小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2022.10.08更新

 

あ ■ネコのトキソプラズマ検査


   padご注意

このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、

インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。

当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。


 トキソプラズマ症は妊婦さんが感染すると胎盤を通じて胎児に感染して(経胎盤感染)流産や先天性トキソプラズマ症を引き起こす可能性があります。
そのため妊娠を理由に飼いネコを隔離する必要はあるのかなど当院でのトキソプラズマ症相談は妊婦さん関係が殆どです。
 今回の症例は自宅に妊婦さんがくる方で、飼育している6歳ののネコ(2匹)のトキソプラズマ検査に来院しました。

ネコのトキソプラズマ
  血液検査でトキソプラズマ抗体価をみて判断します。陰性、偽陽性、陽性の3通の判断になります。
トキソプラズマ抗体価は感染して4週間たつと抗体価が上昇するため、偽陽性の場合は2-4週間後に再検査が必要になり、抗体価が有意に上昇している場合は感染していると考えられます。
ネコエイズなどに罹患してたり、ネコアトピー様症状などでステロイドなどを使用している゛所謂゛免疫抑制状態のネコは抗体価の上昇が確認できないこともあり、様々な要因から検討する必要があります。

book今回の結果

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(写真1)

ネコA トキソプラズマ陰性
ネコB 偽陽性
そのためネコBは3週間後再検査しました。偽陽性は変わらず著しい抗体価の上昇は認められずトキソプラズマ陰性と判断しました。

なおネコのトキソプラズマ検査は全国殆どの動物病院で可能です。


ヒトのトキソプラズマ 
  産婦人科医のホームページから引用させていただくと、ヒトのトキソプラズマ診断は血液検査で抗体を調べます。本邦ではトキソプラズマ抗体を持っている妊婦さんは2~10%といわれます。妊娠する前からトキソプラズマ抗体を持っていれば、赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症を起こす心配はないそうです。ただし妊娠する前後で抗体陽性になった場合はいつ感染したのかを推定するために他の検査が必要です。感染時期により対応は異なりますので詳細はかかりつけ産婦人科医に相談ください。妊娠した時期とトキソプラズマ感染時期が重なった場合は大変です。
 今回の妊婦さんはトキソプラズマ抗体は陰性とのことでした。陰性とわかったら、出産までの間はトキソプラズマに決して感染しないように徹底した予防を心がけることが必要になります。


 ヒトへのトキソプラズマの感染は妊婦さんに限らず、『食肉』」と『ネコ便』の2通りが主経路です。

食肉からの感染
 感受性が高いのがブタ肉です。なおブタに限らずトキソプラズマは全ての温血動物に中間宿主として感染可能であるため、哺乳類である鯨を含めた獣肉や鳥肉の生食や加熱不十分は常に感染のリスクを伴います。妊婦もしくはその可能性のある方は、肉の生食は控えるとともに、肉を調理する際には、中心部まで十分に加熱することや、まな板を肉用とその他用に分けるなどの対応が必要です。電子レンジによる加熱では内部温度の十分な上昇が得られないため必ずしも確実であるとはいえないそうです。

ネコ便からの感染
  トキソプラズマはネコ科の動物が固有の終宿主で感染卵であるオーシストを排泄できます。重要なことはネコがオーシストを排出するのは、初感染後数日からおよそ2週間までの間のみです。また排出されたオーシストが成熟し感染能を獲得するまでに少なくとも24時間を要するとされるため、糞便の処理を毎日(24時間以内で)実施することにより感染力のあるオーシストとの接触を回避できます。(このときトイレ容器は熱湯で消毒することが望ましい、消毒薬は抵抗性高く薦められない。)

 以上より理由で妊娠を理由に飼いネコを隔離する必要は殆どありませんが、猫の糞便の処理は妊婦以外の者が24時改間以内に行うことが望ましいとされています。

(食肉からの感染、ネコ便からの感染の項、国立感染症研究所ホームページ参照、一部改)


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投稿者: オダガワ動物病院