セキセイインコの甲状腺腫(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2021.11.21更新
■セキセイインコの甲状腺腫
元気がないことを主訴に来院した4歳のセキセイインコです。
触れるとそ嚢が腫大してました。(黒矢印)また頭部に嘔吐の跡も診られました。
レントゲン検査で甲状腺領域の肥大が診られました。
ヨード剤、甲状腺ホルモンの投与で1週間後回復しました。
原因はヨード不足でおきます。セキセイインコ、文鳥の中年以後に多く診られます。
ヨードの不足がおきると体内では視床下部から甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが放出されます。そしてその刺激をうけた下垂体前葉から甲状腺に甲状腺刺激ホルモンが分泌されます。断続的に刺激を受けた甲状腺は肥大して甲状腺腫をおこします。そのため甲状腺ホルモンは低下します。
セキセイインコは甲状腺の肥大により特に食道が圧迫されそ嚢が腫大して受診するケースが多いです。
嘔吐が多い症例では死亡したケースもあり注意が必要です。
甲状腺腫の症状として開口呼吸、空を見上げるような姿勢、鳴き声の変化、チアノーゼ、喀血などが診られることもあります。
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