小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.11.08更新

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■緑内障点眼薬 ラタノプロスト点眼 

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 本薬はベルギーで生産され、ファルマシアAB社(スウェーデン)により合成されたプロスタグランジン(PG)F2αの誘導体です。PG製剤は1970年代にウサギで眼圧低下が報告されてから、注目されている薬剤です。プロスタノイド受容体サブクラスのうち、FP受容体に対するアゴニストと考えられています。プロスト系と呼ばれ犬では主に成分名ラタノプラスト、トラボプラストが使用されています。本院はトラボプラストは未使用なため、詳細はわかりません。

 これら薬剤は角膜で代謝されて、acid体になり透過して受容体に作用します。その結果、毛様体筋・細胞外器質に変化が生じ、ブドウ膜、強膜流出路がひろくなり、眼圧が下降すると考えられています。

 犬ではこの経路が主流出路で40-60%を占めており最も効果がある動物です。容量依存性の眼圧下降作用を示します。本来はヒト用ですがヒト・猫では流失路の関係で犬ほどの効果はありません。(他は副流出路 毛様体筋間・脈絡膜循環)

 プロスト系の利点は、副作用はβ遮断薬に比べて全身的副作用は少ないです。しかし結膜充血・点状表層角膜炎・眼瞼・虹彩色素沈着、睫毛の異常があります。

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■ラタノプロスト点眼の種類

ご注意 本院では現在ラタノプロスト点眼はラタノプロスト点眼PFのみを使用しています。

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 キサラタンはラタノプロスト点眼の先発品です。海外では米国において緑内障治療剤として1996年6月5日に承認され、1998年11月現在、世界57カ国で承認されています。日本では1999年5月販売されました。一般的に先発品は特許が守られるのは特許出願して20年です。そして発売まで研究開発に9-17年位の年月と数百億の費用がかかります。そのため販売可能な期間は3-11年位です。この間に採算をとらなければならないので先発品は高くつきます。また薬学的欠点はとしては冷所保存と添加物の塩化ベンザルコニウムがあげられます。塩化ベンザルコニウムは長期の点眼により角膜潰瘍をおこす可能性があります。特許が終了して販売されたのがのジェネリック品です。基礎研究はいらないため、安価になる点が長所です。ジェネリック品は先発品の公開データーを礎に製薬しますが、先発品のすべてのデーターが公開される訳ではありません。温度、添加物など微妙な部分では相違が生じ、効能に反映される場合もあります。そのためジェネリック品は効能がおちると考え、使用しない獣医師もいます。しかし先発品とジェネリック品の審査基準は難しいものがあります。

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 camera写真のラタノプロストのジェネリック品はメーカーの企業努力により冷所保存不可の製品が開発されました。

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 さらにPF点眼の開発(camera写真左)により防腐剤もフリーな製品もできました。

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PF点眼とは

 

作者: オダガワ動物病院

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