつことです。
また一般的な円葉条虫のように、この虫卵がノミ類やコクゾウムシなどの昆虫に食べられ、(中間宿主)体内で擬嚢尾虫という幼虫に発育します。それをハムスターが食べて小腸で成虫になる中間宿主の経由での生育もあります。
終宿主の片節は崩れやすいため、腸管内で虫卵に含有している六鉤条虫が擬嚢微虫に成長して、腸管内を逆流し、宿主を出ることなく次世代を開始する自家感染もおこす経路もあります
 
 診断は上記したように腸管内で片節は崩れやすいため、一般的に円葉条虫に用いられる片節の確認ではなく、検便で虫卵の発見が重要です。
これまで本院の診てきた症例は臨床症状はあまりませんが、自家感染が多かったり、汚染環境で飼育されていると、下痢、腸炎、また濃厚感染では死亡例の報告もあります。駆虫薬の投与がベストですが、腸管内の擬嚢尾虫には駆虫薬の効果は薄いので、検便で虫卵の有無をみながら繰り返す必要があります。寿命は比較的短く、4~6週間です。人畜共通の疾患ですが、日本での患者の発生は殆どありません。しかし幼児には注意が必要です。

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.02.02更新

odagawamouseハムスターのジアルジア症


 

ハム下痢

生後7ヶ月の雄ハムスターが下痢を主訴に来院しました。 体重は78gと少々やせ気味です。またこれまで軟便のことが多かったそうです。今日はとくに下痢がひどいので来院しました。触診では体温が低く危険な状態です。 

down arrow検便でジアルジアが確認されました。

ハムスターのジアルジアは常在している原虫です。ハムスターの具合が悪くなるとでてきます。

この症例も抗原虫剤を処方しましたが、予後は厳しいと予想されます。

 


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投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.17更新

o

dogtigerrabbitchickコクシジウムとは


こ

文鳥のコクシジウム

 コクシジウムは腸管に寄生して幼犬、幼猫、幼ウサギでは激しい下痢を繰り返し脱水で死亡する可能性のある疾患です。しかしコクシジウムの種類によっては症状なくすごせ、また希に自然治癒することもあります。両者は顕微鏡の検便では鑑別は不可能で発見したら駆虫剤の投与がベストの選択です。
 
 コクシジウムにはイソスポラとアイメリアの2属があります。
 犬猫はイソスポラ(オーシスト内のスポロシスト2つ、スポロシスト内のスポロゾイト4つ)の感染でおきます。ウサギはアイメリア(オーシスト内のスポロシスト4つ、スポロシスト内のスポロゾイト2つ)です。 しかし両者間に駆虫薬の相違はある訳ではありません。


サルファ剤の歴史 
 サルファ剤(salfa)は一部に硫黄(sulfar)を含んでおり、これが名前の由来になっています。しかし硫黄とサルファ剤は別ものです。1932年、最初にG.J.P.ドマークらによつて合成された薬剤でスルファニルアミド基を持ちます。

 備考・獣医領域で時々使用する薬剤で、糖尿病のSU剤、アセタゾラミド(利尿剤)、ゾニサミド(抗癲癇剤)などがスルファニルアミド基を持ち これらの薬剤の使用で副作用が診られた場合はサルファ剤投与は注意が必要です。

 作用は葉酸の合成阻害です。葉酸は細菌は自身で作れますが、ヒトを含めて動物は食事から捕ります。その差を利用した薬剤です。サルファ剤は葉酸の前駆体、パラアミノ安息香酸(PABA)と同じような形状です。
サルファ剤を飲むと、PABAと競合拮抗して、PABAおしのけて、細菌の葉酸の代謝系に入り込むます。そしてジヒドロ葉酸を作れなくします。ジヒドロ葉酸はその後細菌のDNAなどを作る材料になりますので、細菌は生存できなくなります。ヒトを含めて動物はこの経路がないので副作用は少ない薬剤です

