ネコの瓜実条虫、屋外飼育例(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2022.09.03更新
■ネコの瓜実条虫、屋外飼育例
(うりざねじょうちゅう、 学名 : Dipylidium caninum )
ご注意
このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、
インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診療の妨げになりますので
お断りしています。
当院での診療、薬剤希望の方はペットをつれて時間内に来院ください。
(写真1)70%アルコールの入った試験官の中の瓜実条虫。(写真では70%の文字が切れてますが)
ネコの便から寄生虫がでていることでオーナーのみ来院しました。
半分野良状態で飼育しているため、とてもネコを捕まえて来院できません。
そこで70%アルコールの入った試験官を渡し寄生虫を入れてくるよう指示いたしました。70%アルコールに入れると寄生虫の形態が安定してよい診断が下せるためです。
翌日、持参してくれました。(写真1)
(写真2)左は瓜実条虫の押捺標本、右は実物です。
(写真3)押捺標本40倍の顕微鏡写真です。六鉤幼虫がたくさん発見され確定診断がつきました。
(写真4)押捺標本100倍の顕微鏡写真です。よりはっきりと六鉤幼虫が見られます。
駆虫薬プラジクアンテルは注射、錠剤、滴下と3つの薬剤形態があります。
この症例は半分野良状態で飼育しているネコなので捕まらないため、背中に滴下する薬剤、注射剤は使用できません。
そのため錠剤を粉にして食事に混ぜておこなってもらいました。
なお瓜実条虫はノミがいないと感染しません。ノミ予防、ウリザネ条虫予防を兼ねて、今月から経口ノミ駆虫剤、ロチナレルを月1回食事に混ぜて投与してもらうことにしました。
このネコはチュウル®に薬剤を混ぜると、ロチナレルは問題なく食べてくれましたが、プラジクアンテルはあまりたべてくれませんでした。
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