 副作用は薬学の本と臨床の場では相違が診られます。
 薬学の本では犬はアセチル化が低くサルファ剤の代謝が苦手です。長期使用で腎障害がでることがあるので注意が必要と記載されています。中毒症状として尿潜血,蛋白尿,尿排泄困難.血清クレアチニン,BUN濃度の上昇が診られるそうです。また尿が弱酸性の犬猫では希に代謝産物(おもにN4のアセチル体)が腎に析出します。ウサギは尿がアルカリ性なのでこの心配は皆無です。
 しかし副作用は臨床の場では使用期間が短いこともあり、私自身経験はありませんし、実際副作用が生じたことを聞いたことがありません。 

■サルファ剤のコクシジウムへの作用 
 サルファ剤は薬理学では抗菌剤ですが、コクシジウム虫体への浸透が良いため使用します。 
 コクシジウムは下痢でも薬剤吸収はよく、注射剤も経口剤も血中濃度は変わらい報告もありますが、本院では下痢がひどい場合は注射投与で3-4日間通ってもらっています。 主な効果は抗体産生までの増殖を抑えることで、無性生殖生活環の最後部分のtrophozoite→schizontの後期発育最終段階の抑制で、この薬剤はコクシジウムの生活環の遮断であり、殺虫効果ではありません。免疫状態は動物により異なり、そのため薬用量・期間の報告も教科書により様々です。経験的には駆虫には14-21日間を要しています。
初期のサルファ剤、スルファジアジン(sulfadiazine)は1947年にが開発され、1日2回の投与が必要がありました。

■スルファモノメトキシン sulfamonomethoxine 
 1日2回は不便のためスルファモノメトキシンは1958年頃に販売されました。投与後の血中濃度は延長して投与回数の減少(1日1回)、副作用の軽減目的(腎臓のアセチル体の沈殿を少なくしたり)を目的に作製されたスルファジアジンの誘導体です。この薬剤は動物病院ではではコクシジウムの駆除によく使用されてます。
 ヒト用、動物用共にダイメトンという商品名が有名です。ヒト用は製造中止になりました。また犬猫用もないため、小動物診療では現在、大動物用を使用しています。
 犬・猫・ウサギのコクシジウムの駆除に感受性がよく、好んで使用しています。

■スルファジメトキシン sulfadimethoxins 
  この薬剤も動物病院ではコクシジウムの駆除によく使用されてます。
 ヒト用、動物用共にアプシードという商品名が有名です。ヒト用はシロップ製剤・注射剤があります。ダイメトン同様、犬猫用はないため大動物用を使用している施設もあります。本院では文鳥始め鳥類のコクシジウムの駆除に使用しています。


その他コクシジウム駆虫剤
■トリラズリル Toltrazuril
 3週間に1回の経口投与でコクシジウムの駆虫可能なトリトラズリルは牛・豚のコクシジウムには認可されてます。 有性生殖・無性生殖両方に効能を示します。本院の使用経験で小動物(犬・ウサギ・文鳥など)に効能外使用は効果はあるようにおもいますがが、症例が少なくまだ詳細は不明です。使用の際は担当獣医師とよくお話ください。

■アセチルスピラマイシンSpiramycin Acetate 
 筆者はマクロライド系抗生剤のアセチルスピラマイシンもは犬猫コクシジウムに使用したことはあります。(ウサギは禁忌)使用した経験では確かにサルファ剤と同等の効能があるようにおもいます。
 医療ではアセチルスピラマイシンはマクロライド系抗生剤としての価値は低く、産科関係でトキソプラズマ(学名:Toxoplasma gondii)に使用される薬剤です。 トキソプラズマはアピコンプレックス門コクシジウム綱に属して動物のコクシジウムと分類が似ています。そのため効能があるのではと筆者は推測しています。
 サルファ剤で副作用がでる症例などは使用価値はあるとおもいますが、二重盲検などのデーターもみあたらず、開業獣医師の経験的な使用法で『有効』と判断してるにすぎないので、エビデンスとしてはサルファ剤より低い薬剤になります。


コクシジウム感染型oocystの生存期間、 
便に排泄されたオオシスト(oocyst)は1-3日で感染型oocystに変化します。

環境          生存期間
砂地(陽当たり)     4ヶ月
荒地(陽当たり)     6ヶ月
湿地           9ヶ月
樹木の多い陽影   18ヶ月
清水中         24ヶ月
乾燥鶏糞(陽影干し) 10ヶ月
乾燥鶏糞(天日干し)  7ヶ月

oocystの駆除法
熱湯   60度     30分
熱湯   80度       1分
熱湯   100度    1-2秒

熱風   80度      5分
熱風   100度     3分

消毒薬には殆ど抵抗します。

 


 

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あ

 flower2木下沢梅林(3月)

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2015.09.16更新

お
 rabbitウサギのコクシジウム症
 
 当院ではウサギのコクシジウム症は開業した20年前はよく診ましたが、ペットショツプが衛生的になった現在殆ど診なくなりました。。
 この症例は『ウサギの専門店』の検便で『異常なし』とのことで購入したケースです。当院で再度検便をしたらコクシジウムが発見されました。検便は大切ですが少数寄生だったり、また虫卵は産む日と産まない日があるため、絶対の判断ができる訳ではありません。
 そのためウサギを購入したら掛かり付け動物病院で臨床症状と合わせて再検便することを強くお薦めします。

本症例のコクシジウム
  ウサギ 雌 6ヶ月 雑種、健康診断で本院を訪れました。検便をおこなうとコクシジウムが発見されました。コクシジウムはアイメリアとイソスポラに分かれます。ウサギはアイメリア(Eimeria.Spp)の感染でおこり12種以上の属が同定されています。

■ウサギのコクシジウム症
 胆管と腸に感染します。
 胆管に感染するE.stiedaiは最も病原性が強いとされています。E.stiedaのオーシストは胆管上皮で形成された後に胆汁とともに腸管腔に排泄されます。そのため通常の検便で検出は可能です。しかし発育分裂がさかんな時期には胆管上皮を破壊し、胆汁の刺激等で炎症を生じ、胆管炎を併発します。すると継続的に胆管は肥厚し胆汁のうっ滞を招き、その結果消化障害や下痢などの臨床症状もおこします。
  腸に感染するコクシジウムはEimena Perforans、Eimena.Magna、Eimena Media Eimena.Irresidue などのがいますが、病原性は種によって異なります。おこる可能性がある臨床症状は軟便、下痢です。
 
 顕微鏡所見ではウサギに診られるコクシジウムは上記のような円形の形態と下記のような楕円形の形態が診られますが、残念ながら種類の判断はつきません。中には激しい臨床症状を出す種類もあるため、コクシジウム虫卵を発見したらすぐに駆除することが重要と考えています。特に仔うさぎでは、コクシジウムが原因の下痢が始まってからでは、薬剤投与しても体力がもたず、死亡するケースが多いからです。
 
あ
サルファ剤が効く理由
 治療にはサルファ剤を使用します。尿がアルカリ性のうさぎでは殆ど副作用のない薬剤です。
 紹介した症例はサルファ剤のスルファモノメトキシン(sulfamonomethoxine)を処方して、その後よくなりました。サルファ剤は1-2週間の治療が必要でまた状態によってはもっと時間のかかる場合もあります。

 なぜかと言えばサルファ剤は直接コクシジウムに作用する特異的駆虫剤ではありません。無性生殖生活環の最後、無性生殖の二期のtrophozoiteからschizontへの発育段階を遮断します。細胞性免疫が働き抗体を作るまで、無性生殖を抑制しているに過ぎませんか、真核動物であるコクシジウムへの浸透がよい薬剤です。
 
■トルトラズリル(Toltrazuril) 
 牛用・豚用のコウクジウム駆虫剤のトルトラズリル(Toltrazuril)を使用する場合もあります。ウサギが投薬を拒否する場合など、投与が1回ですむので便利ですが、日本ではウサギに多く使用されていないため、副作用などがよく分かっていません。


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最終更新:平成27年9月16日(水)


 

投稿者: オダガワ動物病院

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